宿泊予約サイト「ブッキングドットコム」で未払いが相次いでいる問題。宿のオーナーらが損害賠償を求め、集団提訴する方針を固めたことがわかりました。原告側の弁護士は「これほど大きな未払いが起きているのは初めて」だと話します。【写真を見る】Booking.com未払い相次ぐ「売り上げすべて吸収されたまま…」宿側が集団提訴へ 原告側弁護士“これほど大きな未払いは初めて”【news23】旅館の支配人「遅延の発生と言われても、いつまで続くのか」2023年10月6日、旅館の支配人のもとに、予期せぬ通知が突然届きました。それを見た支配人は…『箱根藍瑠』渡辺健支配人「急に出てきたもの(通知)なので、我々としても、こちらに関しては驚きを隠せない」

この温泉旅館に通知を送ったのは、旅行予約サイト「ブッキングドットコム」です。ブッキングドットコム「弊社では管理することのできない状況により、貴施設への銀行振込を予定通りに行うことができず、遅延の発生が予想されます。現在、担当部署にて可能な限り、早急に対処できるよう努めております」渡辺健支配人「遅延の発生と言われても、いつまで続くのか非常に不安を抱く」取材中のことでした。支配人宛てに電話が鳴ります。電話の相手は、この旅館のオーナーです。『箱根藍瑠』渡辺健支配人(旅館オーナーとの電話のやりとり)「9月分まるまる、まだ未入金。10月の2日分、それだけ入金がされていた」支配人によると、ブッキングドットコムで予約した客の宿泊料金が、予定していた日に振り込まれなかったそうです。この旅館では、2023年6月~7月にかけても入金が遅れ、8月に支払われた経緯があります。Q.これからの対策は、どんなことを考えているのか?渡辺健支配人「今後の対応次第では、『ブッキングドットコム』の予約自体を停止せざるを得ない部分も出てくる」しかし、この旅館は、ブッキングドットコムからの予約が約6割を占めており、そう簡単なことではありません。渡辺健支配人「この遅延がいつまで続くか分からないというところで、今後取引先への支払いや従業員の給与の渡し、どの程度対応できるか、少し体力勝負的な部分も出てきてしまうかなと思う」オーナーらがブッキングドットコム側を訴える方針ブッキングドットコムによる宿泊施設への未払いは、全国で相次いでいます。こうした事態を受け、宿泊施設を経営するオーナーらは近く、ブッキングドットコム側に損害賠償を求める訴えを起こす方針であることが分かりました。宿泊施設では、客がブッキングドットコムを通し、予約と支払いを行うシステムを利用しています。しかし、ブッキングドットコム側から、7月~9月分の宿泊費、約300万円~1000万円が、支払われない状態が続いているということです。提訴を予定している松尾政彦さん「(未払いのため)不動産売却して資金作って、給料や業者への支払いをしていますが、正直ブッキングドットコムに、丸々1か月も2か月も売り上げをすべて吸収されたまま、返答も説明もないままだと、これはきつい」ただ、オーナーらの中には、今回、状況の推移を見守っている人もいるようです。提訴を予定している内藤忍さん「こういうこと(提訴)をすることによって、報復というか掲載拒否されたり、サイトから契約解除されてしまったり、利用できなくなってしまったりとか、そういう恐怖感はあるし、他の方も同じようなことを思って、泣き寝入りというか、待っているだけという方、傍観されている方もいるのでは」原告側の弁護士は、旅行予約サイトをめぐって、これほど大きな未払いが起きているのは初めてだと話します。原告側加藤博太郎弁護士「提訴を通じて、こちらの主張をしっかりして、未払いの解消をブッキングドットコムに求めていきたい」ブッキングドットコム側は未払いの理由について「システムメンテナンスによる予期せぬ技術的な問題が長引いている」としたうえで、こう謝罪しました。ブッキングドットコム「お取引先各社様に対し、期日通りに支払いを履行することは、当社にとって常に最優先事項であり、一部のパートナーの皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」力のあるプラットフォーム企業と、弱い立場の人たち藤森祥平キャスター:今回取材をし、提訴を予定しているという内藤忍さんのお話では、集団訴訟の理由について「零細の民間事業者がグローバルな大企業に集客を依存。力関係は圧倒的にブッキングドットコムが有利。弱い立場同士が力を合わせ、少しでも動きを作りたい」だとお話しています。この未払い問題については、観光庁にも実は相談が寄せられているそうで、観光庁も状況を確認している段階だということです。これは常態化してはいけないですね。小川彩佳キャスター:「弱い立場が力を合わせて」という言葉がありましたけれども、弱い立場の方々が宿泊業者側で、未払いを我慢しているという状況というのは、健全な状態とはとても言えないですよね。東京大学准教授 斎藤幸平さん:全く健全ではないので、どんどん裁判をやったらいいと思います。ブッキングドットコムは、今すごい儲かってるんですね。今季の上半期だけでも、売り上げが1兆3000億円、純利益も2300億円です。払うのは多分全然問題ないのに、こういうことをしている。やはりプラットフォーム企業の方が力を持っていて、弱い立場の人たちの方が苦しむという構図がよくあるんですね。これがUberEatsだったら配達している人たちが個人事業主で、様々な問題の責任を自分が引き受けなきゃいけなかったり、Amazonだったら配達業者がめちゃくちゃなノルマを課されたりなどです。こういうものに対して、各国で裁判が起きたりして、EUでは法律も変わったりしているので、こういうことが日本でもやはりしっかり裁判で処理されるべきだと思います。海外に本社がある事業者に声を上げにくい小川キャスター:そして、news23でも、8月にもお伝えしていますが、その際にもブッキングドットコム側の説明としては、「システムトラブルがあった」ということでした。今回の説明も全く変わっていないんですよね。浜田さん、ここは釈然としないところがどうしてもあるんですよね。フリージャーナリスト浜田敬子さん:おそらくこういったプラットフォームに対して、出店をしたり、掲載をしたりするときは、契約書みたいなものを結んでいて、例えば入金があった場合に「何日までに払う」という記述というものは決まってると思うので、システムトラブルで支払いを免除されるということはないと思います。先ほど斎藤さんがおっしゃった通り、すごく儲かっている巨大なプラットフォームなので支払能力もあると思います。巨大なプラットフォームに対して、中小の事業者が声を上げにくいという事情もありますが、もう一つは「海外の事業者に声を上げにくい」というのもあると思います。日本の事業者でも、もちろん力関係にて声を上げにくいんですけども、例えば、X(旧ツイッター)などでも、情報開示請求をするときに、本社に必ず開示請求しなければいけない、英語の文章にならなければいけない。例えば、日本の支社の窓口に申し立てても、本社の判断をいちいち仰がなきゃいけないので、対応がそもそも遅いというような問題があって、海外のプラットフォームと付き合うという問題も、今回もあると思います。藤森キャスター:今回は、オランダですね。小川キャスター:日本支社が中継するようなということですよね。フリージャーナリスト浜田敬子さん:そうですね。本当に伝書鳩みたいな感じでしか役割を果たさないみたいな事はよくあります。小川キャスター:これは利用者としても、厳しい目で見ていかなければならないですね。
宿泊予約サイト「ブッキングドットコム」で未払いが相次いでいる問題。宿のオーナーらが損害賠償を求め、集団提訴する方針を固めたことがわかりました。原告側の弁護士は「これほど大きな未払いが起きているのは初めて」だと話します。
【写真を見る】Booking.com未払い相次ぐ「売り上げすべて吸収されたまま…」宿側が集団提訴へ 原告側弁護士“これほど大きな未払いは初めて”【news23】旅館の支配人「遅延の発生と言われても、いつまで続くのか」2023年10月6日、旅館の支配人のもとに、予期せぬ通知が突然届きました。それを見た支配人は…『箱根藍瑠』渡辺健支配人「急に出てきたもの(通知)なので、我々としても、こちらに関しては驚きを隠せない」

この温泉旅館に通知を送ったのは、旅行予約サイト「ブッキングドットコム」です。ブッキングドットコム「弊社では管理することのできない状況により、貴施設への銀行振込を予定通りに行うことができず、遅延の発生が予想されます。現在、担当部署にて可能な限り、早急に対処できるよう努めております」渡辺健支配人「遅延の発生と言われても、いつまで続くのか非常に不安を抱く」取材中のことでした。支配人宛てに電話が鳴ります。電話の相手は、この旅館のオーナーです。『箱根藍瑠』渡辺健支配人(旅館オーナーとの電話のやりとり)「9月分まるまる、まだ未入金。10月の2日分、それだけ入金がされていた」支配人によると、ブッキングドットコムで予約した客の宿泊料金が、予定していた日に振り込まれなかったそうです。この旅館では、2023年6月~7月にかけても入金が遅れ、8月に支払われた経緯があります。Q.これからの対策は、どんなことを考えているのか?渡辺健支配人「今後の対応次第では、『ブッキングドットコム』の予約自体を停止せざるを得ない部分も出てくる」しかし、この旅館は、ブッキングドットコムからの予約が約6割を占めており、そう簡単なことではありません。渡辺健支配人「この遅延がいつまで続くか分からないというところで、今後取引先への支払いや従業員の給与の渡し、どの程度対応できるか、少し体力勝負的な部分も出てきてしまうかなと思う」オーナーらがブッキングドットコム側を訴える方針ブッキングドットコムによる宿泊施設への未払いは、全国で相次いでいます。こうした事態を受け、宿泊施設を経営するオーナーらは近く、ブッキングドットコム側に損害賠償を求める訴えを起こす方針であることが分かりました。宿泊施設では、客がブッキングドットコムを通し、予約と支払いを行うシステムを利用しています。しかし、ブッキングドットコム側から、7月~9月分の宿泊費、約300万円~1000万円が、支払われない状態が続いているということです。提訴を予定している松尾政彦さん「(未払いのため)不動産売却して資金作って、給料や業者への支払いをしていますが、正直ブッキングドットコムに、丸々1か月も2か月も売り上げをすべて吸収されたまま、返答も説明もないままだと、これはきつい」ただ、オーナーらの中には、今回、状況の推移を見守っている人もいるようです。提訴を予定している内藤忍さん「こういうこと(提訴)をすることによって、報復というか掲載拒否されたり、サイトから契約解除されてしまったり、利用できなくなってしまったりとか、そういう恐怖感はあるし、他の方も同じようなことを思って、泣き寝入りというか、待っているだけという方、傍観されている方もいるのでは」原告側の弁護士は、旅行予約サイトをめぐって、これほど大きな未払いが起きているのは初めてだと話します。原告側加藤博太郎弁護士「提訴を通じて、こちらの主張をしっかりして、未払いの解消をブッキングドットコムに求めていきたい」ブッキングドットコム側は未払いの理由について「システムメンテナンスによる予期せぬ技術的な問題が長引いている」としたうえで、こう謝罪しました。ブッキングドットコム「お取引先各社様に対し、期日通りに支払いを履行することは、当社にとって常に最優先事項であり、一部のパートナーの皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」力のあるプラットフォーム企業と、弱い立場の人たち藤森祥平キャスター:今回取材をし、提訴を予定しているという内藤忍さんのお話では、集団訴訟の理由について「零細の民間事業者がグローバルな大企業に集客を依存。力関係は圧倒的にブッキングドットコムが有利。弱い立場同士が力を合わせ、少しでも動きを作りたい」だとお話しています。この未払い問題については、観光庁にも実は相談が寄せられているそうで、観光庁も状況を確認している段階だということです。これは常態化してはいけないですね。小川彩佳キャスター:「弱い立場が力を合わせて」という言葉がありましたけれども、弱い立場の方々が宿泊業者側で、未払いを我慢しているという状況というのは、健全な状態とはとても言えないですよね。東京大学准教授 斎藤幸平さん:全く健全ではないので、どんどん裁判をやったらいいと思います。ブッキングドットコムは、今すごい儲かってるんですね。今季の上半期だけでも、売り上げが1兆3000億円、純利益も2300億円です。払うのは多分全然問題ないのに、こういうことをしている。やはりプラットフォーム企業の方が力を持っていて、弱い立場の人たちの方が苦しむという構図がよくあるんですね。これがUberEatsだったら配達している人たちが個人事業主で、様々な問題の責任を自分が引き受けなきゃいけなかったり、Amazonだったら配達業者がめちゃくちゃなノルマを課されたりなどです。こういうものに対して、各国で裁判が起きたりして、EUでは法律も変わったりしているので、こういうことが日本でもやはりしっかり裁判で処理されるべきだと思います。海外に本社がある事業者に声を上げにくい小川キャスター:そして、news23でも、8月にもお伝えしていますが、その際にもブッキングドットコム側の説明としては、「システムトラブルがあった」ということでした。今回の説明も全く変わっていないんですよね。浜田さん、ここは釈然としないところがどうしてもあるんですよね。フリージャーナリスト浜田敬子さん:おそらくこういったプラットフォームに対して、出店をしたり、掲載をしたりするときは、契約書みたいなものを結んでいて、例えば入金があった場合に「何日までに払う」という記述というものは決まってると思うので、システムトラブルで支払いを免除されるということはないと思います。先ほど斎藤さんがおっしゃった通り、すごく儲かっている巨大なプラットフォームなので支払能力もあると思います。巨大なプラットフォームに対して、中小の事業者が声を上げにくいという事情もありますが、もう一つは「海外の事業者に声を上げにくい」というのもあると思います。日本の事業者でも、もちろん力関係にて声を上げにくいんですけども、例えば、X(旧ツイッター)などでも、情報開示請求をするときに、本社に必ず開示請求しなければいけない、英語の文章にならなければいけない。例えば、日本の支社の窓口に申し立てても、本社の判断をいちいち仰がなきゃいけないので、対応がそもそも遅いというような問題があって、海外のプラットフォームと付き合うという問題も、今回もあると思います。藤森キャスター:今回は、オランダですね。小川キャスター:日本支社が中継するようなということですよね。フリージャーナリスト浜田敬子さん:そうですね。本当に伝書鳩みたいな感じでしか役割を果たさないみたいな事はよくあります。小川キャスター:これは利用者としても、厳しい目で見ていかなければならないですね。
2023年10月6日、旅館の支配人のもとに、予期せぬ通知が突然届きました。それを見た支配人は…
『箱根藍瑠』渡辺健支配人「急に出てきたもの(通知)なので、我々としても、こちらに関しては驚きを隠せない」
この温泉旅館に通知を送ったのは、旅行予約サイト「ブッキングドットコム」です。
ブッキングドットコム「弊社では管理することのできない状況により、貴施設への銀行振込を予定通りに行うことができず、遅延の発生が予想されます。現在、担当部署にて可能な限り、早急に対処できるよう努めております」
渡辺健支配人「遅延の発生と言われても、いつまで続くのか非常に不安を抱く」
取材中のことでした。支配人宛てに電話が鳴ります。電話の相手は、この旅館のオーナーです。
『箱根藍瑠』渡辺健支配人(旅館オーナーとの電話のやりとり)「9月分まるまる、まだ未入金。10月の2日分、それだけ入金がされていた」
支配人によると、ブッキングドットコムで予約した客の宿泊料金が、予定していた日に振り込まれなかったそうです。
この旅館では、2023年6月~7月にかけても入金が遅れ、8月に支払われた経緯があります。
Q.これからの対策は、どんなことを考えているのか?
渡辺健支配人「今後の対応次第では、『ブッキングドットコム』の予約自体を停止せざるを得ない部分も出てくる」
しかし、この旅館は、ブッキングドットコムからの予約が約6割を占めており、そう簡単なことではありません。
渡辺健支配人「この遅延がいつまで続くか分からないというところで、今後取引先への支払いや従業員の給与の渡し、どの程度対応できるか、少し体力勝負的な部分も出てきてしまうかなと思う」
ブッキングドットコムによる宿泊施設への未払いは、全国で相次いでいます。
こうした事態を受け、宿泊施設を経営するオーナーらは近く、ブッキングドットコム側に損害賠償を求める訴えを起こす方針であることが分かりました。
宿泊施設では、客がブッキングドットコムを通し、予約と支払いを行うシステムを利用しています。
しかし、ブッキングドットコム側から、7月~9月分の宿泊費、約300万円~1000万円が、支払われない状態が続いているということです。
提訴を予定している松尾政彦さん「(未払いのため)不動産売却して資金作って、給料や業者への支払いをしていますが、正直ブッキングドットコムに、丸々1か月も2か月も売り上げをすべて吸収されたまま、返答も説明もないままだと、これはきつい」
ただ、オーナーらの中には、今回、状況の推移を見守っている人もいるようです。
提訴を予定している内藤忍さん「こういうこと(提訴)をすることによって、報復というか掲載拒否されたり、サイトから契約解除されてしまったり、利用できなくなってしまったりとか、そういう恐怖感はあるし、他の方も同じようなことを思って、泣き寝入りというか、待っているだけという方、傍観されている方もいるのでは」
原告側の弁護士は、旅行予約サイトをめぐって、これほど大きな未払いが起きているのは初めてだと話します。
原告側加藤博太郎弁護士「提訴を通じて、こちらの主張をしっかりして、未払いの解消をブッキングドットコムに求めていきたい」
ブッキングドットコム側は未払いの理由について「システムメンテナンスによる予期せぬ技術的な問題が長引いている」としたうえで、こう謝罪しました。
ブッキングドットコム「お取引先各社様に対し、期日通りに支払いを履行することは、当社にとって常に最優先事項であり、一部のパートナーの皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」
藤森祥平キャスター:今回取材をし、提訴を予定しているという内藤忍さんのお話では、集団訴訟の理由について「零細の民間事業者がグローバルな大企業に集客を依存。力関係は圧倒的にブッキングドットコムが有利。弱い立場同士が力を合わせ、少しでも動きを作りたい」だとお話しています。
この未払い問題については、観光庁にも実は相談が寄せられているそうで、観光庁も状況を確認している段階だということです。これは常態化してはいけないですね。
小川彩佳キャスター:「弱い立場が力を合わせて」という言葉がありましたけれども、弱い立場の方々が宿泊業者側で、未払いを我慢しているという状況というのは、健全な状態とはとても言えないですよね。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:全く健全ではないので、どんどん裁判をやったらいいと思います。ブッキングドットコムは、今すごい儲かってるんですね。今季の上半期だけでも、売り上げが1兆3000億円、純利益も2300億円です。払うのは多分全然問題ないのに、こういうことをしている。
やはりプラットフォーム企業の方が力を持っていて、弱い立場の人たちの方が苦しむという構図がよくあるんですね。これがUberEatsだったら配達している人たちが個人事業主で、様々な問題の責任を自分が引き受けなきゃいけなかったり、Amazonだったら配達業者がめちゃくちゃなノルマを課されたりなどです。
こういうものに対して、各国で裁判が起きたりして、EUでは法律も変わったりしているので、こういうことが日本でもやはりしっかり裁判で処理されるべきだと思います。
小川キャスター:そして、news23でも、8月にもお伝えしていますが、その際にもブッキングドットコム側の説明としては、「システムトラブルがあった」ということでした。今回の説明も全く変わっていないんですよね。浜田さん、ここは釈然としないところがどうしてもあるんですよね。
フリージャーナリスト浜田敬子さん:おそらくこういったプラットフォームに対して、出店をしたり、掲載をしたりするときは、契約書みたいなものを結んでいて、例えば入金があった場合に「何日までに払う」という記述というものは決まってると思うので、システムトラブルで支払いを免除されるということはないと思います。先ほど斎藤さんがおっしゃった通り、すごく儲かっている巨大なプラットフォームなので支払能力もあると思います。
巨大なプラットフォームに対して、中小の事業者が声を上げにくいという事情もありますが、もう一つは「海外の事業者に声を上げにくい」というのもあると思います。
日本の事業者でも、もちろん力関係にて声を上げにくいんですけども、例えば、X(旧ツイッター)などでも、情報開示請求をするときに、本社に必ず開示請求しなければいけない、英語の文章にならなければいけない。例えば、日本の支社の窓口に申し立てても、本社の判断をいちいち仰がなきゃいけないので、対応がそもそも遅いというような問題があって、海外のプラットフォームと付き合うという問題も、今回もあると思います。
藤森キャスター:今回は、オランダですね。
小川キャスター:日本支社が中継するようなということですよね。
フリージャーナリスト浜田敬子さん:そうですね。本当に伝書鳩みたいな感じでしか役割を果たさないみたいな事はよくあります。