アルツハイマー病の原因物質に作用する新薬「レカネマブ」の販売が、29日から国内で始まりました。この薬のメカニズムについて一端を解明したのが、金沢大学の研究チームでした。
製薬大手のエーザイなどが開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」は、原因物質に直接作用して病気の進行を遅らせる効果が期待されています。
金沢大学 神経内科学・小野賢二郎教授「いよいよこの日が来たかと」
認知症の専門医でもある金沢大学の小野賢二郎教授は、発売を歓迎する一方、課題として病院内の態勢を整える必要があるとしています。
小野教授「順調にいって、金沢大学附属病院としては、1月終わりか2月に開始できればいいなと考えている。(副作用があるので)とにかく患者を慎重に決めて慎重に投与する」
レカネマブは2週間に一度、点滴によって投与されます。また、年間300万円ほどの医療費に医療保険が適用されます。
エーザイによりますと、臨床試験では27%程度で病気の進行が抑制されたとしていますが、この数字をどう見るか。専門家の意見は分かれています。
小野教授「長い目で見たら日常生活を少し維持できる。さらに介護負担を考えるとメリットになってくるかもしれない」
未だ根治薬がないアルツハイマー病において、病気の進行を抑える効果が、認知長治療の光となるのか。専門家たちの議論と研究が続いています。