台風2号と梅雨前線の影響による記録的な大雨は、3日も東海や関東などで続いた。
大雨に見舞われた地域では浸水が相次ぎ、一時孤立状態になった病院もあった。住宅からボートで避難した人もおり、住民らは疲労をにじませた。
愛知県豊川市小坂井町では、国道151号の周辺が広範囲に冠水した。総合青山病院は2日夜、1階部分が水につかったが、付近で立ち往生した車の運転手や外来患者の避難を受け入れ、非常食を提供した。
入院患者への影響はなかったといい、鈴木亜紀事務長(50)は「院内まで水が入るとは思わなかった。孤立状態となったが、職員全員で力を合わせて乗り切ることができた」と話した。
静岡県沼津市大岡のきせがわ病院では、1階のリハビリ施設利用者を帰した後の2日夕方、近くを流れる川からあふれた水が建物に押し寄せ、約1・5メートルの高さまで浸水した。
窓ガラスは割れ、リハビリに使う機器や椅子などが水につかって散乱。3日早朝から職員と地元住民らが水をかき出し、機器などを外へ運び出した。再開のめどは立っておらず、塩田美佐代看護・介護統括局長は「高齢者が毎日利用している施設なので、早く復旧させたい」と話した。
川や沼に挟まれた低地の茨城県取手市双葉地区は3日未明、近くの用水路から水が流れ込み、住宅が密集する一帯が冠水した。床上、床下浸水はそれぞれ18軒に及んだ。
日中になっても水は引かず、住宅2階に避難した人や、膝までつかりながら冠水した道路を歩く人の姿も見られた。同市消防本部はボートで住民を救助し、避難所に運んだ。自宅が床上浸水した女性(88)は「水が引くのを待つしかない」とため息をついた。