密にならないレジャーとして、コロナ禍より再ブームとなった「釣り」。その人気はコロナが5類に移行された現在でも変わっていない。しかし、人気が出ればそれだけリスクが増えるのもレジャーだ。釣り場のゴミ問題は相変わらずで、釣り禁止の場所は年々増えるばかりだ。 その他にも、釣り人同士のトラブルや路上駐車なども問題となっている。全てマナーやモラルの問題だが、時にはそんな常識さえも超えるとんでもない釣り人が存在することはご存知だろうか? ここではそんな常識破りのとんでもない釣り人の迷惑行為について、地元千葉の河川でルアーフィッシングをしている釣り師の男性に話を聞いた。
◆本当にあった釣り人の迷惑行為
「橋の下で釣りをしていたら、上からゴミが次々と降って来たんです。見ると、車の窓を開けてゴミを堂々と投げ捨てていました。おそらく同じ釣り人ですね。拾って回収しようにも流れて行ってしまうとそれもできません」と話すのは、釣り師のTさん。
地元でルアーフィッシングを楽しんでいる最中に何度も常識外れの釣り人に出会ったという。
「釣り人のマナーは年々悪くなっています。家庭ゴミをわざわざ釣り場に捨てたり、針がついた仕掛けを歩道に捨てて帰る人もいます。釣り針はカエシが付いていて、人の皮膚に刺さると抜けないようになってます。そうなると最悪の場合、病院に行かなくてはなりません」
◆女性の釣り人に近づいて…
そうTさんは憤る。しかし、釣り人の迷惑行為はそれだけに留まらない。
「最近では、デートフィッシングやファミリーフィッシングで女性が釣りをする姿をよく見ますが、なかには1人で釣りをする方もいます。そんな女性に近付いて、あれやこれやと教えようとする男性を見かけます」
確かに女性1人の釣り人は珍しいと思うが、何かトラブルはなかったのだろうか?
「女性は何とか会話を合わせている感じで、いつまでもそばを離れようとせず、最終的には女性の側が別のスポットに逃げてしまいます。ご年配の方が多い印象で、女性の釣り人も周りの方に挨拶などしていたので、つい勘違いしてしまうのかもしれませんね」
◆失明の危険!投げ釣りが禁止になった場所も
ゴミやマナー、そして女性を含むトラブル。釣り場で起こる問題の一例が分かったが、もっと最悪なケースもある。
「私も隣の釣り人が投げたルアーが目の前に飛んで来たことがあります。ルアーフィッシングの中には鉛でできたルアーがあるのですが、万が一、人の体に当たれば病院送りですね。ルアーについている針が刺さればとんでもない激痛ですし、目に刺されば失明。これが原因で投げ釣りが禁止になった場所もあるくらいなんです。謝ってくれる方もいますが、歩行者に当たったりしたらと思うとびっくりしますよね」
せめて思った所に投げられる練習をしてからルアーフィッシングを始めてほしいものだ。また地方の自然が残る釣り場も最近は荒らされているという。
「冷蔵庫にバイク、車のバッテリー、部屋の照明までもが近くの川に捨てられていました。もちろん釣り人が犯人とは限りませんが、どうも真夜中にこっそり捨てられているみたいです。釣り場の駐車場に粗大ごみや家庭ゴミが捨てられていても、現場を目撃することはほとんどないです」
◆迷惑行為を「注意すればケンカに」
数々の釣り人の迷惑行為を見て来たTさんだが、やはり注意は難しいのだろうか?

そういった人たちには、言葉で何を言っても無駄ですね。コロナの自粛警察と一緒にされてしまいます。本当は釣り場でゴミのポイ捨てなんかを見ると一言言ってやりたくなりますが……。こちらが回収できるものは黙って回収して捨ててます。楽しむために釣りに来てケンカなんかしたくないですしね」
◆釣りの様子を動画に撮った結果
釣り場は自分だけのものではないと、大人ならわかりそうなものだが困ったものだ。だが、困った釣り人はこれだけではない。
「最近多いのが、釣りの様子を動画に撮る釣り人です。三脚を持って来て本格的にやってます。撮影自体は迷惑じゃないのですが、その動画をYouTubeなどに上げるとその場所に人が押し寄せ、ゴミや路上駐車、騒音といったトラブルを招くことになるんです。他の釣り人からしたら、場所は伏せてくれって思いますね。
釣りの楽しさを広めようとやってくれてるのはわかりますが、やはりマナーを守れる釣り人ばかりじゃないので、複雑です。後は、撮影のために危険な場所に入ったり、ゴミを捨てる釣り人にわざわざ注意する様子を動画で見かけます」
釣りは誰にでも楽しめる国民的レジャーだ。だからそこ、ルールやマナーといった基本的なことを守って楽しくやりたい。今回の事例は氷山の一角に過ぎないが、このままだと近い将来、釣り自体が衰退し、無くなってしまう未来が現実になる。
<TEXT/Takeshi>