北海道で地中から水蒸気が噴出して、7月4日で6日目。発生当日には、現場敷地内にいた人が硫化水素中毒で入院していたことがわかった。
現場は、北海道札幌市から車で約2時間の場所にある蘭越町のニセコ湯本温泉付近。
6月29日、地熱発電の調査で掘削作業をしている際、大量の水蒸気が吹き上がった。
掘削調査を行っていた三井石油開発によると、水蒸気には硫化水素が含まれ、発生当日、配送のため敷地内を訪れていた人が、硫化水素中毒で翌日まで入院していたことが新たにわかった。
敷地内では実際、硫化水素が検出されているが、その周辺の一般の人が立ち入りできる範囲ではこれまで、硫化水素は検出されていないという。
一方で大きな影響を受けているのが、付近を流れる川。
水柱付近の川に行くと、普段透明の川の水が真っ白になっていた。
水柱の周辺を空から見た映像では、周辺の木々が白くなっているのが確認できる。
三井石油開発によると、水蒸気には石英を主成分とする地下由来の鉱物が含まれていて、その影響により、本来は透き通っている川の水が白く濁ってしまったという。
人体に影響はないとしているが、現在、水質や土壌への影響を調べている。
頭を抱えているのは、川の水を使用している農家の人たち。現場周辺の農家は「状況が分からない限りは、さすがにこの水は使えないので…。良いも悪いも分からないというのが、僕らとしては一番困っています」と話す。
町は周辺の農家に水を使わないよう呼び掛けるとともに、消防のポンプ車でため池などへの給水を行っている。
しかし、トマトやメロンを栽培する農家は、水の供給量が十分ではないとし、「実際問題、こういう天気の良い日だと、ちょっと水の量が足りないので、そもそもが健全な生育ができなくて、収穫量減というのは免れない」と困った表情を見せた。
4日午後7時から住民への説明会が開かれる予定で、水質などの調査結果は5日にも出る見通しだ。
(「イット!」 7月4日放送より)