現在、詐欺罪などの罪で起訴されている「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣被告(25)。彼女が派遣社員の男性(54)から騙し取った金と知りながら、飲食代などとして現金約4000万円を受け取った疑いで、歌舞伎町のホスト「狼谷歩」こと田中裕志容疑者(26)とホスト店の店長、橋本一喜容疑者(34)が逮捕された。
【写真】りりちゃんがホスクラで1250万円ほどで買った原価3000円の魚の置き物、おぢ攻略が描かれた「頂き女子マニュアル」の中身 今回は、組織犯罪処罰法違反の容疑でホストが逮捕されるという珍しいケース。田中容疑者は渡辺被告に対してLINEで「俺も共犯、真衣ちゃんが捕まる時は俺も一緒」という趣旨のメッセージを送っていたとされ、このことから田中容疑者の犯行が裏付けられたという。

「頂き女子」を名乗り、“パパ活”同様の活動をしていた渡辺被告は、虚偽の説明をして2億円近くのお金を男性から騙し取りつつ、その詐欺手法をマニュアルにして販売。X(旧Twitter)でのフォロワーも1万人超えで、「男性を巧妙な手口で騙し取り、そのほとんどをホストに注ぎ込んでいる」ということは歌舞伎町では周知の事実だった。マニュアルを読むと、「りりちゃん」は「寂しく貯金のあるおぢ(男性)」を集中的に狙っていたようだが、彼女がホスト「狼谷歩」こと田中容疑者を継続して指名していたことは、歌舞伎町内では有名だった。「彼はあのりりちゃんが指名していた、というイメージの強いホストでしたね。3000円くらいの魚の置物を、りりちゃんがホスクラで1250万円ほどで卸していたことを、周囲に自慢気に語っていた。報道では4000万円となっていますが、りりちゃんは1億円以上は狼谷に貢いでいたと思いますよ。りりちゃんは彼に価値を感じていたんだなという印象です」(歌舞伎町関係者) 田中容疑者はSNSでも発信活動を行なっており、X、Instagram、TikTok、YouTubeを運用。ホストとしての売り方や、資産形成術を発信していた。過去に田中容疑者を指名したことがあるというA子さんが語る。「青山学院大学卒で、『将棋とカバディが好きなんだよね』と言ってて、個性派で売ってる感じでした。『藤井聡太倒すわ!』と息巻いてましたね(笑)。なんだけど、初指名の時点で『腕噛んでいい?』『噛み癖あるんだよね』と言ってて……。怖くて本指名にはしませんでした」「担当と一緒に地獄に堕ちるとかエモすぎる」 自身のSNSで「2年連続年間1億1000万円」との稼ぎを謳っていた田中容疑者は、大手のホストグループで売り上げ上位ランカーとして表彰されたことがあった。壇上で話す姿の切り抜き投稿では、ホストとしての自分を責めるような言葉が並べる一面もあった。〈ホストってこの世に必要ない仕事だと思うんですよ。今日壇上に上がって喋ってた人、色々きれいなことを言っても結局、みんな死んだら地獄に……。俺も悪いこといっぱいして、多分、恨んでる人とか、僕が悪いやつって知ってる人この中にたくさんいて。俺身長も低いし顔もこんなだし、売れるにはもう仕方がなかったし。 だからホストで売れてお金を稼ぐってことは、お金と一緒に罪を背負って、一瞬の煌めきのために全てを失ってしまうということだから……すいませんでした……。女の子は幸せになって欲しいし、みんな俺から離れた人は幸せになってください。地獄で会いましょう〉 こう語る動画の投稿コメントには、「みんないっぱい傷つけてごめんね。いつかホスト辞められたら、ちゃんと謝って、残ったお金で免罪符を買いたい」と添えられていた。 こうした一連の流れに対して、「担当と一緒に地獄に堕ちるとかエモすぎる、最高」「私の担当も私がパパ活で騙し取った金でナンバーワンにしてるの知ってますよね、あいつまじで逮捕されないかな」「もし私の仕事を担当が知ってたら逮捕されるかもしれないので絶対に隠したい。担当には幸せに笑っていてほしい」と様々なホスト通いに対するコメントが。一方でホスト側は「渡辺被告が過去に指名していた他のホストも逮捕されるのではないか」と心配の声も上がっている。 ホストで大金を使う子に、『夜職』で稼ぐ子が多いのは周知の事実。その中でもここ数年はパパ活で高額を引っ張る子がより“貢献できる”という認識を、ホスト自身も埋め込んできた。もちろんパパには『ホストで使う』とは言わず、家賃や借金など、中には借用書を偽造してまでお金を引く子もいる。ホスト側が細かく指示を出していたかはともかく、稼ぎ方を知っているケースは多い。先に上げた田中容疑者の「懺悔」も、このことを知ってのことだったのだろう。 男性客に嘘の話で大金を「引く」ことは一種のギャンブル性があり、高額を稼いだ自分に酔ってしまい誇示的にホストクラブで使ったり、X上で男性からお金を引く時の自分のやり方を発信している「ホスト狂い」は多く存在する。 今回の逮捕の件が歌舞伎町ホストバブルの転換期になるのだろうか。◆取材・文/佐々木チワワ
今回は、組織犯罪処罰法違反の容疑でホストが逮捕されるという珍しいケース。田中容疑者は渡辺被告に対してLINEで「俺も共犯、真衣ちゃんが捕まる時は俺も一緒」という趣旨のメッセージを送っていたとされ、このことから田中容疑者の犯行が裏付けられたという。
「頂き女子」を名乗り、“パパ活”同様の活動をしていた渡辺被告は、虚偽の説明をして2億円近くのお金を男性から騙し取りつつ、その詐欺手法をマニュアルにして販売。X(旧Twitter)でのフォロワーも1万人超えで、「男性を巧妙な手口で騙し取り、そのほとんどをホストに注ぎ込んでいる」ということは歌舞伎町では周知の事実だった。マニュアルを読むと、「りりちゃん」は「寂しく貯金のあるおぢ(男性)」を集中的に狙っていたようだが、彼女がホスト「狼谷歩」こと田中容疑者を継続して指名していたことは、歌舞伎町内では有名だった。
「彼はあのりりちゃんが指名していた、というイメージの強いホストでしたね。3000円くらいの魚の置物を、りりちゃんがホスクラで1250万円ほどで卸していたことを、周囲に自慢気に語っていた。報道では4000万円となっていますが、りりちゃんは1億円以上は狼谷に貢いでいたと思いますよ。りりちゃんは彼に価値を感じていたんだなという印象です」(歌舞伎町関係者)
田中容疑者はSNSでも発信活動を行なっており、X、Instagram、TikTok、YouTubeを運用。ホストとしての売り方や、資産形成術を発信していた。過去に田中容疑者を指名したことがあるというA子さんが語る。
「青山学院大学卒で、『将棋とカバディが好きなんだよね』と言ってて、個性派で売ってる感じでした。『藤井聡太倒すわ!』と息巻いてましたね(笑)。なんだけど、初指名の時点で『腕噛んでいい?』『噛み癖あるんだよね』と言ってて……。怖くて本指名にはしませんでした」
自身のSNSで「2年連続年間1億1000万円」との稼ぎを謳っていた田中容疑者は、大手のホストグループで売り上げ上位ランカーとして表彰されたことがあった。壇上で話す姿の切り抜き投稿では、ホストとしての自分を責めるような言葉が並べる一面もあった。
〈ホストってこの世に必要ない仕事だと思うんですよ。今日壇上に上がって喋ってた人、色々きれいなことを言っても結局、みんな死んだら地獄に……。俺も悪いこといっぱいして、多分、恨んでる人とか、僕が悪いやつって知ってる人この中にたくさんいて。俺身長も低いし顔もこんなだし、売れるにはもう仕方がなかったし。
だからホストで売れてお金を稼ぐってことは、お金と一緒に罪を背負って、一瞬の煌めきのために全てを失ってしまうということだから……すいませんでした……。女の子は幸せになって欲しいし、みんな俺から離れた人は幸せになってください。地獄で会いましょう〉
こう語る動画の投稿コメントには、「みんないっぱい傷つけてごめんね。いつかホスト辞められたら、ちゃんと謝って、残ったお金で免罪符を買いたい」と添えられていた。
こうした一連の流れに対して、「担当と一緒に地獄に堕ちるとかエモすぎる、最高」「私の担当も私がパパ活で騙し取った金でナンバーワンにしてるの知ってますよね、あいつまじで逮捕されないかな」「もし私の仕事を担当が知ってたら逮捕されるかもしれないので絶対に隠したい。担当には幸せに笑っていてほしい」と様々なホスト通いに対するコメントが。一方でホスト側は「渡辺被告が過去に指名していた他のホストも逮捕されるのではないか」と心配の声も上がっている。
ホストで大金を使う子に、『夜職』で稼ぐ子が多いのは周知の事実。その中でもここ数年はパパ活で高額を引っ張る子がより“貢献できる”という認識を、ホスト自身も埋め込んできた。もちろんパパには『ホストで使う』とは言わず、家賃や借金など、中には借用書を偽造してまでお金を引く子もいる。ホスト側が細かく指示を出していたかはともかく、稼ぎ方を知っているケースは多い。先に上げた田中容疑者の「懺悔」も、このことを知ってのことだったのだろう。
男性客に嘘の話で大金を「引く」ことは一種のギャンブル性があり、高額を稼いだ自分に酔ってしまい誇示的にホストクラブで使ったり、X上で男性からお金を引く時の自分のやり方を発信している「ホスト狂い」は多く存在する。
今回の逮捕の件が歌舞伎町ホストバブルの転換期になるのだろうか。
◆取材・文/佐々木チワワ