最大震度7の揺れに襲われた石川県能登地方では生活用水の不足が深刻となっている。
ほぼ全域の約1万戸で断水が続く輪島市の避難所などでは、水が流せずトイレの衛生環境が悪化。生理用品も品薄で、「衛生面が心配だ」との声が上がる。
避難所の生活環境を心配して妻と車中泊を続ける輪島市の男性(38)は、「避難所のトイレは悲惨だった」と語る。大きなゴミ袋をトイレ代わりに数人で使い回し、たまったら捨てる作業を繰り返していたという。今は雪を溶かした水で自宅アパートのトイレを使っているといい、「4日までの雨で雪も溶けきった。生活用水がとにかく足りない」と嘆く。
状況改善に向け、避難所など一部の公共施設には少しずつ仮設トイレが設置され始めた。金沢市からの帰省中に被災した50代の男性会社員は利用後、「市役所のトイレは臭いがひどく非常に不衛生だった。仮設は本当にありがたい」とうれしそうに話した。
生理用品の品薄も続いている。「布団を汚してしまいそうで寝るのも怖い」と話すのは、息子2人を連れて避難所に身を寄せる河上久美子さん(39)。4日に生理用ナプキンを買うため薬局を訪れたが足りず、現在も友人と協力して近隣のスーパーなどを探し回っている。「お風呂も入れず、体を拭くスペースもない。衛生面が心配」と不安を募らせた。
金沢市から帰省していた女性(43)は、地震で実家が全壊。「ナプキンの代わりに1日1枚の尿漏れシートでしのいだ」と振り返る。車が押しつぶされたためしばらく避難生活は続くが、来月も生理は訪れる。支援物資の生理用品は行き届いておらず、「もっと配布してほしい」と切実に訴えた。