迷惑客の存在は、店内の他のお客様にはもちろん、お店のスタッフのやる気や活力を下げる原因にもなる。そんな迷惑客は、地元の小さな商店街の焼き鳥屋にもはびこっているという。 今回お話を聞いたKさんは、地元の焼き鳥屋で6年ほどアルバイトをしていたベテラン店員。これまでさまざまな迷惑客を見てきた経験があるとのこと。長年、焼き鳥屋でアルバイトをしてきたKさんから、お店のスタッフだからこそ感じる迷惑客や面倒な行為を聞くことができた。
◆ガラの悪いイメージのある街の焼き鳥屋
働いていた店舗は、駅の商店街の真ん中に面した場所にあった。コロナ前に比べると人通りは少なくなったが、地元で人気のある焼き鳥屋だ。アルバイトを始めて数か月、業務内容も少しずつ覚え、慣れてきた頃だった。
居酒屋でよくある迷惑客に出会ったKさんは「世の中にはこんな人もいるんだ。反面教師として捉えておこう」と思ったそうだ。
「その人は、店に入ってきた時点で様子がおかしかったです。気性が荒く、せっかちな雰囲気。席につき、ファーストオーダーをおうかがいに行くとドリンクと共にメニューにはない”だし巻き卵”を頼まれました。『だし巻き卵はメニューにありません』と答えると、『いいから作って』と言われたんです」
◆頼んだメニューを忘れるお客も
居酒屋だからだし巻き卵があると思っているのか、卵があるならだし巻き卵を作れるだろと思っているのかはわからないが、このようなメニューにない商品を注文する迷惑客がいるそうだ。さらに頼んだメニューを忘れてしまう迷惑客もいるとのこと。
「ファーストオーダーで大量の商品を頼む人がいるのですが、そういった方はだいたい頼んだ商品を覚えておらず、できた商品を席へ持っていくと『こんなの頼んでない』と言い張ります。こんなに大量なご飯は食べれないからなのか、本当に頼んだメニューを覚えていないのか分かりませんが」
◆酔った勢いでグラスを割られた
お酒を飲んで人が変わったように気性が荒くなったり、感情的になったりする人は一緒に飲んでいる仲間はもちろん、お店側にもかなり迷惑をかけていることを自覚したほうがいい。
「お酒を飲むと、大声で怒鳴ったり、気性が荒くなったりする人が多いです。酔った勢いでグラスを割ったり、スタッフにも怒り口調になったり、せっかちになったり。さまざまなマイナスの言動をとられるので困ります」
注文するときは、必ず食べ切れる量を頼み、注文した商品を把握し、ほどほどに飲みすぎない程度にするのがいい。
◆学生のような飲みっぷりで嘔吐
さらにお酒により荒い性格の本性が露になると、一緒に飲んでいる仲間からもいいように思われない。
「団体のお客様でよくあるのが、お酒が入って盛り上がり、ついつい大量のお酒を短時間で飲む行為が見られます。そこで何事もなければいいのですが、店内の座敷の席で嘔吐した人もいらっしゃいます。お連れ様も処理を手伝ってくれましたが、最終的には私がやる羽目に。“ゲロ処理”ほど居酒屋で嫌な業務はないくらい最悪です」
いい歳の大人でも騒ぎたくなる時があるのはわかる。しかしそこは節度を守って、やりすぎには気をつけたい。おそらく馬鹿騒ぎして、店内で嘔吐している状況をあとから俯瞰的に見ると、とんでもない黒歴史になるだろう。
大人になってからのやりすぎは大きな事態になりかない。特にお酒での失敗は周囲に「迷惑」しかかけないため、社会人として責任を持って行動するようにしたい。
<TEXT/田中げも>