埼玉県東松山市の国道で8日早朝、1歳11カ月の男児がはねられて死亡する事故があり、埼玉県警は9日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、トラックを運転していた神奈川県海老名市、会社員鎌田克己容疑者(58)を逮捕した。1歳児は自ら外出した可能性もあり、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はデイリースポーツの取材に対して、幼い子どもがそうした被害に遭わない対策として「手の届かないドア上部への補助錠の設置」を呼びかけた。
逮捕容疑は8日午前5時15分ごろ、東松山市砂田町の国道407号で、近くに住むベトナム国籍のチャン・ニャット・クオックちゃんをはね、救護せず逃走した疑い。同容疑者は「人とは思わなかった」と容疑を否認している。埼玉県警によると、男児の父親は「朝、子どもが寝ていたので妻を迎えに行った」と説明。自宅からいなくなっているのに気付き、両親で周辺を捜していた。
小川氏は「夜間、家のカギはかけていたと思いますが、1歳児ではあるが、正確には1歳11カ月であり、自力で外出したのではないか。私の推測ですが、その日早朝は雪が降っていたので、ドアを開けて外をみると、雪が降っていたので『もうちょっと外に出てみよう』という子どもなりの好奇心があったのではないか。倒れていた場所から、道路を横断しようとしてはねられた可能性も考えられる」と指摘した。
歩き始めたばかりの幼児が自分の意志で外出することはあるのだろうか。小川氏は「親としては小さな子どもが自分でカギを開けることはできないと思っていても、過去の例からも子どもは突然、カギを開け、ドアを開けられるようになることもある。親が開けているのを『見よう見まね』で、昨日までは開けられなかったのが、今日になって急に開けられることもある」と説明した。
今回のケースを踏まえ、小川氏は「ドアチェーンとか普通のカギだけではなく、補助錠を子どもの手が届かないドア上部の高い位置に付けるのが有効です。ドアの取っ手を開けようとしても、さらに上にある補助錠が効いているので開けることはできません。子どもさんがいる家庭は早い段階で補助錠をドアの高い位置に付ける必要があるかと思います。また、ベランダからの転落を未然に防ぐためにも、玄関のドアだけでなく、ベランダやバルコニーにも補助錠を取り付けることをお勧めします。防犯上の抑止力にもなります」と提言した。