〈「あなたは縁故がないから…」慶應義塾幼稚舎を目指す母子に“お受験の先生”が言い放った衝撃の言葉とは?《少子化でも志望者増。小学校受験のリアル》〉から続く
過熱する小学校“お受験市場”。少子化が進んでいるにもかかわらず、公立ではない名門小学校への志望者は増え続けており、情報サイト「お受験じょうほう」によると、今年度入学の首都圏にある私立小学校の総志願者数は約2万4000人にも上るという。
【写真】「クマ走り」を体現している熊の写真
だが、巷に出回る「お受験」に関する情報は多くない。試験の内容、合否判定の基準、塾の月謝……初めて臨む親にとっては分からないことだらけで、“秘密のベール”に包まれている。

「週刊文春」は3月29日に文春オンラインに配信した記事で、私立小学校の最難関・慶應義塾幼稚舎に挑戦した母子の体験談を報じた。
今回の記事でお伝えするのは、国立の難関校・筑波大学附属小学校に子供を入れた佐藤佳奈子さん(仮名、30代)の体験談だ。
筑波大附属小学校のホームヘーシ
「社会に出るまでに受験は経験してほしいので、大学受験をすることを前提に中高の偏差値が高い学校で志望校を選び、筑波を念頭にお受験を開始しました」
佳奈子さんはこう語る。彼女によると、筑波の試験内容は、ペーパーと口頭試問、親の作文、そして「クマ走り」と呼ばれる運動だという。
「クマ走り」とは、国立の小学校、とりわけ筑波では必須となる項目だという。「クマ歩き」とも呼ばれ、手足を地面について膝をつけずに進む運動だ。

この運動がなぜ筑波という国立の難関小学校で必須になるのか。「メリーランド教育研究所」の大野将平代表が解説する。
「クマ歩きをさせることで、全体的な運動神経を測ることができ、運動神経の高さが表れます。限られた試験時間の中で、全体的な運動神経を測る方法として優れています。特に近ごろは、腕で体重を支えられない子供が多く、体育等で転倒した際に手を出せない、または手が出ても支えられないことで、大怪我につながることがあります。それらを避けたい狙いもあるのでしょう」

佳奈子さんの家庭は夫婦共働きだというが、こうした試験を無事クリアし、子供は筑波に入学することができたという。
「共働き家庭でのお受験は難しい」という声が根強くある中、佳奈子さんたちはなぜ国立の難関校に子供を入れることができたのか。「週刊文春電子版」では、「《子育て記者の真相ルポ》シン・お受験戦争」と題する連載を配信している。第2回となる今回は、国立の小学校にフォーカスを当てて、合格を勝ち取った親子の証言を掲載する。また、2人の子供が難関校を全勝だったという「カリスマママ」がおすすめするお受験対策なども併せて報じる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)