全国各地で既に猛暑日が観測され、熱中症による搬送も相次ぐ今夏、麦茶飲料は強い味方になりそうだ。
国内市場トップの伊藤園は、主力商品「健康ミネラルむぎ茶」が「世界で最も飲まれている麦茶飲料」としてギネス世界記録に認定されたと発表。インバウンドからの需要も高いといい、世界へ広まるか注目される。
健康ミネラルむぎ茶は昭和63年に発売。当初は缶入りだけだったが、ペットボトル入りやティーバッグなどバリエーションを増やしていった。ブランドマネジャーの黒岡雅康さんは「麦茶の味は日本人のDNAに刻み込まれている。原料である麦の調達や焙煎加工、抽出にこだわるだけでなく、容器などに合わせて味の濃度も変えている」と明かす。
伊藤園によると、麦茶飲料の国内市場規模は、令和4年に10年前の平成24年の2・7倍の1230億円に成長した。訪日観光客(インバウンド)からも需要があり、黒岡さんは「中国人観光客はティーバッグを爆買いしている」と説明。「麦は人類が最も慣れ親しむ植物。日本を代表する茶系飲料として世界に発信していきたい」と意気込んでいる。(宇野貴文)