2024年の新年初競りが5日早朝、東京・豊洲の中央卸売市場で行われ、238キロの青森県大間産クロマグロが最高値となる1億1424万円(キロ単価48万円)で競り落された。銀座などですし店を運営する「ONODERA GROUP」と仲卸の「やま幸」が共同で購入。このタッグが“一番マグロ”で競り落としたのは4年連続5回目となった。
歴代の“一番マグロ”は、2019年に「すしざんまい」を運営する喜代村が278キロの大物を3億3360万円(同120万円)で競り落とし、キロ単価とともに史上最高値を記録。21年からはコロナ禍の影響もあり価格が下がっていたが、今年は前年の約3倍まで急騰。4年ぶりに1億円を突破した。
株式会社ONODERAフードサービスの長尾真司社長は「正直迷ってはいたんですけど、(マグロで)たくさんの人に笑顔になっていただければ。悲しいニュースが続いたので、どうしても取りたかったという思いはありますね」と年明けの震災や航空機事故を念頭に、初競りに込めた思いを明かした。
また、「鮨 銀座おのでら」統括総料理長の坂上暁史氏も「一番魚体が良かったですし、これしかないなという感じですね」と白熱した初競りを振り返った。
一方で20年以来の一番マグロ購入とはならなかった「すしざんまい」の名物社長・木村清氏は、報道陣の前に姿を見せると、「一番のやつを買いましたよ」と笑顔に。「今年買ったのは3日に獲れたマグロ。食べごろでちょうどいい、最高の大間のマグロです」とアピールすると、おなじみのポーズを披露し豊洲を後にした。