猛暑続きだった今年の7月は記録が残る過去126年間で「最も暑い7月」だったことがわかりました。2年連続の記録的な暑さは、主食にも影響を与えるかもしれません。
【写真で見る】米不足 全国で深刻 在庫は過去最少、そして高値に
記者「お米売り場を見ると、『おひとり様1点まで』という注意書きが掲示されています」
いま、東京・練馬区のスーパー「アキダイ」で深刻になっているのが米不足です。
新潟から産地直送の米を、例年は9月まで確保していましたが、今年は7月で仕入れがストップしました。他の品種の米も品薄状態が続き、先月、購入制限に踏み切ったといいます。
アキダイ秋葉弘道社長「注文しても次入ってくるのがいつか分からない。これは本当に30年ぶりじゃないですかね。僕の記憶だと」
農水省によると、2024年6月末の米の民間在庫は156万トンで、比較可能な1999年以降、過去最少になります。
また、JAグループなどがコメを業者に卸した際の価格(米の相対取引価格)は6月、玄米60キロあたり1万5865円で、約11年ぶりの高値をつけました。(全銘柄平均円/玄米60kg・農水省より)
アキダイでも2割程度の値上げをしています。
客「困りますね。やっぱり毎日食べるものなので」
江戸時代から続く精米店の店主は、品薄や高値の理由について…
玄米耕房かめた市野澤利明代表「米って秋に獲れるものですから、去年の秋、令和5年(2023年)に獲れた米をずっと食べ続けている。今年(売っている米)は要するに暑さ、去年の猛暑」
米どころで有名な新潟県南魚沼市では、2023年夏に、農業用水として使っている川が干上がるなど、猛暑が稲の生育に大きな打撃をもたらしました。また、流通量が減っている中で、インバウンドによる外食需要の増大などもあり、需要と供給のバランスが崩れているといいます。
玄米耕房かめた市野澤利明代表「もう毎月のように金額が、問屋さんからくるメニューが上がってきた。最初は微増だったんですけど、今になってボーンと上がってきた」
喜入友浩キャスター「耐え時はどれくらい?」
玄米耕房かめた市野澤利明代表「もう2か月ぐらいの辛抱だと。10月には東北(の新米)も入ってくるから、もうちょっとの耐え時だと思う」
期待は新米です。ただ、去年に匹敵する猛暑に精米店の危機感は募るばかりです。
小川彩佳キャスター:厳しい暑さがずっと続いていますね。影山さんはカフェを経営されていますが、経営にも影響はありますか。
カフェ店主・元外資系コンサル影山知明さん:7月は暑い夏で、7月の売り上げがここ数年で最も悪い1か月になったくらいです。店の実力不足等々もあるにしても、7月は外出を控える人が多かったかなという印象です。
小川キャスター:そもそも外に出る方が少なくなっていますが、暑さは今年だけというわけにはいかなさそうです。
カフェ店主・元外資系コンサル影山知明さん:お米の話がありましたが、ある程度、天候不良みたいなものが続いていく前提で考えないといけないですよね。産地の再編成みたいなことが必要になってきます。エリアで獲れていたはずの作物が獲れなくなっても不思議じゃないと思います。
飲食店をやっている側からすると、「店としてこういうメニューを出す」と約束をして、必要な食材を仕入れていますが、店の都合とは別に、自然界の都合で獲れたり、獲れなかったりすることがあるわけですよね。そうすると、メニューで約束しているものをその通りには作れないことが、どうしても起こってくる。あまりにコントロールしようとすると、野菜を命として扱えなくなっていくことが起こってしまうと思います。ある程度、「今年はこの作物がなかったので、これで許して」ということを、おおらかに受け止めていただけるとありがたいです。
小川キャスター:消費者側も、心構えを変えていかなければならないですね。(2024年8月2日放送の内容を再構成しました)
========<プロフィール>影山知明さん外資系コンサルティング会社出身のカフェ店主出版業・地域通貨などにも取り組む