埼玉県屈指のスポーツ強豪校・昌平高校が相次ぐ不祥事で揺れている。
今年6月、野球部監督の黒坂洋介氏による複数部員への体罰があったが、甲子園の大本命と見られていた野球部は、監督を処分することなく県予選に出場。学校による隠蔽を問題視した匿名の有志が9月の文化祭で「告発文書」を校内に配布する事態になり、ようやく処分を下した。
続けて学校の顔でもあるサッカー部でも不祥事が起きていたことが本誌の取材でわかった。9月18日夜、レギュラーを含む複数のサッカー部員が大宮の居酒屋で飲酒後、警官に呼び止められるも逃亡を図ったのだ。
昌平高校HPより
しかし、同校は「あくまで個人の責任。監督の処分もない」(副校長)と判断し、サッカー部は活動を続けてきた。
この甘すぎる判断について、保護者の一人は、「生徒の過ち自体ではなく、学校の対応を問題視する親が多い」と話す。
しかし、学校側の捉え方は違うようだ。
「校長ら上層部は管理責任や隠蔽を謝罪することなく、『誰が漏らしたのか』と犯人捜しに躍起です」(昌平高校関係者)
こうした対応に不満を抱える職員や保護者は多いが、意見できないのが実情という。この関係者が続ける。
「校長や運動部系の職員が校内を牛耳っているためです。サッカー部の藤島崇之監督は経営を担う学校法人の事務局長を務め、同部の下部組織にあたるジュニアユースの運営を行う会社には校長、藤島氏、黒坂氏らが取締役として名前を連ねており、校長には同社名義の車が提供されています。同社は制服の物販などを担当していますが、なぜこの会社を通すのか、という疑問の声もあります」
本誌の取材に対し、校長は、「会社は下部組織のスタッフが代表を務めていますが、目的は学校運営の補助であり、コストカットできます。たしかに公務のために会社名義の車に乗っていますが、ガソリン代等は自腹です」と答えた。
校長の回答の翌10月3日、突如サッカー部の藤島監督が退任を発表。強豪校に起きた不祥事はまだ収まりそうにない。
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「週刊現代」2023年10月14日号より