東京都江戸川区の会社員野本結梨香さん(当時18歳)の遺体が昨年11月、山梨県の山中で見つかった事件で、警視庁は25日、野本さんを殺害した疑いが強まったとして、交際相手の防水工渥美遼馬被告(31)(死体遺棄罪などで起訴)について殺人容疑で逮捕状を取った。
26日にも再逮捕する。これまでの調べに野本さんの殺害をほのめかす供述をしており、警視庁は詳しい動機や経緯を調べる。
野本さんは昨年6月7日夜に自宅を出たまま行方不明となった。父親からの届け出を受けた警視庁が交友関係を調べたところ、交際相手の渥美被告が浮上。11月27日に山梨県小菅村で野本さんの白骨化した遺体の一部が見つかり、警視庁が12月1日に渥美被告を死体遺棄容疑で逮捕していた。
捜査関係者によると、渥美被告が野本さんの失踪時、中古車販売店から借りていたワゴン車を調べたところ、後部座席から大量の血痕が見つかり、鑑定の結果、野本さんのものと確認された。
司法解剖の結果、野本さんの死因は特定されなかったが、警視庁は現場の状況などから、渥美被告が昨年6月7日頃、野本さんを何らかの手段で車内で殺害したと判断した。渥美被告は昨年春頃から野本さんと交際していたという。
野本さんは介護施設に勤務しており、失踪翌日には職場に「体調不良で休む」とSNSのメッセージを送っていた。昨年10月下旬まで家族や友人とSNS上のやり取りがあり、警視庁は渥美被告が事件の発覚を遅らせるため、野本さんになりすましてメッセージを送信していたとみている。
事件では、渥美被告と共謀して野本さんの遺体を遺棄したとして、渥美被告の学生時代の同級生の会社員の男(30)(千葉県八千代市)も死体遺棄容疑で逮捕、起訴されている。