最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は7日、県内で確認された死者が128人になったと発表した。
多くは倒れた家屋の下敷きになるなどした圧死とみられる。8日で発生から1週間となったが、避難者は2万8000人を超えており、仮設住宅の設置など、長期化が予想される避難生活への対応も課題となる。
県によると、亡くなった人は輪島市で69人、珠洲(すず)市で38人、穴水町で11人など。県は犠牲者の氏名や死因を公表していないが、倒壊家屋からの救助要請が相次ぎ、対応が追いついていない。
4日夕に輪島市内で80歳代女性が救助された現場では、2階建て住宅の1階部分がつぶれており、住宅内で見つかった50歳代男性は死亡していた。被災地に入っている警察関係者は「輪島市内は9割以上が圧死ではないか」と述べた。
このほか、住宅3棟が土砂崩れ被害に遭い、5人が死亡した穴水町の現場では、ほかに巻き込まれたとみられる11人のうち、新たに9人が見つかった。このうち7人は、金沢市の障害者支援施設職員寺本直之さん(52)の家族や親族とみられ、警察が身元確認などを進めている。
一方、県は連絡が取れなくなっている「安否不明者」として195人の氏名を公表した。珠洲市では津波に流されたとの情報がある1人を行方不明者としている。
現地では7日も救助活動が続けられた。自衛隊は艦艇9隻とヘリコプターなど約40機を投入し、約5900人が物資の輸送や急病人の搬送を行った。警察は24都府県警の広域緊急援助隊ら約1200人を石川県内に派遣し、捜索や救助活動にあたっている。
7日現在の避難者は2万8821人。内訳は、輪島市で1万1932人、珠洲市で6869人、能登町で3833人など。七尾市、輪島市、志賀町など計6万6117戸で断水も続いている。県によると、輪島市と珠洲市、穴水町、能登町で少なくとも計2318人が孤立している。
7日から輪島市で雪が降り始め、気象庁によると、能登地方では8日朝にかけて山間部で最大30センチ、平野部で20センチの降雪が予想されている。警報級の大雪になる可能性もあり、県は国道249号などの通行止めを発表した。
同庁によると、1日から7日午後4時までに、能登半島沖や能登地方を震源とする震度1以上の地震は、計1158回観測された。