給食の提供などを行っている広島市中区の「ホーユー」が事業を停止した影響で、学校現場などに混乱が広がっている。
広島県立三次高校では6日、寮生60人のうち、昼食が必要な55人の弁当を、約2キロ離れた仕出し店から教職員が車で運んだ。弁当の予算は400円。エビフライやコロッケ、サラダなどが入った弁当を食べた2年の女子生徒(17)は「弁当は嫌ではないが、調理員さんが作ってくれた料理もおいしかった。以前のような料理に戻ってほしい」と話した。
三次高校では1日朝に問題が判明し、それ以降昼と夕は仕出しの弁当、朝は教職員が購入したパンなどを寮生に届けている。佐藤隆吉校長は、「経営の厳しさはあったのだろうが、業者には生徒のために事前に報告がほしかった」と話した。
京都府南丹市の京都府立農芸高校では5日から同社による食事の提供が中止され、弁当を仕入れてしのいでいる。担当者は「3食提供される安心感があるからこその寮なのに」と話す。
徳島、香川両県警の警察学校でも食事の提供が止まっている。当面弁当で対応した上で、新たな業者を探すという香川県警の担当者は「全国的にこうした状況だと、業者の確保にも苦労しそうだ」と話す。
支援も始まっている。神石高原町は6日、食事提供が停止している町内の県立油木高校の寮生約20人に、町内の私立学校やレストランなどから支援の申し出があり、食事を提供してもらうことになったと発表した。