日本大学アメリカンフットボール部に浮上した薬物所持疑惑。先月19日には、警視庁が乾燥大麻だけでなく、覚醒剤の成分を含んだ錠剤を押収し、鑑定していたことが分かった。
“日大のドン”が書き残した「田中メモ」の中身 スポーツ界・政界の面々はビクビク 同庁薬物銃器対策課は3日、アメフト部の学生寮(東京都中野区)を大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の疑いで家宅捜索。5年前、「悪質タックル」が社会問題化した名門「日大フェニックス」に再び衝撃が走った。 薬物を所持していたとみられるアメフト関係者は1人で、大麻であることは認識していたが、錠剤については「覚醒剤とは知らずに受け取った」と話しているという。

事の発端は「日大のアメフト部員が寮内で大麻を吸っている」という保護者からの一通の手紙だった。大学側が先月19日、部員立ち会いの下、寮を調べたところ、タレコミ通り、部員(21)が使用しているロッカーから植物片と錠剤2錠が見つかり、警察に相談した。「情報提供は関東学生アメリカンフットボール連盟にも寄せられていた。大学側は急きょ、全体練習を中止し、6月末以降、全部員をはじめ、退部者や監督、コーチらに聞き取り調査を行った。薬物が見つかったことを受け、先月22日には、保護者説明会を開催しています」(アメフト関係者)■大麻や錠剤、小分けの袋でロッカーに保管 寮内で違法薬物は小分けの袋に入れられ、ロッカーに保管されていた。 警視庁薬物銃器対策課は、このロッカーを使っていたとみられる部員から詳しい事情を聴くとともに、入手経路の特定などを急いでいる。 捜査関係者によると、覚醒剤の錠剤と乾燥大麻は7月上旬、大学関係者が部員を立ち会わせて調べた際、ロッカーの中から見つかった。それぞれ、「パケ」と呼ばれる小分けの袋に入っており、乾燥大麻はごく少量が残っていたという。 それにしても不可解なのは、林真理子理事長(69)が2日、「それはあり得ません。違法な薬物が寮にあったということは確認されていません。そういうことは一切ございません」と強い口調で否定していたことだ。 さらに違法薬物が確認された場合は「会見を開いて対応する」「何か分かりましたら速やかに何の隠し立てもせず、お話しも致します」と言っていたが、日刊ゲンダイが3日午後、日大広報課に確認したところ、「現時点では会見は予定しておりません」(担当者)と回答した。先月「膿は出し切った」と話していたが… 林理事長は薬物疑惑について「7月、保護者からの手紙で知った」と明かしたが、それが事実なら、大学が6月末、大がかりな聞き取り調査を行っていたことさえ、知らされていなかったのか。 日大関係者がこう言う。「職員は皆、薬物が見つかったことを知っていたのに、理事長だけ知らなかったのでしょうか。田中英寿元理事長時代は、総務、財務、人事、管財を4人の常務理事が担当していましたが、今は2人の常務理事が兼務して4部門を担当している。そのため業務が滞り、混乱を招くこともあった。林理事長に正確な情報が上がっていない可能性も十分考えられます。就任当初から、『一部の側近職員の意向に左右されかねない』という危惧もあった」 林理事長は先月、就任1年の会見で、「後始末に明け暮れる1年だった。すべての膿を出し切った」と語っていたが、一度腐った体質を変えるのは容易ではない。
同庁薬物銃器対策課は3日、アメフト部の学生寮(東京都中野区)を大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の疑いで家宅捜索。5年前、「悪質タックル」が社会問題化した名門「日大フェニックス」に再び衝撃が走った。
薬物を所持していたとみられるアメフト関係者は1人で、大麻であることは認識していたが、錠剤については「覚醒剤とは知らずに受け取った」と話しているという。
事の発端は「日大のアメフト部員が寮内で大麻を吸っている」という保護者からの一通の手紙だった。大学側が先月19日、部員立ち会いの下、寮を調べたところ、タレコミ通り、部員(21)が使用しているロッカーから植物片と錠剤2錠が見つかり、警察に相談した。
「情報提供は関東学生アメリカンフットボール連盟にも寄せられていた。大学側は急きょ、全体練習を中止し、6月末以降、全部員をはじめ、退部者や監督、コーチらに聞き取り調査を行った。薬物が見つかったことを受け、先月22日には、保護者説明会を開催しています」(アメフト関係者)
■大麻や錠剤、小分けの袋でロッカーに保管
寮内で違法薬物は小分けの袋に入れられ、ロッカーに保管されていた。
警視庁薬物銃器対策課は、このロッカーを使っていたとみられる部員から詳しい事情を聴くとともに、入手経路の特定などを急いでいる。
捜査関係者によると、覚醒剤の錠剤と乾燥大麻は7月上旬、大学関係者が部員を立ち会わせて調べた際、ロッカーの中から見つかった。それぞれ、「パケ」と呼ばれる小分けの袋に入っており、乾燥大麻はごく少量が残っていたという。
それにしても不可解なのは、林真理子理事長(69)が2日、「それはあり得ません。違法な薬物が寮にあったということは確認されていません。そういうことは一切ございません」と強い口調で否定していたことだ。
さらに違法薬物が確認された場合は「会見を開いて対応する」「何か分かりましたら速やかに何の隠し立てもせず、お話しも致します」と言っていたが、日刊ゲンダイが3日午後、日大広報課に確認したところ、「現時点では会見は予定しておりません」(担当者)と回答した。
林理事長は薬物疑惑について「7月、保護者からの手紙で知った」と明かしたが、それが事実なら、大学が6月末、大がかりな聞き取り調査を行っていたことさえ、知らされていなかったのか。
日大関係者がこう言う。
「職員は皆、薬物が見つかったことを知っていたのに、理事長だけ知らなかったのでしょうか。田中英寿元理事長時代は、総務、財務、人事、管財を4人の常務理事が担当していましたが、今は2人の常務理事が兼務して4部門を担当している。そのため業務が滞り、混乱を招くこともあった。林理事長に正確な情報が上がっていない可能性も十分考えられます。就任当初から、『一部の側近職員の意向に左右されかねない』という危惧もあった」
林理事長は先月、就任1年の会見で、「後始末に明け暮れる1年だった。すべての膿を出し切った」と語っていたが、一度腐った体質を変えるのは容易ではない。