静岡県の川勝知事が過去の失言により返上するとしていた一部給与とボーナスについて、3日公開された知事の所得等報告書で満額支給されていたことが分かり、5日の県議会で批判が相次いだ。
知事は2021年の参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説中に御殿場市を「コシヒカリしかない」などとやゆするような発言をし、同年11月の県議会で辞職勧告が議決されたことを受け、12月の給与と冬のボーナスの全額計約440万円を受け取らない考えを示していた。ただ、返納するための新たな条例案は、議会との調整が不調でこれまで提出されてこなかった。
これについて、5日の県議会総務委員会では質問が相次いだ。自民改革会議の河原崎聖県議は「このまま終わらせてはいけない。率先して知事が身を処すべきだ」とただした。
県の川口茂則秘書課長は「(返上しないのは)知事が熟慮を重ね、公人としての職責を果たすとの思いに至ったからだ」などと答弁した。