秋田県の佐竹敬久知事(75)の四国ディス発言が炎上している。佐竹氏は秋田市内の講演で10年前に愛媛県で行われた全国知事会の食事メニューに触れ、「メインディッシュはステーキかと思ったらじゃこ天だった。貧乏くさい」と発言。じゃこ天は愛媛県の名物だ。しかし実際は知事会で愛媛県のブランド牛のステーキが提供されていたことが分かった。
佐竹氏は講演でじゃこ天を「貧乏くさい」と言っただけでなく、高知県の魚「どろめ」についても「うまくないやつ」と酷評。一方で「秋田ほどうまいものがある所はない」と地元アゲをしていたという。
地元紙が発言を報じると全国で話題になり、SNSで批判の声が噴出。佐竹氏は25日になって「不穏当で不見識だった。四国の方に不快な思いをさせ、心からお詫び申し上げる」と謝罪した。
じゃこ天を否定された愛媛県は怒り心頭…と思いきやそうではない。愛媛県広報広聴課は「秋田県の料理をほめるためにユーモアを交えて発言されたのではないかと思う。愛媛にはおいしい食べ物や地酒がたくさんあるので、ぜひまたお越しになってご堪能いただきたい」とのコメントを発表し、大人の対応をしている。
新事実も明らかになった。10年前に愛媛県松山市で行われた全国知事会の食事メニューには、じゃこ天の記載がなかったことはすでに報道されているが、それどころかブランド牛のステーキがあったというのだ。
愛媛県の知事会担当者は「メニューは愛媛県のものが中心でした。愛媛のブランド牛である伊予牛『絹の味』のステーキもあり、ランクは黒ラベルでした。ほかには甘とろ豚のしゃぶしゃぶ、鯛そうめん、たこ飯があります。じゃこ天は献立表にはありません」と話した。
ブランド牛はどんなものなのか。全農愛媛県本部の公式サイトによると、伊予牛「絹の味」は「長い年月と伝統に培われた独自の飼育法と、愛媛の自然の恵みをいっぱいに受けて育った健康な丹精牛」で、「やわらかく、まろやかな舌ざわり。そして牛肉本来の、深く、繊細な旨味」があるとしている。黒ラベルはA4からA5とされる上位の格付けだ。
前出担当者は知事会当日に現場の事情で献立表と異なるものが提供された可能性もあり、佐竹氏が確実にステーキを食べたかどうかは分からないと強調。また、じゃこ天についても、現場判断で提供された可能性もあるとした。ちなみに高知のどろめについては知事会で提供はなく、佐竹氏は別の機会に食べたと思われる。
佐竹氏といえば、江戸時代に久保田藩(秋田藩)の藩主だった犧潅飮甅瓩侶鷲茲墨△覆襪殿様。秋田県職員から秋田市長となり、秋田県知事にもなった。秋田好きなのは経歴からも察せられるが、面白おかしく話したいという願望が前に出過ぎてしまったか。