東京都内にある寺の納骨堂で、大量の練炭を燃やす手口で住職が殺害された事件。容疑者同士の新たな関係が浮かび上がってきた。
逮捕されたのは、霊園開発会社の社長・斎藤竜太容疑者(50)と取締役の青木淳子容疑者(63)。2人は、事件当日の午前中に住職が納骨堂で作業することを把握していた可能性があるとみられている。
その2人の関係について、葬儀会社の関係者は「ここ1年くらい交際しているとのうわさがあった」と証言。2人の関係を知る人は…。
近隣住民「同じ会社の方ですね。2~3年前からは間違いなくお付き合いはあったと思います」
斎藤容疑者には妻がいたが、交際関係にあったとみられる2人。2023年7月、東京・足立区の源証寺の地下にある納骨堂で、28個の練炭を燃やして住職の大谷忍昌さん(70)を一酸化炭素中毒に陥らせ、殺害した疑いが持たれている。
警視庁は、2人が犯行を周到に計画した可能性があるとみて調べを進めている。
犯行は手の込んだものだった。
犯行に使われたとみられる練炭は、数日前にホームセンターで購入し、事件発覚の9時間半前の午後11時ごろ納骨堂に仕掛けたという。
さらに、納骨堂から15メートルほど離れた焼却炉にも、危険な仕掛けが施されていた。現在は板で覆われている焼却炉から、ガソリン入りのペットボトル十数本が見つかった。
大谷さんはこの焼却炉をよく使っていたことから、2人は納骨堂に大谷さんが入らなかった場合も想定し、ガソリンでも危害を加えようとしていたとみられる。
犯行ににじむ強い殺意。住職と2人の容疑者の間に一体何があったのだろうか。
警視庁によると、斎藤容疑者らの会社と寺は、3年前から敷地内にある霊園の管理や販売などで提携していたが、両者は墓石の販売をめぐって対立。
斎藤容疑者らが、さまざまな人が使える霊園づくりを主張したのに対し、大谷さんは在来の仏教のみに限定した霊園とする考えで、運営方針が食い違っていたという。
寺について知る人は次のように証言。
近隣住民「(霊園について)売れ行きが悪いと聞いている、うわさで」
霊園の運営方針をめぐる対立が犯行の引き金になったのだろうか。警視庁の調べに対し、斎藤容疑者らは容疑を否認している。