岡山県が新年度予算案に同窓会開催に補助金を出すことを発表し、さまざまな意見が出ています。一体なぜ同窓会に補助金を出すのか、その狙いについて考えていきます。
【写真を見る】岡山県が少子化対策で『同窓会補助金』に賛否の声 「ライフスタイルを考えるきっかけになってほしい」【Nスタ解説】
小笠原亘キャスター:岡山県の2024年度予算案での少子化対策予算は約199億円。そのうち約188億円が妊娠・出産・子育てに使われています。例えば▼男性の育休取得支援に約1億円、▼新婚夫婦などを対象に、お店で特典が使える結婚応援パスポート事業に1148万円。
今回、同窓会に補助金1000万円の予算を岡山県はつけました。同窓会開催を補助した市町村に対し県が半額補助するという、「同窓会等開催支援事業」という政策になります。
同窓会を開催する人に県が直接半額補助するのではありません。同窓会の開催を市町村が補助、市町村が補助した分の半額を県が補助するというものです。
補助される同窓会の制度は市町村ごとに異なりますが、勝央町の場合「同窓会対象は40歳まで」という制度になっています。「10人以上」や「独身は何人」など、市町村ごとに制度が決まっているということなんです。
伊原木隆太岡山県知事は「少子化対策=子育て支援と短絡的に思いすぎているのでは。晩婚化、未婚化が日本の少子化の根本的な原因だ、というのが私の考えであります。社会として子どもを増やすというときに、私は同窓会はすごくいいと思う」と話しています。
これにはやはり賛否があります。SNSでは…「同窓会補助って滅茶苦茶アホだなーって思ったけど、俺も同窓会で嫁と出会って結婚して子どもを3人育ててる。少子化対策に意外と効果あるかも」「出会いを助けてくれるのも確かに必要かもだけど、今現在子どもを産もうかどうか迷っている人には意味がないよな…って思う」など、その先の段階に予算をつけてほしい、という意見もあります。
井上貴博キャスター:数々ある少子化対策の政策の中のうちの一つということで、会見で県知事も「やれることは全てやる」と話しましたが、これはある意味“いかに切羽詰まってるか”。危機感の裏返しなのかな、という気がしました。
弁護士 萩谷麻衣子さん:私はいいと思います。政府の少子化対策を見ていると、学童保育、児童手当、育休、授業料無償化など、子どもが生まれた後により手厚く、少子化対策になるような政策をやっていますが、「生まれる前に出会いからしないと」というのは、自治体の実情に合わせてやるというのは別に悪くないと思います。
小笠原キャスター:岡山県はやはり色々とやっています。岡山県独自のマッチングサイト「おかやま縁結びネット」というのを岡山県が運用していますが、利用者から「相手に出会えない」という意見もあったそうです。そこで同窓会に目をつけたということなんです。
こういうデータがあります。※結婚相談所「パートナーエージェント」より【再会した同級生との恋愛について期待する】男性:63.6%、女性:41.8%【同窓会きっかけに交際に発展した】48.6%、その後、結婚した人は3人に1人。
「同窓会だからこそ…」と岡山県こども未来課の担当者は話していて「顔なじみの同窓会で結婚子育て、仕事などライフスタイルを考えるきっかけになってほしい。最終的に地元へのUターンにも繋がれば」とおっしゃっています。
同窓会をきっかけに結婚した人にお話を聞くことができました。【福岡県在住の男性(27)】妻は中学時代の友人。卒業後は疎遠になるも成人式後の同窓会で再会し、2023年に結婚。同窓会での出会いについて「相手のことがある程度わかっているので、関係性を1から作り上げる大変さがない」と話しています。
小学館「kufura」によると、「同窓会あるある」があるそうです。▼(47歳女性)20歳のときに行った小学校の同窓会で初恋の人が私のことを「初恋の相手だ」と言ってくれた▼(57歳女性)成功した人の幸せ自慢がうざったい▼(48歳女性)当時の彼はとてもかっこよくてクールな子。バレンタインのチョコレートを渡し良い思い出になっていたが…久しぶりに会ってかなり劣化して、性格まで変わった。親父ギャグ炸裂の寒い人に…
日比麻音子キャスター:同窓会の支援が「少子化対策」と言われると、私は違和感があって「うーん」と思っていましたが、データも見てみますと「なるほどな」と。まずは、きっかけ作りというか、政府や自治体がいろんなあの手この手で「前向きなんだよ」と示してもらうという意味では、こういう方法もあるんだな、といま納得しました。