三重県は、障がい者への虐待に関する公文書の一部を紛失したと発表しました。
公文書には個人情報が記載されていますが、誤って廃棄した可能性が高いということです。
三重県障がい福祉課によりますと先月11日、開示請求のあった文書を探していたところ、2014年度と2015年度に作成した障がい者への虐待に関する公文書が、20件以上紛失しているのが分かったということです。
捜索した結果、一部の公文書が保管していたファイルとは別のファイルから見つかりましたが、20件分の公文書が紛失したまま見つかっていないということです。
公文書の詳しい内容は特定できていないということですが、虐待の被害者や加害者の名前や年齢といった個人情報が記載されていると見られています。
5日時点では公文書の外部への流出は確認されていません。
紛失の原因について県は、職員がファイルから公文書を抜き出した後、元に戻さず別のファイルに移したと考えられ、その後、保存期間が終了したと判断して誤って廃棄した可能性が高いということです。
県では、新型コロナウイルスに関する補助金についての公文書紛失や、聴覚障害者支援センターで1200人分の個人情報が漏えいするなど、今年4月から公文書の紛失や個人情報の漏えいが10件起きています。
こうした状況をうけて5日、一見知事は幹部職員を集めた臨時の会議を開き「公務に携わる者として公文書を扱っていることに自覚を持ってほしい」と話し、公文書の適正な取り扱いや保管を徹底するよう指示しました。