今年8月、石川県津幡町の流しそうめんで発生した食中毒の患者が892人に上ることが分かりました。石川県内の食中毒事故としては平成以降で最も多い患者数です。
食中毒が発生したのは石川県津幡町牛首の木窪大滝にある「大滝観光流しそうめん」で、8月11日から17日に食事をした利用者から下痢や発熱などの症状が出たと相談があったものです。
石川県が調査を進めたところ、これまでに患者は1歳から80代までの男女892人に上ったことが分かりました。このうち22人が一時入院しましたが、全員回復したということです。患者は18の都府県にわたり、旧盆の時期に合わせて帰省客や旅行客が多かったことが一因とみられています。
保健所の調査では、流しそうめんに使用する湧水からカンピロバクターが検出されましたが、カンピロバクターが混入したいきさつは特定できなかったということです。
店のホームページによりますと、通常は年に1度以上行う水質検査を、今年は営業開始前に行っていませんでした。店は利用者への損害賠償手続きを進めていて、終了した段階で廃業することにしています。
平成以降に石川県内で発生した食中毒事故としては、2002年11月に志賀町で確認されたウェルシュ菌が原因の540人を上回り、最も多くなりました。県は、井戸水や湧水を使う飲食店550店舗に対し、水質検査を適切に行うよう呼びかけています。