自動車保険金を不正に水増し請求していた問題で揺れる中古車販売大手「ビッグモーター」。兼重宏行前社長、息子の宏一前副社長が退陣し、和泉伸二新社長のもと再スタートを切ってから1ヵ月以上が経過したが、負の連鎖は止まらない。
街路樹への除草剤散布疑惑、景観をめぐる住民からのクレーム、下請け業者に草むしり強要疑惑など次々と新たな問題が発覚している中、オープンを間近に控えた店舗の開業が白紙になったことがわかった。
開業白紙になった新店舗は「いわき平塩店」(福島県いわき市)と「大垣店」(岐阜県大垣市)の2店舗。このうち、いわき平塩店は9月にオープン予定だった。
HPでは9月16日オープンと告知されていたが…
いわき平塩店の近くで会社を営む男性が明かす。
「オープンまであとわずかという状況にもかかわらず、準備は一向に進んでいませんでした。地元では『オープンはこのまま幻に終わるのではないか』と話題になっていました」
いわき平塩店は国道沿いにあり、周辺には大手量販店や飲食店のほか、自動車関連会社が立ち並んでいる。
「当初、8月26日にオープンの予定でした。近くにはライバルの大手中古車販売店も店舗を構えており、オープンに向けてグーグル広告を出すなど派手に宣伝していました。
そんな折、不正が明らかになり、騒ぎが大きくなるとパタリと工事が止まりました。7月の謝罪会見後はまだ業者が入っていましたが、お盆以降、業者の出入りは一切ありませんでした」
不正請求問題を受け7月25日に行われた謝罪会見の席で、再建を担うことになった和泉新社長らは、20~30ヵ所で予定されていた新規出店計画を白紙にすることを明らかにした。その一方で、いわき平塩店などオープン間近の新店舗は予定通りと明言していた。
「その後、オープンが9月16日に延期されることになり、同社のHPでも<9/16オープン予定>と告知されていました。ただ、準備は一向に進んでおらず、私の周囲では『再延期は確実。それどころか開店自体がなくなるのではないか』という声が出ていました」
9月16日にオープン予定だったいわき平塩店記者は9月1日に現地を訪れていた。ビッグモーターの店舗といえば、青い看板に「BIG」の文字が目印だが、同店の看板は真っ白のまま。それどころか店舗全体が真っ白の状態であり、開店を2週間後に控えているようには見えなかった。店舗の窓ガラスはビニールで覆われていたが、隙間から店内を覗くと内装も施されておらず、工事用具などが放置されていた。ちらつく「倒産」の二文字取材に対し、ビッグモーターは「オープンが白紙になったわけではありません。ただし、あくまで予定であり、オープン日が前後することもあります」と回答していたが、今月4日、同社はいわき平塩店に関する情報をHPからすべて削除した。同社は同様に、11月にオープン予定であった大垣店に関する情報もHPから削除している。5日に改めて同社に確認したが、「ご指摘の2店舗の開業につきましては、被害にあわれたお客様対応やステークホルダーの皆様の対応を優先するべく、出店を白紙にすることとなりました」と開業白紙を認めた。ビッグモーターはこれまで店舗を拡大するビジネスモデルで成長を遂げてきたが、相次ぐ問題を受けて急速に顧客離れが進み、売り上げが大幅に落ち込んでいる。8月半ばには借入金90億円の借り換え要請を取引先の銀行団に拒否されていたことが判明。内部留保に余裕があるとされ、直ちに資金繰りが行き詰まる状況ではないものの、現金確保のためにオークションに在庫を大量出品しているという話もある。厳しい経営状況を受け、大府店(愛知県大府市)、四日市日永店(三重県四日市市)、高知店(高知県高知市)、宮崎神宮店(宮崎県宮崎市)の計4店舗が8月末に閉鎖され、近隣の店舗に統合されたことも判明している。「買い取り台数6年連続日本一」と大々的にアピールしていた状況から一転、「倒産」の二文字も見えてきたが、新店舗の開業白紙はその前触れなのだろうか。・・・・・さらに関連記事『ビッグモーター、子会社のオークション会場に「出品中古車」大量増加のナゾ』では、いま起きている“もうひとつの異変”について、詳しく説明しています。
9月16日にオープン予定だったいわき平塩店
記者は9月1日に現地を訪れていた。ビッグモーターの店舗といえば、青い看板に「BIG」の文字が目印だが、同店の看板は真っ白のまま。それどころか店舗全体が真っ白の状態であり、開店を2週間後に控えているようには見えなかった。
店舗の窓ガラスはビニールで覆われていたが、隙間から店内を覗くと内装も施されておらず、工事用具などが放置されていた。
取材に対し、ビッグモーターは「オープンが白紙になったわけではありません。ただし、あくまで予定であり、オープン日が前後することもあります」と回答していたが、今月4日、同社はいわき平塩店に関する情報をHPからすべて削除した。
同社は同様に、11月にオープン予定であった大垣店に関する情報もHPから削除している。
5日に改めて同社に確認したが、「ご指摘の2店舗の開業につきましては、被害にあわれたお客様対応やステークホルダーの皆様の対応を優先するべく、出店を白紙にすることとなりました」と開業白紙を認めた。
ビッグモーターはこれまで店舗を拡大するビジネスモデルで成長を遂げてきたが、相次ぐ問題を受けて急速に顧客離れが進み、売り上げが大幅に落ち込んでいる。
8月半ばには借入金90億円の借り換え要請を取引先の銀行団に拒否されていたことが判明。内部留保に余裕があるとされ、直ちに資金繰りが行き詰まる状況ではないものの、現金確保のためにオークションに在庫を大量出品しているという話もある。
厳しい経営状況を受け、大府店(愛知県大府市)、四日市日永店(三重県四日市市)、高知店(高知県高知市)、宮崎神宮店(宮崎県宮崎市)の計4店舗が8月末に閉鎖され、近隣の店舗に統合されたことも判明している。
「買い取り台数6年連続日本一」と大々的にアピールしていた状況から一転、「倒産」の二文字も見えてきたが、新店舗の開業白紙はその前触れなのだろうか。
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さらに関連記事『ビッグモーター、子会社のオークション会場に「出品中古車」大量増加のナゾ』では、いま起きている“もうひとつの異変”について、詳しく説明しています。