こだわりの焼鳥を、後悔なく、コスパよく、思う存分味わいたい。そう願っている焼鳥好きはいませんか? しかしながら、どうやって食べるのが正解? 注文する順番は? 合わせるお酒は? など、わからないことがどんどん思い浮かんできませんか?そうです、焼鳥の食べ方や作法についてイマイチ自信を持てていない人は少なくないでしょう。ここでは、焼鳥をおいしく味わうために恥ずかしくない基本ルールやコツをご紹介していきたいと思います。前編では、「おいしいお店選びの基準と基本の食べ方」をお伝えしましたが、後編は、よりおいしく味わうための具体的な極意やコツを5つ紹介します。宮崎の地鶏「みやざき地頭鶏」にこだわる焼鳥専門店「銀座 希鳥」を取り仕切る大澤利博(おおさわとしひろ)大将に、丁寧に教えてもらいました。
◆〔の濃いレバーや内臓系は、後半に食べる
まずは食べ方の順番について。とにかくタレよりも塩から食べるのが正解だと信じていませんか? 実は一概にはそういえず、タレの種類よりも部位で判断するのがオススメなんだそう。通常おまかせコースになっている店では、大将が部位に合わせて塩やタレを決めてベストな状態で提供されます。おまかせで食べると間違いはありません。
アラカルトで注文する場合は、はじめにささみや抱き身のような白身串から食べていくようにしましょう。理由は、味の濃いレバーや内臓系を最初に食べてしまうと、白身系の旨味が感じにくくなってしまうから。ちなみに、アラカルトで塩かタレを選ぶ場合は、店のオススメを聞きながらも、自分のその時の気分で決めて問題ないとのこと。
◆個性が出る「つくね」は、絶対に食べるべし
ここからは何を食べるかという話に移りましょう。焼鳥店で必ず食べて欲しいのが、「つくね」。本来焼鳥は食材である鶏をシンプルに味わう食べ物ですが、つくねは料理として作っている貴重な存在。つまり店側としてはこだわりを表現しやすく、お客に是非とも食べて欲しいと願っている串なんだそう。店の個性や実力をチェックするためにも、つくねは必ず堪能するようにしましょう。
◆L湘垢蓮◆崙眤ゞ」がおいしい
せっかくおいしい店に来たのであれば、味わって欲しいのが、内臓系の串。臭みのなさ、食感、旨味すべてにおいて味の違いが明確に出るそうです。「希鳥に来たら絶対に食べてほしいのが、砂肝です。すべてが違いますから」と大澤さん。私も実際に食べてみたところ、いつも食べている砂肝とは別次元の味わいに驚きました。
◆とさ戮瓩鮹輅犬靴討く
鶏肉の脂身を食べる時に、さっぱりと食べ進められる工夫として教えてもらったのが、「箸休め」。希鳥では大根の鬼おろしが提供されていますが、漬物でもOK。脂の多いふりそでなどに合わせて食べることで、後味が重くなりません。この食べ合わせ、一度試してしまうと魅力がわかるはず。おいしく食べ進めていくためには、お店に相談しながらテーブルに置いておくのが賢明です。
◆ゾ督擦砲蓮屮レンジワイン」が合う
最後は、焼鳥に合わせるお酒について。「オレンジワイン」がオススメとのことですが、みなさんはオレンジワインってご存知ですか? これ、オレンジからつくったフルーツワインではなく、白ブドウを使って赤ワインのように作ったオレンジ色のワインで、黒ブドウを使って白ワインのように作るロゼとは対極とされています。
一時期“焼鳥にはロゼ”と言われた時代がありましたが、今のトレンドはオレンジワインだそう。アプリコットやオレンジピールなどのアロマティックな白ワインのような香りと、赤ワインのような渋味と苦味を併せ持った飲みごたえのある味わいが特長で、焼鳥には万能なワインとして注目されています。
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さあいかがでしたか? おいしく味わうためのコツを適宜おさえながら、もっと気軽に焼鳥を味わいましょう!
<取材・文/スギアカツキ>