台湾トップの蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が5日午後、X(旧ツイッター)を更新。「日本有事はつまり台湾有事です」と日本語でコメントを投稿し、能登半島地震の被災地支援と復興協力で6000万円の寄付を決め、台湾でこの日から義援金を集め始めたことを報告した。
続けて「台湾と日本はこれまでも、相手が最も助けを必要としているときに、まるで家族のように支援の手を差し伸べてきました。頑張れ、日本!被災地の皆様が一日も早く正常な生活に戻れるよう願っています」とエールを送った。
蔡総統は、1日の地震発生3時間後には「震災発生の一報を受け、私はただちに外交部に指示を出し、日本台湾交流協会を通して震災の詳細を把握するとともに、必要な協力を提供する用意があることを日本側に伝えました」とXで公表。
これを受け台湾は160人規模の救助隊員を待機させたが、日本政府は支援のニーズがないと派遣を断っていたことが、3日の台湾外交部発表で判明した。
こうした日本政府の対応は、SNSを中心に批判の的となっているが、蔡総統はこの件には触れることなく、5日の投稿でただ、日本を励ました。
蔡総統の8年近い任期はまもなく終了。台湾では13日に総統選が行われ、与野党3候補の中から後継が決まる。蔡総統は1日の年頭演説で「台湾海峡の平和と安定は(台湾と中国)両岸共通の責任、かつ与野党が共同で負う使命」などと訴えている。