真っ赤なパッケージでおなじみの、韓国のインスタントラーメン“辛ラーメン”。日本でもファンが多い人気商品。
現地メディアによると、韓国政府からの値下げ要請を受け、辛ラーメンを手がける食品大手「農心」が、7月から辛ラーメンの卸値を4.5%引き下げた。
農心がインスタント麺の卸値を引き下げるのは、2010年以来、およそ13年ぶり。
韓国・ソウル駅近くにある大型スーパーマーケットを取材した。
ソウルの大型スーパーマーケットには、辛ラーメンの特設コーナーがあり、値下げされた価格は、5食分で3,900ウォン、日本円では1食あたり90円を切っている。
商品棚に、ずらりと並んだ辛ラーメン。日本円で1袋あたり5円から6円の値下げだということだが、消費者は、どう受け止めているのか。
ソウル市民(80代)「庶民からすると、ありがたい便りです」ソウル市民(20代)「(1食あたり)50ウォン値下げしたと聞いても、正直それくらいでは、あまり実感できない」
メーカーが値下げに踏み切ったきっかけは、韓国政府の「製品の価格を適正な価格に下げてほしい」という呼びかけだった。
インスタントラーメンの価格を決める重要な要素の1つが、原料の小麦価格。
ロシアのウクライナ侵攻による影響もあって、当初は暴騰していたものの、現在は下がっている。
ソウル市民(20代)「(政府が)企業に圧力をかけた形だが、そのような動きも悪くない」ソウル市民(70代)「とにかく経済全体が安定しないと、物価(だけ下げる)よりも」
辛ラーメンの値下げを受け、競合する他社も値下げを実施。今回の農心が行った値下げによって消費者が受ける恩恵は、年間200億ウォン、およそ22億円以上にのぼるという。
一方、辛ラーメンを扱う東京都内の韓国ショップ数店に、番組が電話取材したところ、今のところ影響はないという。