最大震度7を記録した1日の能登半島地震は6日、発生から5日が経過した。
気象庁によると、6日までに「能登半島沖」「能登地方」を震源とする地震は500回を超えた。同日未明には最大震度5強の揺れを記録し、損傷した自宅から離れ、避難生活を送る住民らは不安を口にした。
「下から突き上げるように『ドン』と衝撃があり地震だとわかった。余震がやまず安心して眠れない」。石川県七尾市が避難所として開設する市立七尾東部中学校で1日から過ごしている同市佐味町の男性(77)は不安を口にした。自宅は、天井の梁(はり)が落ちてしまうなど一部損壊。妻は避難所でのトイレが不安で自宅にとどまっており、男性は余震後、慌てて様子を見に行ったという。
同中学校では、4日時点で約30世帯が利用している。1日の地震直後から家族5人で過ごしている同市矢田新町、派遣社員(37)は6日早朝の地震で跳び起きた。「体育館全体が揺れていて、どうしたら良いか考えることもできなかった」とおびえた表情だった。一部損壊した自宅に着替えや毛布を取りに帰っており、今後予想される降雪にも気をもんでいた。
輪島市内でも6日の地震への恐怖の声が上がった。避難所となっている市ふれあい健康センターにいた市内の女性(54)は「突然のことに顔を見合わせたり、体を寄せ合ったりする人がたくさんいた。いつまで続くかわからない揺れが怖く、眠れない日々です」と話した。
珠洲市宝立町鵜飼の宝立小中学校に2日から家族で同小学校に避難している女性(77)は「寝ていたら、急に大きな揺れが起きてすぐに目が覚めた。体が休まる時がなく、もう勘弁してほしい。物資も届き始めているが、大人数の避難所ではなかなか行き渡っていない」と嘆いた。
同市内で写真館を営む男性(75)は「日がたってもまだ襲ってくる揺れに避難所内は騒然となった。カメラは壊れ、思い出もがれきの下に埋まったままだ。早く元通りの生活に戻りたい」とつらそうな表情を浮かべた。
気象庁の地震情報によると、1日午後4時6分から、6日午後0時59分までに、最大震度7を含む計580回の地震が発生。このうち「能登半島沖」「能登地方」を震源とするものは502回で、「石川県西部」「佐渡付近」など近隣日本海側が震源になったものを含めると計568回の地震が起きているという。