赴任先のタイで日立造船の社員=当時(27)=が自殺し、大阪南労働基準監督署(大阪市)が労災認定したことが分かった。
亡くなったのは上田優貴さんで、遺族が25日、大阪市内で記者会見して明らかにした。
遺族らによると、上田さんは2018年4月、日立造船に入社し、21年1月からタイでごみ焼却施設プラントの電気設備の確認作業などに従事した。同3月に業務内容が変更され、ミスを犯すと厳しく叱責されるようになり、同4月30日に飛び降り自殺。直前の3月15日から約1カ月間の時間外労働は149時間を超えていた。
労基署は、初めての海外勤務で強いられた業務内容の変更や、ミスに対する叱責などが上田さんに与えた心理的負荷の強度を「強」と評価。死亡直前に精神障害を発症したと認定したという。
会見で上田さんの母直美さんは「息子の大事な未来が奪われ、悲しさ以上に悔しい。会社側がどう思っているのか聞きたい」と話した。日立造船は「労災認定について確認できないため、コメントは控える」としている。
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