2000年12月に世田谷区で会社員の宮沢みきおさん(当時44歳)の一家4人が殺害された事件について、世田谷区議会は27日、国に早期解決を求める意見書を賛成多数で可決した。プライバシーに配慮した上でDNAの遺伝情報のデータベースを拡充し、捜査に活用するよう求めた。
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意見書は区議30人が提出した。国内にDNA捜査を規定する法律がない一方、海外では遺伝情報が凶悪事件解決に貢献していると指摘。「DNA情報が十分に活用されていない現状は、遺族の思いと同様に無念だ」とした。これに対して「プライバシー保護について国民の理解が必要だ」など反対意見もあった。
殺人事件遺族でつくる「宙(そら)の会」特別参与の土田猛さん(76)は「DNA情報の活用に向け、法制化の議論の第一歩となってほしい」と話した。【菅健吾】