この梅雨の時期に悪化しやすくなる、関節の痛みについてです。 関節痛の中でも、近年増えているのが、指に激痛が走る『ヘバーデン結節』と呼ばれる症状です。
ジメジメした梅雨の季節に、関節の痛みが強まります。
『へバーデン結節』とは、指の第1関節の軟骨がすり減り、関節の変形・腫れなどを引き起こす病気です。
初期でもこれだけの腫れです。進行すると、腫れに変形が加わってきます。
原因は、『モヤモヤ血管』です。 加齢やホルモンバランスの変化によって増えてしまう異常な血管で、これが、炎症や痛みの原因にもなります。
この『モヤモヤ血管』が増えると、血管から水や線維が漏れて、赤く腫れ出します。 その後、周りの神経も過敏になって痛みも発生。 『へバーデン結節』を発症します。
『へバーデン結節』を発症しやすい人は、手をよく使う人、その職業の人です。 主婦・楽器演奏者・美容師・パソコン作業・介護職・電気工事などです。
特に注意が必要なのが、40歳以上の女性です。 なぜでしょうか。
女性ホルモンの一種である『エストロゲン』が関係しています。
エストロゲンは、関節を包む滑膜の炎症・腫れを抑える役割がありますが、これが閉経する前後の40~50代で急激に減少します。エストロゲンの分泌量が減少すると、炎症や腫れが常態化して、『へバーデン結節』を発症するリスクがあります。
タレントのキャシー中島さんは、『ヘバーデン結節』と20年以上闘っています。
キャシーさんは、若い頃、20歳前後には「白魚のような指だね」と言われ、指輪のモデルも経験しました。 27歳頃の写真では、指に異変は見られません。
しかし、ここ最近は、指の第一関節が腫れ、中指は小指の方に傾いています。 親指にも水ぶくれのようなものができています。
キャシーさんの最初の異変は、45歳頃でした。右手の小指の第一関節が腫れました。 47歳頃、同じ右手の人差し指の第一関節も腫れたため、リウマチを疑い、病院で検査を受けましたが、「異常なし」という診断でした。
その後、50代に入り、閉経を迎える頃には、ほかの指にも痛みが出てきて、缶詰のふたが開けられない、トイレでズボンが上げられないなど、日常生活にも支障が出てきました。57歳ごろ、初めて整形外科を受診すると、そこで『ヘバーデン結節』と診断されました。
『ヘバーデン結節』になると、日常生活に様々な支障が出てきます。
●箸・ペンが持てない●髪を洗えない●ペットボトルのふたが開けられない●財布から小銭を出せない●キーボードや携帯電話の操作ができない●レジ袋が持てない
キャシーさんが『ヘバーデン結節』だと分かった、約15年前は、医師から、 「老化現象の1つ。根本的な治療法はありません」と言われて、痛み止めの内服薬などの対症療法にとどまっていたということです。
その後、キャシーさんに転機が訪れます。「65歳を過ぎた頃に、SNSで、ヘバーデン結節であることを公表した。すると、ファンから『エクオール』を教えてもらい、摂取すると痛みが緩和した」ということです。
スマホの持ち方によって、『へバーデン結節』のリスクが高くなることもあります。
(1)両手で持って両手で操作『へバーデン結節』のリスクは低いです。 手指にかかる重さが分散できるので、負担は少ないです。
(2)片手で持って同じ手で操作『へバーデン結節』のリスクは高いです。 小指は指の中で最も関節が弱いので、負担が大きくなると、痛みやしびれ・変形を招くおそれもあります。
(3)片手で持って別の手で操作『へバーデン結節』のリスクは低いです。 手指の1カ所に負担が集中するのを防ぐことができます。
『ヘバーデン結節』の予防法と治療法です。
まず予防のためのストレッチです。肘をしっかり伸ばして指先を上に向け、10~15秒、反対の手で指を手前に引きます。 左右ともに数回行います。 これで、モヤモヤ血管ができにくくなる効果が期待できます。
症状が出た時の対処方法です。痛みのある関節にテーピングをすることで、血流が緩やかになり、痛みが和らぎます。
そして、最新の治療法です。動注治療というもので、動脈から薬を流し、『モヤモヤ血管』を減らします。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月21日放送分より)