小林製薬の「紅麹原料」をめぐり、影響が広がっています。同社のサプリメントを摂取して入院した人は26人に増加。食品などのメーカーは52社が自主回収に追われています。紅麹自体には問題がないものの、想定外の成分が含まれていた可能性があります。■消えた豆腐と日本酒…共通の原料は25日夜、ふるさと納税のサイトを見ると、徳島県の「あわ 紅豆腐」(大塚食品)が返礼品としての受け付けが停止されていました。名古屋市の酒店では、1か所だけ空になった棚が。23日まであった、日本酒宝酒造の「松竹梅白壁蔵『澪』PREMIUM ROSE」が店頭から消えました。

消えた2つに共通しているのが、紅原料を使用していることです。発端となっているのが、健康被害が報告されている小林製薬の「紅原料」の問題です。■サプリ摂取で26人が入院する事態に小林製薬によると、製造・販売するサプリメント「紅コレステヘルプ」を摂取した人たちが、腎臓の疾患などを発症。透析治療が必要な患者を含む6人が入院したと発表していましたが、新たに20人増え、合計で26人が入院していたと25日明らかにしました。「想定していない成分が含まれている可能性がある」として、商品の自主回収を行っている小林製薬。製造する紅原料18.5トンのうち、8割が食品メーカーや飲料メーカー合わせて52社に提供されています。この中には、健康被害が報告されているサプリメント用のものとは異なる、食品の着色や風味付けなどに使われる紅も含まれていますが、全国で混乱が起きています。■酒店に回収指示のメール…利用者は?名古屋市の酒店には23日、回収指示のメールが届きました。「サプリメントで問題が指摘した紅を使用しているため、念の為回収するとのことです」「店頭から該当商品の撤去をお願いします」(原文ママ)とありました。利用者「ちょっとびっくりしましたね。そういう報道があってから、いろんなものに使われていると知ったので、怖いなと思いましたね」■名古屋市の豆菓子店でも自主回収着色とうまみを足すために紅原料を使っていた名古屋市の豆菓子店も、自主回収を余儀なくされました。「豆福」福谷代表取締役「真っ当に菓子作りをしてきたつもりが、たまたま自主回収対象になっている原料を使っていたばかりに、お客様お取引先様にご迷惑ご心配をおかけすることになったものですから、経緯がどうであれ、弊社としても大変申し訳なく思っています」■いかの塩辛やチーズせんべいも対象に紅関連の商品については、各メーカーから自主回収発表されています。大塚食品の「あわ 紅豆腐」や豆福の「紀州梅こぶ茶カシュー」などの他、紀文食品の「国産いか使用いか塩辛」、ZERO PLUSの「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」、竹屋の「タケヤみそ 塩ひかえめ紅仕立て」などがあります。紅原料は他にも別のメーカーに販売されているということで、自主回収の規模はさらに広がる可能性があります。■チョコレートやカップにも「紅麹」有働由美子キャスター「小林製薬に関係する商品以外でも、紅は世の中で多く使われています。チョコレートやカップ麺の原材料名を見ると、『紅』や『ベニコウジ色素』の文字があります。『紅』と見ただけで『大丈夫なのかな』という心配の声も上がっています」■着色の「赤い色素」と機能性成分に注目小野高弘・日本テレビ解説委員「紅そのものが問題というわけではありません。紅は、蒸した米に紅菌を入れて発酵させたものです。発酵で赤い色素が生まれるため、これで着色されている食品が多くあります。ただ今回そういった食品は問題になっていません」「機能性成分も注目されています。血圧低下やリフレッシュ効果があるとされるGABAや、血中のコレステロールを抑制する作用があるとされるモナコリンKをウリにした商品も数多く販売されています。こういった商品も今回問題になっていません」「問題は小林製薬のもので、健康被害が報告された紅の製品を調べてみると、想定していない成分が含まれている可能性があると分かりました」有働キャスター「それが健康に被害を及ぼしている可能性があるということですか?」小野委員「それはまだ分かっていませんが、予防措置で自主回収しようということになりました」■想定していない成分と自主回収の対象小野委員「小林製薬によると、同社のサプリメントだけではなく、同じ原料を使って他の企業が製造したサプリメントや機能性表示食品にも、想定していない成分が含まれているとみられています」「着色などで小林製薬の紅麹を使った他の企業の食品などは、想定していない成分が含まれていないものもありますが、これらも含めて自主回収しており、その数は52社に上っています」「食品安全に詳しい東京大学の唐木名誉教授は『紅は使用した紅菌の種類や発酵期間などによって、生産される成分の種類や量が変わる。食品の着色目的で使われている紅の製品に関しては、健康に問題がある成分は入っていない』と話しています」「さらに『製造の過程で有害な成分を生む別の菌などが混入することは普通は考えられない。想定外のことが起きた可能性もある』と指摘しています」有働キャスター「今回健康被害が確認された製品を購入された方はもちろん、『これって大丈夫なのかな?』と不安に感じた場合は、各メーカーの製造元に確認してください。小林製薬では『紅麹健康相談受付センター』があります」「1月から症例報告がありましたが、そこから2か月たちました。小林製薬が被害を拡大させないための努力、最善を尽くしたのかはしっかり検証してほしいと思います」(3月25日『news zero』より)
小林製薬の「紅麹原料」をめぐり、影響が広がっています。同社のサプリメントを摂取して入院した人は26人に増加。食品などのメーカーは52社が自主回収に追われています。紅麹自体には問題がないものの、想定外の成分が含まれていた可能性があります。
25日夜、ふるさと納税のサイトを見ると、徳島県の「あわ 紅豆腐」(大塚食品)が返礼品としての受け付けが停止されていました。
名古屋市の酒店では、1か所だけ空になった棚が。23日まであった、日本酒宝酒造の「松竹梅白壁蔵『澪』PREMIUM ROSE」が店頭から消えました。
消えた2つに共通しているのが、紅原料を使用していることです。発端となっているのが、健康被害が報告されている小林製薬の「紅原料」の問題です。
小林製薬によると、製造・販売するサプリメント「紅コレステヘルプ」を摂取した人たちが、腎臓の疾患などを発症。透析治療が必要な患者を含む6人が入院したと発表していましたが、新たに20人増え、合計で26人が入院していたと25日明らかにしました。
「想定していない成分が含まれている可能性がある」として、商品の自主回収を行っている小林製薬。製造する紅原料18.5トンのうち、8割が食品メーカーや飲料メーカー合わせて52社に提供されています。
この中には、健康被害が報告されているサプリメント用のものとは異なる、食品の着色や風味付けなどに使われる紅も含まれていますが、全国で混乱が起きています。
名古屋市の酒店には23日、回収指示のメールが届きました。「サプリメントで問題が指摘した紅を使用しているため、念の為回収するとのことです」「店頭から該当商品の撤去をお願いします」(原文ママ)とありました。
利用者「ちょっとびっくりしましたね。そういう報道があってから、いろんなものに使われていると知ったので、怖いなと思いましたね」
着色とうまみを足すために紅原料を使っていた名古屋市の豆菓子店も、自主回収を余儀なくされました。
「豆福」福谷代表取締役「真っ当に菓子作りをしてきたつもりが、たまたま自主回収対象になっている原料を使っていたばかりに、お客様お取引先様にご迷惑ご心配をおかけすることになったものですから、経緯がどうであれ、弊社としても大変申し訳なく思っています」
紅関連の商品については、各メーカーから自主回収発表されています。
大塚食品の「あわ 紅豆腐」や豆福の「紀州梅こぶ茶カシュー」などの他、紀文食品の「国産いか使用いか塩辛」、ZERO PLUSの「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」、竹屋の「タケヤみそ 塩ひかえめ紅仕立て」などがあります。
紅原料は他にも別のメーカーに販売されているということで、自主回収の規模はさらに広がる可能性があります。
有働由美子キャスター「小林製薬に関係する商品以外でも、紅は世の中で多く使われています。チョコレートやカップ麺の原材料名を見ると、『紅』や『ベニコウジ色素』の文字があります。『紅』と見ただけで『大丈夫なのかな』という心配の声も上がっています」
小野高弘・日本テレビ解説委員「紅そのものが問題というわけではありません。紅は、蒸した米に紅菌を入れて発酵させたものです。発酵で赤い色素が生まれるため、これで着色されている食品が多くあります。ただ今回そういった食品は問題になっていません」
「機能性成分も注目されています。血圧低下やリフレッシュ効果があるとされるGABAや、血中のコレステロールを抑制する作用があるとされるモナコリンKをウリにした商品も数多く販売されています。こういった商品も今回問題になっていません」
「問題は小林製薬のもので、健康被害が報告された紅の製品を調べてみると、想定していない成分が含まれている可能性があると分かりました」
有働キャスター「それが健康に被害を及ぼしている可能性があるということですか?」
小野委員「それはまだ分かっていませんが、予防措置で自主回収しようということになりました」
小野委員「小林製薬によると、同社のサプリメントだけではなく、同じ原料を使って他の企業が製造したサプリメントや機能性表示食品にも、想定していない成分が含まれているとみられています」
「着色などで小林製薬の紅麹を使った他の企業の食品などは、想定していない成分が含まれていないものもありますが、これらも含めて自主回収しており、その数は52社に上っています」
「食品安全に詳しい東京大学の唐木名誉教授は『紅は使用した紅菌の種類や発酵期間などによって、生産される成分の種類や量が変わる。食品の着色目的で使われている紅の製品に関しては、健康に問題がある成分は入っていない』と話しています」
「さらに『製造の過程で有害な成分を生む別の菌などが混入することは普通は考えられない。想定外のことが起きた可能性もある』と指摘しています」
有働キャスター「今回健康被害が確認された製品を購入された方はもちろん、『これって大丈夫なのかな?』と不安に感じた場合は、各メーカーの製造元に確認してください。小林製薬では『紅麹健康相談受付センター』があります」
「1月から症例報告がありましたが、そこから2か月たちました。小林製薬が被害を拡大させないための努力、最善を尽くしたのかはしっかり検証してほしいと思います」