泉涌(せんにゅう)寺の塔頭(たっちゅう)・来迎院(らいごういん)(京都市東山区)の山門に油のような液体がかけられていたことが6日、泉涌寺などへの取材で分かった。
同じく同寺塔頭の善能寺の山門でも2日朝に同様の被害が発覚したばかり。泉涌寺側から相談を受けた京都府警東山署が警戒を強めている。
泉涌寺などによると、来迎院の山門で5日朝、門を開けに来た住職が、縦横数十センチの範囲に広がる2カ所の液体のしみを見つけた。さらに善能寺の山門でも同日朝、新たに2カ所のしみが見つかった。来迎院は最初に被害が発覚した善能寺の向かい側に位置している。善能寺のしみは徐々に乾き、被害前の状況に戻りつつあるという。
被害を受け来迎院では境内の防犯カメラを山門前に移した。善能寺でも山門前にライトを取り付けるなどの対応を行い、防犯カメラを設置する予定という。来迎院の安井崇兼(そうけん)住職(72)は「どういう目的かわからないが、自分の家に同じことをされたら嫌なはず。よく考えてもらいたい」と話す。
一連の被害を泉涌寺職員が交流サイト(SNS)で発信すると、多くの反響が集まった。しかし中には根拠もなく外国人の犯行と決めつけるような投稿も散見された。同寺の担当者は「海外の人で泉涌寺を気に入って来てくださる方もいる。『海外の人が』という決めつけはやめてほしい」と冷静な対応を求めた。