今年6月、東京・練馬区のとしまえん跡地に開業した「ハリー・ポッター」のスタジオツアー施設『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター』。ハリポタ映画製作の舞台裏を見学できる、イギリスに次いで世界で2カ所目の施設だ。チケット販売開始時には、ネットでの購入待ちが13万人超を記録。今も連日満員で、月刊誌『日経トレンディ』が発表した「2023年ヒット商品ベスト30」に「ハリー・ポッター再ブーム」がランクインしたほどだ。
【画像】ハリー・ポッター大人気施設の“丸パクリ”資料「としまえん」跡地に開業したハリー・ポッター施設ライバル施設の内部資料を流用 そんな超人気施設が、組織ぐるみで、テーマパークのライバル「レゴランド・ジャパン合同会社」(愛知県名古屋市)の内部資料を流用していたことがわかった。 ハリポタ施設を運営する「ワーナーブラザーススタジオジャパン合同会社」(以下、ワーナー)の関係者が明かす。「施設運営のノウハウを記した細かなマニュアルやスタッフ教育用のパワーポイントなど、複数の社内向け資料が『レゴランド』の内部資料を書き換えて使用されているのです。その痕跡が堂々と残された資料もあり、関係者の間では公然の秘密となっていました」 小誌は、ワーナーの社内フォルダに保管されていたレゴランドの内部資料と、それを元に作られたワーナーの社内向け資料を複数入手。例えば、コロナ禍を受けて施設内の清掃手順を記したマニュアル〈強化クリーニング手順〉は、表題部分の社のロゴや本文中に登場する社名を除き、レゴランドとワーナーのものでは全く同じ。さらに、ワーナーの社内文書の下部、<Copyrighted>の部分には、なぜかはっきり<LEGOLAND Japan>と記されている。 では一体なぜ、レゴランドの内部資料がワーナーに存在しているのか。別の関係者が語る。「ハリポタ施設トップのトーベン・イェンセンGMや複数の幹部は、レゴランドからの移籍組なのです。ワーナーが、日本でテーマパーク運営に乗り出すのは初めて。ノウハウがない状態でスタートしたため、彼らは、日本で先行するレゴランドの資料を“参考”にすべく持ち込んだと見られます」不正競争防止法違反に問われる可能性が だが、昨年9月、大手回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の社長が、同業の「はま寿司」の仕入れ価格など営業秘密のデータを不正に入手したとして、不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕された事件は記憶に新しい。ワーナーのケースはどうなのか。不正競争防止法に詳しい未来創造弁護士法人の野村拓也弁護士が指摘する。「持ち出したワーナー幹部は、営業秘密を漏らした不正競争防止法違反に問われる可能性があります。また、レゴランドが告発をすれば、著作権法違反罪に問われる事もありえます」 ワーナー広報に、<強化クリーニング手順>などにレゴランドの内部資料が使われているかなど7項目の質問状を送ったが、「ご質問に関してのコメントは差し控えさせていただきます」とだけ回答した。 レゴランドからの資料持ち出しが強く疑われる「証拠」や、持ち出しに関わったとみられる人物、“被害者”であるレゴランドが小誌の取材に答えた内容などは、「週刊文春 電子版」で読むことができる。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
「としまえん」跡地に開業したハリー・ポッター施設
そんな超人気施設が、組織ぐるみで、テーマパークのライバル「レゴランド・ジャパン合同会社」(愛知県名古屋市)の内部資料を流用していたことがわかった。
ハリポタ施設を運営する「ワーナーブラザーススタジオジャパン合同会社」(以下、ワーナー)の関係者が明かす。
「施設運営のノウハウを記した細かなマニュアルやスタッフ教育用のパワーポイントなど、複数の社内向け資料が『レゴランド』の内部資料を書き換えて使用されているのです。その痕跡が堂々と残された資料もあり、関係者の間では公然の秘密となっていました」
小誌は、ワーナーの社内フォルダに保管されていたレゴランドの内部資料と、それを元に作られたワーナーの社内向け資料を複数入手。例えば、コロナ禍を受けて施設内の清掃手順を記したマニュアル〈強化クリーニング手順〉は、表題部分の社のロゴや本文中に登場する社名を除き、レゴランドとワーナーのものでは全く同じ。さらに、ワーナーの社内文書の下部、<Copyrighted>の部分には、なぜかはっきり<LEGOLAND Japan>と記されている。
では一体なぜ、レゴランドの内部資料がワーナーに存在しているのか。別の関係者が語る。「ハリポタ施設トップのトーベン・イェンセンGMや複数の幹部は、レゴランドからの移籍組なのです。ワーナーが、日本でテーマパーク運営に乗り出すのは初めて。ノウハウがない状態でスタートしたため、彼らは、日本で先行するレゴランドの資料を“参考”にすべく持ち込んだと見られます」不正競争防止法違反に問われる可能性が だが、昨年9月、大手回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の社長が、同業の「はま寿司」の仕入れ価格など営業秘密のデータを不正に入手したとして、不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕された事件は記憶に新しい。ワーナーのケースはどうなのか。不正競争防止法に詳しい未来創造弁護士法人の野村拓也弁護士が指摘する。「持ち出したワーナー幹部は、営業秘密を漏らした不正競争防止法違反に問われる可能性があります。また、レゴランドが告発をすれば、著作権法違反罪に問われる事もありえます」 ワーナー広報に、<強化クリーニング手順>などにレゴランドの内部資料が使われているかなど7項目の質問状を送ったが、「ご質問に関してのコメントは差し控えさせていただきます」とだけ回答した。 レゴランドからの資料持ち出しが強く疑われる「証拠」や、持ち出しに関わったとみられる人物、“被害者”であるレゴランドが小誌の取材に答えた内容などは、「週刊文春 電子版」で読むことができる。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
では一体なぜ、レゴランドの内部資料がワーナーに存在しているのか。別の関係者が語る。「ハリポタ施設トップのトーベン・イェンセンGMや複数の幹部は、レゴランドからの移籍組なのです。ワーナーが、日本でテーマパーク運営に乗り出すのは初めて。ノウハウがない状態でスタートしたため、彼らは、日本で先行するレゴランドの資料を“参考”にすべく持ち込んだと見られます」不正競争防止法違反に問われる可能性が だが、昨年9月、大手回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の社長が、同業の「はま寿司」の仕入れ価格など営業秘密のデータを不正に入手したとして、不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕された事件は記憶に新しい。ワーナーのケースはどうなのか。不正競争防止法に詳しい未来創造弁護士法人の野村拓也弁護士が指摘する。「持ち出したワーナー幹部は、営業秘密を漏らした不正競争防止法違反に問われる可能性があります。また、レゴランドが告発をすれば、著作権法違反罪に問われる事もありえます」 ワーナー広報に、<強化クリーニング手順>などにレゴランドの内部資料が使われているかなど7項目の質問状を送ったが、「ご質問に関してのコメントは差し控えさせていただきます」とだけ回答した。 レゴランドからの資料持ち出しが強く疑われる「証拠」や、持ち出しに関わったとみられる人物、“被害者”であるレゴランドが小誌の取材に答えた内容などは、「週刊文春 電子版」で読むことができる。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
では一体なぜ、レゴランドの内部資料がワーナーに存在しているのか。別の関係者が語る。
「ハリポタ施設トップのトーベン・イェンセンGMや複数の幹部は、レゴランドからの移籍組なのです。ワーナーが、日本でテーマパーク運営に乗り出すのは初めて。ノウハウがない状態でスタートしたため、彼らは、日本で先行するレゴランドの資料を“参考”にすべく持ち込んだと見られます」
だが、昨年9月、大手回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の社長が、同業の「はま寿司」の仕入れ価格など営業秘密のデータを不正に入手したとして、不正競争防止法違反容疑で警視庁に逮捕された事件は記憶に新しい。ワーナーのケースはどうなのか。不正競争防止法に詳しい未来創造弁護士法人の野村拓也弁護士が指摘する。
「持ち出したワーナー幹部は、営業秘密を漏らした不正競争防止法違反に問われる可能性があります。また、レゴランドが告発をすれば、著作権法違反罪に問われる事もありえます」
ワーナー広報に、<強化クリーニング手順>などにレゴランドの内部資料が使われているかなど7項目の質問状を送ったが、「ご質問に関してのコメントは差し控えさせていただきます」とだけ回答した。 レゴランドからの資料持ち出しが強く疑われる「証拠」や、持ち出しに関わったとみられる人物、“被害者”であるレゴランドが小誌の取材に答えた内容などは、「週刊文春 電子版」で読むことができる。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
ワーナー広報に、<強化クリーニング手順>などにレゴランドの内部資料が使われているかなど7項目の質問状を送ったが、「ご質問に関してのコメントは差し控えさせていただきます」とだけ回答した。
レゴランドからの資料持ち出しが強く疑われる「証拠」や、持ち出しに関わったとみられる人物、“被害者”であるレゴランドが小誌の取材に答えた内容などは、「週刊文春 電子版」で読むことができる。
(「週刊文春」編集部/週刊文春)