銀行間の資金決済を担う全国銀行データ通信システム(全銀システム)で10日朝に発生した障害は、11日も続いた。
11の金融機関で他行宛ての振り込みができなくなっており、代替手段で対応しているが、相手先口座への着金が遅れるなどの影響が生じている。
システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)によると、復旧の見通しは立っていないが、辻松雄理事長は11日夜の報道機関向けの説明会で「12日午前8時半の復旧を目指している」と述べた。金融庁も全銀ネットに早期復旧を求めるとともに、聞き取りを通じて状況の確認を進めている。
全銀ネットによると、10~11日の2日間で11行には計約255万件の振り込み依頼があった。11日午後6時時点で約87万件が未処理の状態で、振り込みが完了しても入金の確認ができていないケースもあるという。
一部の取引ができなくなった金融機関では11日、振り込みの受け付けを制限するなどの対応をとった。
三菱UFJ銀行は他行宛ての振り込みの受け付けを正午までに短縮し、利用者には他行での送金を促した。商工組合中央金庫は11日付で予約された振り込みを除き、店頭や現金自動預け払い機(ATM)などでの他行宛ての振り込みの受け付けを停止した。