〈愛子さま(22)はネイビースーツで日赤“初出勤”「紀宮さまと同じ和服の…」学習院大学ご卒業の日に見せられた“秘蔵の振袖姿”〉から続く
天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(22)は、4月1日に日本赤十字社へ初出勤された。ネイビーのベーシックなスーツに白いシャツ、ブラックのローヒールパンプスをお召しになり、ポニーテール姿で颯爽と初日を迎えられた。
【写真】まばゆいほどの白さ…愛子さまがお召しになった圧巻の“純白ドレス”

それに先立ち、学習院大学を卒業したことを報告するため、3月26日には三重県の伊勢神宮を参拝され、27日には奈良県の神武天皇陵を参拝された。この地方ご訪問でも、さまざまなスーツや参拝服をお召しになり、随所に愛子さまのこだわりが感じられたのだ。
現地取材をして感じたのは、どこへ行っても大勢の人が集まって「愛子さま~」と歓迎の声があがったことだ。名古屋駅などをはじめ、愛子さまのお姿を一目見ようと、長い時間をかけて待っていた人も多くいたようだった。その都度、愛子さまは丁寧に会釈をして応えられた。
往路の新幹線、近鉄の列車では、ホワイトのスーツに同色のパンプスをお召しになった。洋服と靴、バッグの色を合わせてワントーンにする美意識は、雅子さまへのオマージュでもあるかもしれないと思った。雅子さまは縦長の“Iライン”を演出されるのに対し、愛子さまは少し短めの丈のジャケットにフレアスカートなどを合わせられることが多い。愛子さまにお似合いになるバランスだと思う。

この日、あいにく伊勢神宮周辺は荒天で、土砂降りのなか、愛子さまのお出ましを多くの人が待っていた。ところが愛子さまが外宮に到着される直前に雨があがり、太陽がさし、次第に青空が広がったことには驚いた。外宮に続き内宮を参拝されるころには、風が出てきたもののすっかり天気は回復し、激しい雨がうそのように晴天となった。
純白の参拝服をお召しになった愛子さまは、扇子を持って背筋をまっすぐに伸ばし、しずしずと歩を進めておられた。ドレスはウエストから裾に向かって広がるシルエットで、これぞプリンセスラインというもの。長いドレスの裾が揺れていて、愛子さまは参拝服の裾をつま先で小さく蹴りながら、上手に歩かれていることが分かった。愛子さまの参拝服姿には存在感があり圧巻だった。ドレスのまばゆいほどの白さもあいまって、大きなインパクトを残した。

30分ほどで参拝を終えられると、愛子さまのお顔がとても優しくなり、緊張が解けて安堵されたご様子がよく伝わってきた。奉迎の人の前を笑顔で会釈を繰り返しながらゆっくりと通り過ぎ、穏やかな笑みを浮かべられていた。
翌日の27日、愛子さまは斎宮歴史博物館で一般の人に声かけをなさったことがニュースでも話題になった。こうしたサプライズは天皇皇后両陛下が皇太子時代からなさっていたことで、愛子さまもご両親の背中を見て育ってこられたのだと思うと、感慨深い。小学生たちとは、「卒業したんやろ? 大学」「ニュースで見たわ」と会話を交わし、愛子さまもリラックスされた表情だった。
奈良県へ移動し、神武天皇陵の参拝でお召しになっていたグレーの参拝服も、ケープの丈が絶妙で素晴らしかった。ドレスの裾のドレープとリンクしているように見える丈で、このセットはとても美しい装いだと思った。

帰京の際のスーツは、淡いブルーのペールトーンといえるジャケットとフレアスカートで、ジャケットのショールカラー(へちま襟)を拝見して、雅子さまもよくお召しになっているデザインではないかと思った。
今回の地方ご訪問で私が最も注目したのが、花柄が可愛らしい、ブルーのミニバッグだ。実は、2016年7月に14歳の愛子さまが両陛下とご一緒に神武天皇陵を参拝されたときもお持ちになり、長年のご愛用ぶりが伝わってくる。さらに昨年5月、「御即位5年・御成婚30年記念 特別展」でも、愛子さまは同じバッグをショルダーポーチとしてアレンジしてお持ちになった。

学習院女子中等科時代の愛子さまは、2016年夏ごろから少しずつほっそりとされて、15歳の誕生日に際したご近影では、ご体調を心配する声があがった。
「中学生の愛子さまは伊勢神宮と神武天皇陵を参拝され、京都御所へ出かけられたことを通して、天皇家の歴史や伝統を身をもってお感じになり、自分もここに連なる皇室のメンバーだと自覚されたのではないでしょうか」(宮内庁関係者)
そのような時期を乗り越えて、ご自身のルーツを自覚されたときにお持ちになったバッグを今回あらためて持参されたことに、愛子さまが込められたメッセージがあるのかもしれないと思った。
3月27日、帰京のため近鉄橿原神宮前駅に到着された愛子さま 時事通信社
前日の名古屋駅では大勢の人々の出迎えに緊張されたのか、照れくさそうな笑顔で少しぎこちなさを感じたが、27日の夜、東京駅へ到着された愛子さまのお姿を拝見すると、とても落ち着いたご様子で、無事に三重県、奈良県へのご訪問を終えられた達成感を味わっておられるように見えた。
私は久しぶりの皇室の地方訪問を取材して、国民との触れ合いが戻ってきたように感じられた。愛子さまの伊勢神宮ご参拝は、コロナ禍の影響で大きく延期されていたのだが、結果的に、大学ご卒業のタイミングが功を奏して、各地で愛子さまのご成長があたたかく受け止められていたと思う。
新年度から、宮内庁公式インスタグラムもスタートした。宮内庁は「若年層を含む幅広い層の多くの方に、皇室に関する発信をご覧いただきたい」という意向で、現在は両陛下のご活動を中心に、愛子さまも同席された際は写真がアップされている。今後はどのようなSNS戦略がなされるのか、注目していきたい。
(佐藤 あさ子)