全国で猛威を振るっているインフルエンザ。なぜ異例の早さで流行しているのでしょうか?日本医科大学特任教授の北村義浩氏に聞きます。
【写真を見る】「一度かかれば大丈夫」ではない!?インフルエンザ異例の流行のワケを専門家に聞く【ひるおび】全国で「注意報レベル」患者数は9週連続増加厚生労働省によると、10月22日までの1週間に報告されたインフルエンザの患者数は、全国約5000の医療機関で8万1160人。前の週と比較すると約2万6000人増えています。1医療機関あたりの患者数は16.41人と、9週連続で増加しています。また、国立感染症研究所のホームページでは、今後4週間以内に大きな流行が起きる可能性を示す「注意報レベル」の目安、「(1医療機関あたり)10人」を全国で上回っています。43都道府県で警報・注意報レベルとなっており、特に多いのは▼愛媛県(39.9人)▼千葉県(29.39人)▼埼玉県(28.41人)です。

10月に10人を超えるのは、新型インフルエンザが流行した2009年以来14年ぶりで、猛威を振るっていることが分かります。休校・学級閉鎖 1週間で2倍以上に休校や学級閉鎖も増加しています。10月9日~10月15日の1週間で、インフルエンザによる休校・学年閉鎖・学校閉鎖を合わせた施設数が1772だったのが、10月16~20日では3751。1週間で2倍以上になっています。恵俊彰:9月の終わりから10月の頭の頃、ちょうど秋の運動会のシーズンで、インフルエンザが流行って学級閉鎖が増えたという話をしていたんです。落ち着いたと思ってたけど、また来たんですね。日本医科大学特任教授 北村義浩氏:やはり秋は学校でも文化祭などがあったり、それぞれの地域でもいろいろなイベントがあって、それが学校の中に持ち込まれて広がるというのが多いんです。恵俊彰:コロナじゃなくてインフルエンザですね。北村教授:コロナは一旦落ち着いてきて、地域差はありますけどインフルエンザはもう今、激烈ですね。私も先週発熱外来をお手伝いしたんですが、ほとんどインフルエンザの方ばかりでした。大流行“3つのワケ”なぜ今年はこれほどまでにインフルエンザが流行しているのか、考えられる理由を北村教授に聞きました。【流行のワケ1:コロナ対策でインフルエンザにかからなかった人が感染している】インフルエンザ患者の報告数を見ると、コロナ禍前の2019年は約187万人。コロナ対策をし始めた2020年が約56万人、2021年には1065人、2022年には約2万人と少ない数で推移していました。【流行のワケ2:インフルエンザの予防接種前に流行している】インフルエンザの予防接種は、だいたい10月の半ばから始まりますが、2023年のインフルエンザの患者数は、8月から10月前半で一気に増加しています。【流行のワケ3:「A型H1」と「A型H3」の2種類が同時に流行している】インフルエンザはA型・B型などの型に分類されますが、A型の中でもさらに「H1」や「H3」などの種類があります。北村教授:2009年からずっと流行っているのは「H1」。「H3」は元をたどれば1960年代に「香港風邪」と言われたもので、時々ワッと流行るという感じで、最近では2011年に流行ったきりで、後は絶えない程度に流行していた。でも最近、世界的にも日本でも、「H3」が意外と流行っているなという印象です。「異例の事態」“何度もかかる”可能性もさらに北村教授によると、冬にかけてB型が流行し、2、3度感染する可能性もあるということです。恵俊彰:「A型H1」にかかった人は、「A型H3」にかかるんですか?北村教授:かかるんです。A型ではないB型にもかかります。流行が9月の終わりから始まっていますので、これが来年の春まで続くとなると、ほぼ半年近くがインフルエンザの流行時期という異例の事態です。そうすると、「A型H1」、「A型H3」、「B型」の3つに、例えば2か月おきくらいにかかるなんてこともあります。また一番かわいそうなのは、まさに受験シーズンとぴったり合うんですね。昔だと、「1回かかったからもうかからないね」「かかるなら早めにかかって受験のときにはかからない方がいいね」なんて言ってたんですけど、今年は、今かかっても、まさに受験の時にかかるということもあり得ます。私は1回かかった方でも、特に受験生やそのご家族は、ワクチンの接種をした方がいいと思いますね。恵俊彰:1回のワクチンで、全ての「H1」とか「H3」とか「B型」に効くんですか?北村教授:はい。「A型H1」「A型H3」、それからB型2種類、4種類混合ワクチンになっていますので、全てに対応します。コメンテーター 渡辺満里奈:すでに学級閉鎖とか、子どもたちの学校でもあったりするので…1回なったからって安心できないんだということを知って、今ちょっと怖いと思っています。恵俊彰:でもちゃんと病院に行って調べてもらって処方してもらえば、専用の薬があるわけですからね。北村教授:あとは具合が悪いと思ったら、やはり学校などをお休みしていただくというのが原則としては一番いいかなと思いますね。(ひるおび 2023年10月30日放送より)
厚生労働省によると、10月22日までの1週間に報告されたインフルエンザの患者数は、全国約5000の医療機関で8万1160人。前の週と比較すると約2万6000人増えています。1医療機関あたりの患者数は16.41人と、9週連続で増加しています。
また、国立感染症研究所のホームページでは、今後4週間以内に大きな流行が起きる可能性を示す「注意報レベル」の目安、「(1医療機関あたり)10人」を全国で上回っています。43都道府県で警報・注意報レベルとなっており、特に多いのは▼愛媛県(39.9人)▼千葉県(29.39人)▼埼玉県(28.41人)です。
10月に10人を超えるのは、新型インフルエンザが流行した2009年以来14年ぶりで、猛威を振るっていることが分かります。
休校や学級閉鎖も増加しています。10月9日~10月15日の1週間で、インフルエンザによる休校・学年閉鎖・学校閉鎖を合わせた施設数が1772だったのが、10月16~20日では3751。1週間で2倍以上になっています。
恵俊彰:9月の終わりから10月の頭の頃、ちょうど秋の運動会のシーズンで、インフルエンザが流行って学級閉鎖が増えたという話をしていたんです。落ち着いたと思ってたけど、また来たんですね。
日本医科大学特任教授 北村義浩氏:やはり秋は学校でも文化祭などがあったり、それぞれの地域でもいろいろなイベントがあって、それが学校の中に持ち込まれて広がるというのが多いんです。
恵俊彰:コロナじゃなくてインフルエンザですね。
北村教授:コロナは一旦落ち着いてきて、地域差はありますけどインフルエンザはもう今、激烈ですね。私も先週発熱外来をお手伝いしたんですが、ほとんどインフルエンザの方ばかりでした。
なぜ今年はこれほどまでにインフルエンザが流行しているのか、考えられる理由を北村教授に聞きました。
【流行のワケ1:コロナ対策でインフルエンザにかからなかった人が感染している】インフルエンザ患者の報告数を見ると、コロナ禍前の2019年は約187万人。コロナ対策をし始めた2020年が約56万人、2021年には1065人、2022年には約2万人と少ない数で推移していました。
【流行のワケ2:インフルエンザの予防接種前に流行している】インフルエンザの予防接種は、だいたい10月の半ばから始まりますが、2023年のインフルエンザの患者数は、8月から10月前半で一気に増加しています。
【流行のワケ3:「A型H1」と「A型H3」の2種類が同時に流行している】インフルエンザはA型・B型などの型に分類されますが、A型の中でもさらに「H1」や「H3」などの種類があります。
北村教授:2009年からずっと流行っているのは「H1」。「H3」は元をたどれば1960年代に「香港風邪」と言われたもので、時々ワッと流行るという感じで、最近では2011年に流行ったきりで、後は絶えない程度に流行していた。でも最近、世界的にも日本でも、「H3」が意外と流行っているなという印象です。
さらに北村教授によると、冬にかけてB型が流行し、2、3度感染する可能性もあるということです。
恵俊彰:「A型H1」にかかった人は、「A型H3」にかかるんですか?
北村教授:かかるんです。A型ではないB型にもかかります。流行が9月の終わりから始まっていますので、これが来年の春まで続くとなると、ほぼ半年近くがインフルエンザの流行時期という異例の事態です。そうすると、「A型H1」、「A型H3」、「B型」の3つに、例えば2か月おきくらいにかかるなんてこともあります。また一番かわいそうなのは、まさに受験シーズンとぴったり合うんですね。昔だと、「1回かかったからもうかからないね」「かかるなら早めにかかって受験のときにはかからない方がいいね」なんて言ってたんですけど、今年は、今かかっても、まさに受験の時にかかるということもあり得ます。私は1回かかった方でも、特に受験生やそのご家族は、ワクチンの接種をした方がいいと思いますね。
恵俊彰:1回のワクチンで、全ての「H1」とか「H3」とか「B型」に効くんですか?
北村教授:はい。「A型H1」「A型H3」、それからB型2種類、4種類混合ワクチンになっていますので、全てに対応します。
コメンテーター 渡辺満里奈:すでに学級閉鎖とか、子どもたちの学校でもあったりするので…1回なったからって安心できないんだということを知って、今ちょっと怖いと思っています。
恵俊彰:でもちゃんと病院に行って調べてもらって処方してもらえば、専用の薬があるわけですからね。
北村教授:あとは具合が悪いと思ったら、やはり学校などをお休みしていただくというのが原則としては一番いいかなと思いますね。
(ひるおび 2023年10月30日放送より)