自己中心的な振る舞いで会社に迷惑をかける、効率重視に周囲を巻き込むetc. ――若手世代に潜むモンスター社員により、職場の社員全員が大迷惑を被るはめに……。彼らの特徴を分類するとともに、専門家たちにその撃退法を聞いた!◆謝罪は格好悪いと思うがゆえにトラブルに…
「備品を誤って発注。上司の判断で部署内でシェアすることになったのに、謝りたくないからか、全部自分で持ち帰り証拠隠滅。上司も目が点に」(メーカー・43歳)と、周囲に迷惑をかけるミスでも、それを受け入れられない、自己保身モンスター。精神科医の春日武彦氏は言う。
「他人の過去の投稿を自分のオリジナルのツイートとして投稿。そのパクり行為を指摘されたら、すぐにアカウントを消去して雲隠れを図るのもこのタイプ。褒められて育ち、人生も順調だった故に引っ込みがつかず、謝罪は格好悪いと周囲の目を気にするあまり、トラブルの隠蔽工作に走ります」
◆強硬手段は相手の攻撃力を高めかねない!
しかし、「謝罪の強要はパワハラに該当」と弁護士の日比野大氏が指摘するように、証拠を突きつけるような強硬手段は相手の攻撃力を高めかねず悪手だ。
◆「失敗=悪」という価値観を壊す
若者研究家の小島雄一郎氏は次のようにアドバイスしてくれた。
「過去に、隠蔽工作によって懲戒免職を受けた先輩の例などを伝えてビビらせつつも、自分の失敗談やダメな姿を伝えて『失敗=悪』という価値観を壊しましょう」
失敗談の聖水を浴びせ、モンスターの心をほぐし、攻撃力を切り崩すべし!
◆●自己保身モンスター社員の特徴
謝ったら死ぬ病にかかり中
・LEVEL ★★★★★(MAX 5つ)職場を混乱させる、周囲に迷惑をかけるなどの悪影響の大きさ。レベル5は影響度がMAX!
・攻撃 99万(1万超えたら要注意)周囲のHPを削ったり、直接的な被害をもたらす力の強さ。99万はかなり危険! 攻撃力を切り崩すように
・防御 3000(1万超えたら要注意)説得が通じるか否かといった心理的な障壁の高さや、打たれ強さ。3000と攻撃力に比べて怖くない
◆<撃退法>
こういった迷惑社員の扱い方をまとめると…
・弱点(モンスター社員を撃退する上で、フックとなる特徴や性質)→ 周囲の目
・効果属性(モンスター社員にとって天敵となる中年世代のタイプ)→ 人生訓おやじ
・攻略法(弱点を踏まえた、モンスター社員を撃退する方法)→ 失敗談ビーム
⇒失敗談にかこつけた成功談はNG。証拠隠滅がいかに悪手かを理解させよう
【精神科医 春日武彦氏】医学博士。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを歴任。現在も臨床に携わる。近著『「狂い」の調教』(扶桑社)ほか、著書多数
【弁護士 日比野 大氏】弁護士法人mamori代表。登録者7万5000人以上のYouTubeチャンネル「弁護士ビーノ」を持ち、法律に関する問題を発信している
【若者研究家 小島雄一郎氏】’07年、大手広告会社に入社。日経COMEMOキーオピニオンリーダーも務める。著書に『広告のやりかたで就活をやってみた』(マスナビBOOKS)
取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/さとうみゆき