「なんで、なんで、と焦っているうちに別室に連れていかれました。もう、怖くて、怖くて、涙が止まりませんでした。何も悪いことしていないし、嘘なんかついていないのに」
約1ヵ月前、ハワイの入国審査での恐怖の体験を語るのは会社員のA子さん(29)。
「sightseeing 、sightseeingと観光目的で来たと言っても聞く耳をもたないんです。そして、スマホを見せろって携帯を取り上げられました」
日本語が堪能な係官がLINEをチェックし、何人かの男性とのやり取りを突きつけながら追及してきたという。
ーーこの男たちとの関係は?
「会社の同僚や学生時代の友人です」
ーーいや、特別な関係だろ。
「誰だって何人かの男性とLINEするでしょ、普通に。『この前の飲み会、とても楽しかった。また、やろうね』とか。いくら反論してもダメなんです。そして、信じられない言葉をぶつけられました」
ーー観光ではなくビジネス、売春目的だな。
男性関係にだらしないと決めつけられ、挙げ句の果てに「売春婦」と侮辱されては、机の上に伏して号泣するしかなかった。屈強な取調官に囲まれた事情聴取は6時間近くにおよび、ようやく誤解が解けて入国を認められたとはいえ、A子さんの怒りはいまだに収まらない。
「日本人の女性を狙い撃ちしているようで、人種差別ですよ」
最近、ネットや一部メディアでも、この問題が取り上げられるようになった。
TBSの宇内梨沙アナウンサー(32)も自身のX(旧ツイッター)にコメントしている。
〈日本人女性のハワイ入国拒否の話題を見て、私もこの間、サンフランシスコからアメリカに入国したけれど、質問が結構多くて、これまで経験した入国審査で一番厳しかったと感じました〉
以前から、アメリカは入国チェックが厳しく、出国はユルいといわれてきたが、昨年からハワイ、グアムなどに入国しようとした日本人の若い女性が強制送還されるケースが急増。ロサンゼルス、ニューヨークなど本土にも広がっている。帰国する際に格安航空券は使えず、正規の値段の支払いを求められ、予約済みのホテルやレストランのキャンセル料も払わなければならない。
なぜ、一層、厳重になったのか。SNS上には高額報酬を掲げた「売春」「パパ活」ともとれる海外アルバイト募集が散見され、見過ごせないと神経を尖らせるアメリカ当局は水際作戦で入国を許さない強い姿勢を打ち出した。強制送還を食らうとブラックリストに組み込まれ、約10年間入国禁止となる。
では、純粋に観光を楽しもうとする女性がスムーズに審査をパスするにはどうすればいいのか。旅行会社の関係者は次のようにアドバイスする。
“の露出はNG。ミニスカートやハイヒールを避け、できればジーンズにスニーカー▲屮薀鵐品の洋服、バッグ、時計を身につけないI要以上の洋服を持ち込まない。カバンを開けられた際、商業目的の写真撮影と判断されるね縮鷓僂澆離曠謄襪僚駑爐鬚澆擦襦デジタル時代とはいえ紙には重みがあるジ靴靴、しつこい質問がくることを覚悟して、想定問答を考えておく
入国審査エリアでは常に監視されているという緊張感を保ち、旅慣れているからと過信すると手痛いしっぺ返しが待っている。年末年始にアメリカ観光を予定する若い女性はあらぬ疑いをかけられないために十分、注意する必要がある。