れいわ新選組の櫛渕万里衆院議員が1日、10日間の登院停止の懲罰となった。衆院での懲罰は16年ぶりで、れいわの山本太郎代表は「狂っている」と懲罰に怒りを見せ、中でも立憲民主党には自身で首を絞めたと断罪した。
櫛渕氏は本会議場で「与党も野党も茶番」と書かれた紙を掲げた行為が問題視された。れいわの大石晃子衆院議員が同様の行為で議運委員長から厳重注意を受けていた直後で、会派として連帯責任を問われた形だが、除名に次ぐ重い懲罰に櫛渕氏は「過去にこういったことがあったのか」と驚きを隠せない。
3月にガーシー(東谷義和)容疑者が参院議員を除名となり、衆参通じて72年ぶりの事例となった。れいわは2月に「議場での陳謝」の懲罰が出た時点で「大きな政党間の恣意的な運用で、気に入らない議員や党を処分、排除などを行える入り口となる」と危惧し、採決の棄権を表明していたが、現実になったともいえる。
立民の対応にも山本氏はあきれている。本会議では自民、公明、維新、国民などの賛成多数で議決したが、懲罰動議を出していた立民は最も軽い「戒告」が妥当として、共産党とともに反対に回っていた。山本氏は前日の街頭演説で立民の対応をDV男性に例え、「殴った後に愛してると言っているようなもの」と痛烈に批判。1日の会見では「(重い懲罰で野党は)自分たちの手足を縛った。マヌケもいいところ。本会議や委員会で体を張る行為を捨てる宣言で、より都合の良い野党になる」と嘆いた。
これまで野党は本会議場や委員長室前に議員が封鎖するピケや牛歩など、世論喚起や議事進行を遅らせる戦術を用いてきたが今回紙を掲げただけで登院停止の前例を作ってしまったことで今後は抵抗する手段が限定されることになる。
与党を利する立民の動きは今に始まったことではないため、れいわは「与党も野党も茶番」と喝破したが、今回の懲罰劇でも証明する形となったようだ。