県内一の梅の産地、大分県日田市大山町の大分大山町農協で主力品種の一つ「南高(なんこう)梅」の出荷が本格化している。
今年は全国の産地が記録的な不作に見舞われ、同農協の取扱量も「例年の3割程度」(販売課)にとどまりそう。品薄のため、販売価格は例年の3、4倍に高騰しているといい、早めに買い求めるよう呼びかけている。
梅部会の約150戸が計約70ヘクタールで栽培している。今年は暖冬の影響で開花が早まり、受粉がうまく進まなかったうえに、3月の長雨、晩霜といった悪条件が重なった。販売課の担当者は「こんなことは初めて」と肩を落とす。
出荷は5月に始まり、小梅の「竜峡」「七折」などに続いて大梅の代表格「南高」が最盛期に入った。南高は全体の取扱量の3割超を占める主力品種で、現在は黄色に熟した梅干し用の「黄熟南高」が中心という。
13日には選果場で「目合わせ会」があり、農家らが箱詰めされた梅を手に取るなどして出来を確かめた。出荷は今月いっぱい続き、九州全域の市場に届けられる。
新田耕三部会長(62)は「(収量が減っても)品質に問題はない。大山の上質の梅を使って、おいしい梅干しを作ってもらいたい」と話していた。