経済対策として岸田政権が調整を進める所得減税。
街の人に話を聞くと、「収入や納税の不公平感がないといい」といった声が漏れ聞こえてきた。
政府が検討する減税案は、納税者本人に加え、子どもなど扶養する家族も含め、所得制限を設けずに1人あたり年4万円減税するもの。
4人家族の場合は、あわせて16万円の減税となる。
この内訳は、所得税が3万円、住民税が1万円とする案が検討されている。
また住民税が課税されない低所得世帯には、現在の3万円に加えて、7万円を給付する案が検討されている。
「イット!」は街の人に、「あなたの家はいくら減税があるのか」を聞いた。
50代「4人家族で16万円です。物価が上がっているので、助かるのが第一印象です」
1人4万円の減税では足りないという声も上がった。
30代と40代の夫婦「全然足りないというか。ミルクも1カ月ちょっとで1万円とかするので、それが浮いたぐらいの感覚なのかな」
夫と共働きで2人の子どもを育てる女性からは、同じ4人家族でも1人しか納税していない家庭と減税額が変わらないことに不公平さを感じていた。
30代(共働き)「4人家族で16万円です。子どもの教育費とかいろいろあると考えると、足りないのかなって。1年に1回16万円もらえるんだったら助かります。共働きの方が大変なので、もうちょっともらえたらって思います。不公平に感じます」
東京都内のアパートで1人暮らしをする鈴木ミヨ子さん(70)。現在は働いておらず、年金生活を送っている。
非課税世帯・鈴木ミヨ子さん(70)「(冷蔵庫は)これです。何もないです、空っぽです。食費なんて買えないもん」
鈴木さんは低所得の非課税世帯となるため、7万円の給付となる予定。
鈴木さんのひと月の年金額は7万8,000円ほど。
家賃5万3,000円と、電気やガス代などの生活費を差し引くと、ほとんど年金は残らず、現在、生活保護を受給して、なんとか暮らしていけるのだと話す。しかし給付が1回だけなのは少ないと訴える。
非課税世帯・鈴木ミヨ子さん(70)「今は貯金しろと言っても、貯金はできない。給付をくれれば助かる。もう少し生活が楽になる」
不公平性について、フジテレビの智田解説副委員長は次のように解説する。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長「4万円の減税を受けきれず、給付金の対象でないケースが出てくる。こうした人たちをどうするか問題。所得税と住民税という基準が違う2つの税をめぐって、減税や給付を行おうとすることで、仕組みはかなり複雑なものになる。政府与党は、難しい制度設計を迫られる」