27日午後6時から渋谷駅周辺での路上飲酒が禁止となりました。雑踏事故を防ぐため、渋谷の街は厳戒態勢となっています。
■ハロウィン直前の渋谷 厳戒態勢
仮装した人が街に溢れる「渋谷ハロウィン」。年々、迷惑行為やトラブルも増え、2018年には逮捕者が出る騒ぎまで起こりました。コロナ禍の時期は訪れる人も減りましたが、去年は行動制限がなくなり、今年は新型コロナウイルスが5類に移行してから初めてのハロウィンとなり、渋谷は戦々恐々。
渋谷区 長谷部健区長:「区長として渋谷に来ないでほしいと訴えることは非常につらいのですが、来街者の安全を第一に考えて、国内外の人たちに要請させていただくことにしました」
■27日夜から駅周辺の路上飲酒禁止
渋谷区はハロウィン目的で訪れないように呼び掛ける看板や横断幕を設置。また、条例に基づいて27日から渋谷駅周辺で「路上飲酒」を制限します。時間帯はいずれも午後6時から翌朝の午前5時で、最終日は来月1日朝となります。
さらに人が集まるのを防ぐため、あの待ち合わせスポットも封鎖。
■ハチ公周辺封鎖&酒販売自粛も
区は新たな対策として、忠犬ハチ公の銅像周辺に仮の囲いを設置して観覧できないようにすると発表しました。
酒の販売も区からの自粛が求められます。MEGAドン・キホーテ渋谷本店では28日と31日、ハロウィン当日に酒の販売を取りやめます。時間帯は両日とも午後6時から翌朝の午前5時まで。酒のコーナーへの通路を封鎖し、棚はブルーシートで覆われます。
ドン・キホーテ広報 池葉正樹さん:「私どもも地域あっての商売なので、(渋谷区に)協力するのは当然」
また、店舗前の道幅が狭く対策に追われていた店も…。
モーゼスさんのケバブ 高木弘和さん:「(きょうから)メニューをしぼり、クイックなサービスを心掛ける。人がたまってしまうと危ないと考慮している」
世界にも知れ渡った日本のハロウィン。
フランスから来た人:「大勢が仮装する渋谷のハロウィンが見たかったんだ」
イギリスから来た人:「テレビで見たイメージはたくさんの飲酒とパーティーという感じ。公共の場での過剰な飲酒はよくないよ」
スウェーデンから来た人:「過去にも路上で問題が起きていたらしいから規制は仕方ないよね」
一方、日本の人たちも…。
女性:「楽しいんですけど、ちょっと怖い印象が強い。(規制は)したほうがいいと思う」「去年の韓国(梨泰院の事故)があったから(規制は)妥当な判断」
■梨泰院雑踏事故 まもなく1年
去年、日本人2人を含む159人が死亡した韓国・梨泰院(イテウォン)の雑踏事故。26日にその現場では、事故が起きた場所に追悼や再発防止へのメッセージが込められたモニュメントが設置されました。
遺族協議会 イ・ジョンミン運営委員長:「この空間でなぜたくさんの若者が犠牲になってしまったのかを悩んで、考えて。そして、これから韓国の安全のために若者として何をするべきなのかをこの場で一度は考えてもらえれば幸いです」
多くの犠牲者が出た事故からまもなく1年。遺族や生存者たちの気持ちの整理はまだついていません。
事故の生存者:「いまだにしっかりとした真相究明も行われていないし、誰一人それに相応する処罰を受けていません」
■追悼式&AI警備で密集回避
今なお募る政府への不信感。そんななか、25日には繁華街でソウル市が主催する警備訓練が行われました。防犯カメラの映像をAI(人工知能)が解析し、人の密集を感知すると…。
アナウンス:「人口の密集度が警戒段階により事故の危険が高いです」
解散を促す音声が流れる仕組みになっています。また、さらに人が増えた場合を想定し、警察や消防が現場に駆け付け、けが人に対応する訓練も行われました。