「救急車呼んでくれ、マジで!」
「ムリ~! 君が死ぬの待っててあげる~」
「ヤバいよ……」
「早く死にな?」
「ヤバいって……頸動脈いってる……」
動画に映しだされていたのは、首から血を流し、床に座り込む男性。「救急車を呼んでくれ」と懇願するが、撮影者のオンナは笑いながらそれを拒否し続ける。やがて男性は力尽きたように床に倒れこみ、動画はプツリと切れた――。
11月1日、知り合いの男性YouTuber(40歳)の首をハサミで刺し、YouTuberの水口恵容疑者(37歳)が殺人未遂の疑いで逮捕されたことが明らかになった。事件が起きたのは10月31日夜11時頃、栃木県足利市にある被害男性のアパートだった。
水口容疑者の知人が明かす。
「水口容疑者と被害男性は、いわゆる『炎上系YouTuber』でした。といっても、登録者数はそれぞれ数千人程度。炎上系のインフルエンサーが互いに暴露しあったりするような内容の動画をYouTuberやSNSに挙げて、再生回数を稼いでいました」
なぜ、炎上系YouTuber同士だった二人の間で事件が起きたのか。
「二人はしょっちゅう『ケンカ』をし、それをネタにしていました。しかしやり方が徐々にエスカレートし、被害男性が水口容疑者の親に突撃したそうです。それに水口容疑者が激怒し、男性のアパートに押し掛けた。水口容疑者は1週間近く男性の家に滞在した後、隙をみて男性をハサミで刺したと聞いています」(同前)
驚くべきことに、水口容疑者は犯行の様子を自ら動画撮影。冒頭で描写したのが、その内容だ。しかも水口容疑者は、動画を複数の知人に送り付けたのだという。
前出の知人が続ける。
「私を含め何人かに送っていたようですが、理由はわかりません。動画を見た私は水口容疑者にすぐに電話をし、『救急車を呼んだほうがいい』と伝えたんですが、彼女は『ムリ』としか答えず……。『(被害男性の)ケータイを壊している』と言ったり、『死ね! お前みたいな奴は死ね!』と被害男性を脅したり、終始支離滅裂な様子でした。ただ、男性は首に軽傷を負ったが、命は落とさずに済んだそうです」(同前)
逮捕された水口容疑者は、警察の取り調べに「殺す気はなかった」と供述しているとされる。
「炎上系YouTuber」の行き過ぎた動画は社会問題にもなっているが、炎上系同士での殺人未遂事件まで発生。過激化に歯止めをかけなければ、今後も事件は頻発しそうだ。
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