日本大学アメリカンフットボール部の寮で違法薬物が見つかった事件で、警視庁は5日、この寮に住む部員の男(21)を大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の両容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、警視庁には昨年以降、部員による大麻所持の情報が寄せられ、大学側に対応を求めていた。部員の男は逮捕前の調べに「大麻はもらったものだ」と説明しており、警視庁が入手経路を調べる。
警視庁幹部によると、男は7月6日、東京都中野区にある同部の学生寮で、乾燥大麻約0・02グラムと、覚醒剤約0・2グラムをそれぞれ所持した疑い。男の氏名は発表されていない。
捜査関係者によると、部員が寮で大麻を使用しているとの情報に基づき、大学側が7月6日に寮を調べたところ、男が使っていた部屋にある鍵付きの収納箱から植物片と錠剤のかけらが見つかった。大麻は袋に入っていた。
大学側は同18日夜まで警視庁に連絡していなかった。その後の警視庁の鑑定で、植物片は乾燥大麻と確認され、錠剤から覚醒剤の成分が検出された。警視庁は今月3日に寮を捜索し、大学関係者から事情を聞いて経緯を確認していた。
日大アメフト部では2018年、選手が試合中に相手選手に危険なタックルをして負傷させたとして一時公式戦出場停止となった。21年には田中英寿・元理事長が所得税法違反容疑で逮捕された。昨年7月に作家の林真理子氏が理事長に就き、組織改革に取り組んでいた。
今回の事件を受け、日大は8日に林理事長らが記者会見を行うとしている。