東証プライム上場の大手住宅メーカー「タマホーム」に勤務していた30代の営業マンが、顧客から振り込まれた約6000万円の代金を横領していたことが「週刊文春」の取材で分かった。
【画像】CM撮影でサンバを踊りまくっている松平健(69)問題が発生した佐世保営業所 文藝春秋過去には「ワクチン禁止令」も… 1998年に創業したタマホームは「ハッピーライフ、ハッピーホーム」の広告とともに、安価な戸建て販売を柱として急成長。2023年5月期の連結売上高は2560億円(前期比6.4%増)。全国に支店を展開し、連結で従業員3329人(5月末時点)を抱える。

「週刊文春」はこれまでそんなタマホームに関する様々な問題を報じてきた。 2021年、コロナ禍の真っただ中。創業者の長男で2代目の玉木伸弥社長(44)の意向で、社員たちに「ワクチン禁止令」が言い渡されていたのは既報のとおり。玉木社長は社内向け動画でこう語っていた。「新型コロナウイルスは、マイコプラズマの菌にエボラとエイズの菌を混ぜて作ったウイルスだと言われております」 さらに、取締役や支店長ら幹部数十人が<自己啓発セミナー#GoToデリバリー>と称するLINEグループを結成。「社長のご紹介」として性風俗店の利用を推奨していた実態も明らかになっている。事件を起こしたのは「トップ級のセールスマン」 そして今回、新たに発覚したのが社員による巨額の横領事件だ。 大金を懐に入れたのは、長崎県の佐世保営業所に勤めていた男性営業マンX氏(35)。妻子のある身で、「新卒からタマホーム一筋。営業成績の良いトップ級のセールスマン」(タマホーム関係者)だったという。「春先から会社が調査を開始したところ、Xが8人の顧客の支払いからそれぞれ500万~1000万円ほどを着服していたとわかった。その後、会社とXは返済に向けた合意書を交わし、佐世保公証役場に公正証書として提出しています」(同前) その公正証書の写しを小誌は入手。6月26日付で11ページに渡る内容だ。債権者はタマホームで、債務者はX氏、その父親が連帯保証人。〈Xは合計金6002万4539円を詐取・着服するという不法行為により、会社に損害を負わせた〉と横領の認定がされている。 一体、何にカネを使っていたのか。横領した社員を直撃すると…「Xは佐世保の街で飲み歩き、後輩にキャバクラをおごることもあった。他にも以前からの借金や、ギャンブルを含む遊興費があったようです」(同前) タマホームは7月、X氏を懲戒解雇。だが、2カ月が経った今も、同社は元社員による巨額横領の事実を公表していない。別のタマホーム関係者が語る。「法令順守を重視するプライム上場の大企業なら表立って説明すべき事案ですが、タマホームは事案を『隠蔽』している。会社側の管理体制に瑕疵がなかったのかを突っ込まれたり、類似事案の有無などに話が及ぶのも避けたい。立件されればニュースになりえるので、刑事告発もせず内々に済ませたいのでしょう」 X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。 現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)
問題が発生した佐世保営業所 文藝春秋
1998年に創業したタマホームは「ハッピーライフ、ハッピーホーム」の広告とともに、安価な戸建て販売を柱として急成長。2023年5月期の連結売上高は2560億円(前期比6.4%増)。全国に支店を展開し、連結で従業員3329人(5月末時点)を抱える。
「週刊文春」はこれまでそんなタマホームに関する様々な問題を報じてきた。
2021年、コロナ禍の真っただ中。創業者の長男で2代目の玉木伸弥社長(44)の意向で、社員たちに「ワクチン禁止令」が言い渡されていたのは既報のとおり。玉木社長は社内向け動画でこう語っていた。
「新型コロナウイルスは、マイコプラズマの菌にエボラとエイズの菌を混ぜて作ったウイルスだと言われております」 さらに、取締役や支店長ら幹部数十人が<自己啓発セミナー#GoToデリバリー>と称するLINEグループを結成。「社長のご紹介」として性風俗店の利用を推奨していた実態も明らかになっている。事件を起こしたのは「トップ級のセールスマン」 そして今回、新たに発覚したのが社員による巨額の横領事件だ。 大金を懐に入れたのは、長崎県の佐世保営業所に勤めていた男性営業マンX氏(35)。妻子のある身で、「新卒からタマホーム一筋。営業成績の良いトップ級のセールスマン」(タマホーム関係者)だったという。「春先から会社が調査を開始したところ、Xが8人の顧客の支払いからそれぞれ500万~1000万円ほどを着服していたとわかった。その後、会社とXは返済に向けた合意書を交わし、佐世保公証役場に公正証書として提出しています」(同前) その公正証書の写しを小誌は入手。6月26日付で11ページに渡る内容だ。債権者はタマホームで、債務者はX氏、その父親が連帯保証人。〈Xは合計金6002万4539円を詐取・着服するという不法行為により、会社に損害を負わせた〉と横領の認定がされている。 一体、何にカネを使っていたのか。横領した社員を直撃すると…「Xは佐世保の街で飲み歩き、後輩にキャバクラをおごることもあった。他にも以前からの借金や、ギャンブルを含む遊興費があったようです」(同前) タマホームは7月、X氏を懲戒解雇。だが、2カ月が経った今も、同社は元社員による巨額横領の事実を公表していない。別のタマホーム関係者が語る。「法令順守を重視するプライム上場の大企業なら表立って説明すべき事案ですが、タマホームは事案を『隠蔽』している。会社側の管理体制に瑕疵がなかったのかを突っ込まれたり、類似事案の有無などに話が及ぶのも避けたい。立件されればニュースになりえるので、刑事告発もせず内々に済ませたいのでしょう」 X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。 現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)
「新型コロナウイルスは、マイコプラズマの菌にエボラとエイズの菌を混ぜて作ったウイルスだと言われております」
さらに、取締役や支店長ら幹部数十人が<自己啓発セミナー#GoToデリバリー>と称するLINEグループを結成。「社長のご紹介」として性風俗店の利用を推奨していた実態も明らかになっている。
事件を起こしたのは「トップ級のセールスマン」 そして今回、新たに発覚したのが社員による巨額の横領事件だ。 大金を懐に入れたのは、長崎県の佐世保営業所に勤めていた男性営業マンX氏(35)。妻子のある身で、「新卒からタマホーム一筋。営業成績の良いトップ級のセールスマン」(タマホーム関係者)だったという。「春先から会社が調査を開始したところ、Xが8人の顧客の支払いからそれぞれ500万~1000万円ほどを着服していたとわかった。その後、会社とXは返済に向けた合意書を交わし、佐世保公証役場に公正証書として提出しています」(同前) その公正証書の写しを小誌は入手。6月26日付で11ページに渡る内容だ。債権者はタマホームで、債務者はX氏、その父親が連帯保証人。〈Xは合計金6002万4539円を詐取・着服するという不法行為により、会社に損害を負わせた〉と横領の認定がされている。 一体、何にカネを使っていたのか。横領した社員を直撃すると…「Xは佐世保の街で飲み歩き、後輩にキャバクラをおごることもあった。他にも以前からの借金や、ギャンブルを含む遊興費があったようです」(同前) タマホームは7月、X氏を懲戒解雇。だが、2カ月が経った今も、同社は元社員による巨額横領の事実を公表していない。別のタマホーム関係者が語る。「法令順守を重視するプライム上場の大企業なら表立って説明すべき事案ですが、タマホームは事案を『隠蔽』している。会社側の管理体制に瑕疵がなかったのかを突っ込まれたり、類似事案の有無などに話が及ぶのも避けたい。立件されればニュースになりえるので、刑事告発もせず内々に済ませたいのでしょう」 X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。 現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)
そして今回、新たに発覚したのが社員による巨額の横領事件だ。
大金を懐に入れたのは、長崎県の佐世保営業所に勤めていた男性営業マンX氏(35)。妻子のある身で、「新卒からタマホーム一筋。営業成績の良いトップ級のセールスマン」(タマホーム関係者)だったという。
「春先から会社が調査を開始したところ、Xが8人の顧客の支払いからそれぞれ500万~1000万円ほどを着服していたとわかった。その後、会社とXは返済に向けた合意書を交わし、佐世保公証役場に公正証書として提出しています」(同前)
その公正証書の写しを小誌は入手。6月26日付で11ページに渡る内容だ。債権者はタマホームで、債務者はX氏、その父親が連帯保証人。〈Xは合計金6002万4539円を詐取・着服するという不法行為により、会社に損害を負わせた〉と横領の認定がされている。
一体、何にカネを使っていたのか。横領した社員を直撃すると…「Xは佐世保の街で飲み歩き、後輩にキャバクラをおごることもあった。他にも以前からの借金や、ギャンブルを含む遊興費があったようです」(同前) タマホームは7月、X氏を懲戒解雇。だが、2カ月が経った今も、同社は元社員による巨額横領の事実を公表していない。別のタマホーム関係者が語る。「法令順守を重視するプライム上場の大企業なら表立って説明すべき事案ですが、タマホームは事案を『隠蔽』している。会社側の管理体制に瑕疵がなかったのかを突っ込まれたり、類似事案の有無などに話が及ぶのも避けたい。立件されればニュースになりえるので、刑事告発もせず内々に済ませたいのでしょう」 X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。 現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)
一体、何にカネを使っていたのか。
「Xは佐世保の街で飲み歩き、後輩にキャバクラをおごることもあった。他にも以前からの借金や、ギャンブルを含む遊興費があったようです」(同前)
タマホームは7月、X氏を懲戒解雇。だが、2カ月が経った今も、同社は元社員による巨額横領の事実を公表していない。別のタマホーム関係者が語る。
「法令順守を重視するプライム上場の大企業なら表立って説明すべき事案ですが、タマホームは事案を『隠蔽』している。会社側の管理体制に瑕疵がなかったのかを突っ込まれたり、類似事案の有無などに話が及ぶのも避けたい。立件されればニュースになりえるので、刑事告発もせず内々に済ませたいのでしょう」
X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。 現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)
X氏を直撃すると、横領の事実を認めた上で、「闇金融に借金をしていました……。数百万円を借りたら、利息が数千万円になってしまった」などと語った。一方、タマホームには事実関係を尋ねる質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。
現在配信中の「週刊文春電子版」では、X氏による巨額横領の詳しいスキーム、交わされた公正証書の内容、X氏を待ち受ける6000万円返済の“33年ローン地獄”、X氏との詳しい一問一答を報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)