1月13日・14日の大学入学共通テストをはじめ、大学や高校、中学の入試が本格的に始まります。しかし、そんな日を狙って、試験会場に向かう受験生を狙う犯罪者も…。
【写真】女子の下着について、男性からの気持ち悪いコメントSNSで、痴漢予告をおこなう声明、被害者の声などが投稿され、被害の可能性が高いにも関わらず、被害者は泣き寝入りしているのか数字にはあらわれず。そこで、警視庁は主要駅での私服警官による見回りを強化、関西でも鉄道各社が強化した対策を、昨年の共通テスト期間に行っています。

受験日の痴漢対策を、一般社団法人痴漢抑止活動センターの松永弥生さんに伺いました。遅刻できない受験生を狙う卑劣な行為毎年、受験シーズンになると、「痴漢し放題」「受験生は遅刻できないから狙い目」など痴漢犯罪を想起させる書き込みがSNSで相次ぎます。電車やバスなどの公共交通機関における痴漢犯罪の解決を目指す松永さんは、「受験日の痴漢は、SNSで拡散される以前から問題となっていました。掲示板ではそのような書き込みがありましたし、数十年前の受験日に痴漢被害にあい、、悔しい思いを今も抱えている女性も知っています。SNSで多くの人が目にすることになり、社会問題として捉えられるようになったのでは」と指摘。書き込みをした人全員が実際に犯行に及ぶわけではなく、ネット上で面白半分で騒いでいるタイプもいるのではないかと考えていますが、「このような書き込みを見た時点で、受験生は心理的なストレスを受けることになります。書き込み自体が卑怯で許されない行為です」。受験生を狙った痴漢行為について、「受験生は試験に遅刻したくないから、“この人、痴漢です”と周囲の人や駅員に訴えることはない、だから捕まらないし、安心して痴漢行為ができる、と痴漢犯罪者は見くびっています」と怒りをにじませます。受験日に実践したい5つの痴漢対策受験当日、痴漢被害を受けないための対策を以下に提案。●可能ならば、私服で受験「制服姿で参考書を開いて、車内にいると受験生だと思われる可能性があります。できれば、私服で試験を受けてください。今年の大学入学共通テストは1月13日・14日で土日になります。休日の朝早い時間の制服移動は、痴漢にターゲットにされやすいです」●友達と一緒に行動「痴漢はひとりでいる子を狙うことが多いです。同じ会場で試験を受ける友達がいたら、一緒に行動してください」●座席に座る「車内での痴漢行為は立っている時に発生することが多いです。座席に座れるようにしましょう。利用する駅の始発電車や乗客の少ない電車に乗って座る、ラッシュのピークを避けるなどできれば。座席を確保するには、少し早めに行動する必要も出てくるかもしれませんが、ギリギリの時間の電車で行くより、余裕を持って行動する方が試験にもリラックス気分で臨めると思います」●ドア付近や連結部分・先頭車両の端には近づかない「ドア付近は人が滞留して混雑している・駅に着いた時に逃げやすいため、痴漢が好む場所。連続して開かない側のドア横の座席際や車両連結部分、先頭車両の運転室の後ろなどは隅に被害者を追いつめることが可能で被害が多発、ひどい被害が多くなります。痴漢が多い場所は受験日に関係なく、いつでも注意が必要です」●自信のある態度で堂々と振る舞う「こちらもいつでも行なって欲しいこと。痴漢加害者は、姿勢や表情など自信のない様子をしている子を狙います。痴漢抑止バッジをバッグなどに付けることも有効です。このバッジを付けることで痴漢を許さないと強い意志を表明していることになります」また、事前におこなうことができる対策もあります。●受験校の対応を確認しておく大学入学共通テストを取り仕切る独立行政法人大学入試センターのHPでは、試験当日の留意事項として、痴漢の被害に遭った場合は追試対象となることを掲載しています。このような場合は、速やかに受験票に記載されている「問合せ大学」に電話連絡を行い、追試申請を行なってください。また、受験者が痴漢などの犯罪行為に遭った場合の対応を、自身が受験する学校にあらかじめ問い合わせておけば、不安も緩和されます。●防犯アプリをダウンロードする痴漢撃退機能がある警視庁の防犯アプリ「Digi Police」(デジポリス)は、防犯ブザー機能があるほか、声を出さなくてもスマホの画面を見せることで助けを伝えることができます。こちらは、スマホの画面を見せることで助けが必要か確認できるなど、年齢性別問わず有用です。保護者や周囲の大人も“痴漢を許さない”行動を受験生が万全の態勢で試験を受けるためには、保護者や周囲の大人のサポートも重要です。「保護者の方は、受験生が余裕を持って移動できるよう、早めの時間に送り出してください。過保護だという意見もあるかもしれませんが、心配なら、試験会場まで一緒に行くのもありかもしれません。大人といっしょなら、痴漢を抑止することになります」と話し、痴漢抑止バッジを子どもに渡すこともおすすめしています。「電車やバスでの痴漢行為は長い間、はびこってきました。被害を口にせず、自分の胸だけにしまってきた人々が悪いのではありません。痴漢行為を許してきた人々の責任だと思っています。痴漢行為に悩まされることなく、受験生の皆さんには試験で大いに力を発揮して欲しいです。受験生らしき人を見かけたら、気遣ったり、異変と感じたら声をかけたりして欲しいです」受験シーズン増加傾向にある痴漢・盗撮行為防止のため、この冬、JR西日本管内の車内および駅構内では、注意喚起の放送を行います。また、兵庫県警の鉄道警察隊は、「電車内での卑劣な痴漢・盗撮から受験生を守るために」と、痴漢・盗撮等を目撃したときなどの動画をYouTubeに12月下旬から早くも公開しています。次の被害者を減らすためにも、証拠を撮ったり、乗務員や駅員に伝えたりすることで、痴漢撃退への一役を。(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
SNSで、痴漢予告をおこなう声明、被害者の声などが投稿され、被害の可能性が高いにも関わらず、被害者は泣き寝入りしているのか数字にはあらわれず。そこで、警視庁は主要駅での私服警官による見回りを強化、関西でも鉄道各社が強化した対策を、昨年の共通テスト期間に行っています。
受験日の痴漢対策を、一般社団法人痴漢抑止活動センターの松永弥生さんに伺いました。
毎年、受験シーズンになると、「痴漢し放題」「受験生は遅刻できないから狙い目」など痴漢犯罪を想起させる書き込みがSNSで相次ぎます。
電車やバスなどの公共交通機関における痴漢犯罪の解決を目指す松永さんは、「受験日の痴漢は、SNSで拡散される以前から問題となっていました。掲示板ではそのような書き込みがありましたし、数十年前の受験日に痴漢被害にあい、、悔しい思いを今も抱えている女性も知っています。SNSで多くの人が目にすることになり、社会問題として捉えられるようになったのでは」と指摘。
書き込みをした人全員が実際に犯行に及ぶわけではなく、ネット上で面白半分で騒いでいるタイプもいるのではないかと考えていますが、「このような書き込みを見た時点で、受験生は心理的なストレスを受けることになります。書き込み自体が卑怯で許されない行為です」。
受験生を狙った痴漢行為について、「受験生は試験に遅刻したくないから、“この人、痴漢です”と周囲の人や駅員に訴えることはない、だから捕まらないし、安心して痴漢行為ができる、と痴漢犯罪者は見くびっています」と怒りをにじませます。
受験当日、痴漢被害を受けないための対策を以下に提案。
●可能ならば、私服で受験「制服姿で参考書を開いて、車内にいると受験生だと思われる可能性があります。できれば、私服で試験を受けてください。今年の大学入学共通テストは1月13日・14日で土日になります。休日の朝早い時間の制服移動は、痴漢にターゲットにされやすいです」
●友達と一緒に行動「痴漢はひとりでいる子を狙うことが多いです。同じ会場で試験を受ける友達がいたら、一緒に行動してください」
●座席に座る「車内での痴漢行為は立っている時に発生することが多いです。座席に座れるようにしましょう。利用する駅の始発電車や乗客の少ない電車に乗って座る、ラッシュのピークを避けるなどできれば。座席を確保するには、少し早めに行動する必要も出てくるかもしれませんが、ギリギリの時間の電車で行くより、余裕を持って行動する方が試験にもリラックス気分で臨めると思います」
●ドア付近や連結部分・先頭車両の端には近づかない「ドア付近は人が滞留して混雑している・駅に着いた時に逃げやすいため、痴漢が好む場所。連続して開かない側のドア横の座席際や車両連結部分、先頭車両の運転室の後ろなどは隅に被害者を追いつめることが可能で被害が多発、ひどい被害が多くなります。痴漢が多い場所は受験日に関係なく、いつでも注意が必要です」
●自信のある態度で堂々と振る舞う「こちらもいつでも行なって欲しいこと。痴漢加害者は、姿勢や表情など自信のない様子をしている子を狙います。痴漢抑止バッジをバッグなどに付けることも有効です。このバッジを付けることで痴漢を許さないと強い意志を表明していることになります」
また、事前におこなうことができる対策もあります。
●受験校の対応を確認しておく大学入学共通テストを取り仕切る独立行政法人大学入試センターのHPでは、試験当日の留意事項として、痴漢の被害に遭った場合は追試対象となることを掲載しています。このような場合は、速やかに受験票に記載されている「問合せ大学」に電話連絡を行い、追試申請を行なってください。また、受験者が痴漢などの犯罪行為に遭った場合の対応を、自身が受験する学校にあらかじめ問い合わせておけば、不安も緩和されます。
●防犯アプリをダウンロードする痴漢撃退機能がある警視庁の防犯アプリ「Digi Police」(デジポリス)は、防犯ブザー機能があるほか、声を出さなくてもスマホの画面を見せることで助けを伝えることができます。
こちらは、スマホの画面を見せることで助けが必要か確認できるなど、年齢性別問わず有用です。
受験生が万全の態勢で試験を受けるためには、保護者や周囲の大人のサポートも重要です。「保護者の方は、受験生が余裕を持って移動できるよう、早めの時間に送り出してください。過保護だという意見もあるかもしれませんが、心配なら、試験会場まで一緒に行くのもありかもしれません。大人といっしょなら、痴漢を抑止することになります」と話し、痴漢抑止バッジを子どもに渡すこともおすすめしています。
「電車やバスでの痴漢行為は長い間、はびこってきました。被害を口にせず、自分の胸だけにしまってきた人々が悪いのではありません。痴漢行為を許してきた人々の責任だと思っています。痴漢行為に悩まされることなく、受験生の皆さんには試験で大いに力を発揮して欲しいです。受験生らしき人を見かけたら、気遣ったり、異変と感じたら声をかけたりして欲しいです」
受験シーズン増加傾向にある痴漢・盗撮行為防止のため、この冬、JR西日本管内の車内および駅構内では、注意喚起の放送を行います。また、兵庫県警の鉄道警察隊は、「電車内での卑劣な痴漢・盗撮から受験生を守るために」と、痴漢・盗撮等を目撃したときなどの動画をYouTubeに12月下旬から早くも公開しています。次の被害者を減らすためにも、証拠を撮ったり、乗務員や駅員に伝えたりすることで、痴漢撃退への一役を。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)