主要7カ国首脳会議(G7サミット)は20日、首脳宣言を発表した。宣言では、中国に対応するためのG7共通の原則などを盛り込んだほか、核軍縮について「現実的かつ実践的な方法で核兵器のない世界を実現することに関与する」と強調した。サミットは21日に閉幕するが、閉幕前日に首脳宣言を出すのは異例。
中国・中央アジアサミット 習氏が「運命共同体」宣言 G7に対抗 21日には、ウクライナのゼレンスキー大統領が参加する討議が予定されている。G7としての討議がほぼ終わったこともあり、宣言への関心が低くなるのを避けるため前倒しで発表したとみられる。

20日は、午後の討議からオーストラリア、ブラジル、コモロ、クック諸島、インド、インドネシア、韓国、ベトナムの首脳も参加。宣言では、「パートナーと協力し包摂的かつ強靱(きょうじん)な世界を実現する」として、グローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国と連携することを強調した。 一方、中国について分量を割き、G7各国の対中政策が「中国に危害を加えることを意図したものでも、経済的発展を妨げるものでもない」と強調。中国に直接懸念を伝えることの重要性を強調した一方で、「世界的な課題や共通の関心事については協力することが必要」と明記した。 中国が軍事的圧力を強める台湾海峡については、「平和と安定が国際社会の繁栄に不可欠」との認識を再確認。「両岸問題の平和的解決」を促し、「一つの中国」政策を含め中台関係に関するG7各国の基本的立場に変更はないとした。東シナ海・南シナ海での海洋進出については「深刻な懸念」を表明した。 重要物資のサプライチェーン(供給網)でも中国への「過度な依存を低減する」ことで合意。関係を絶つ「デカップリング(切り離し)」ではなく、リスクを減らすよう管理する「デリスキング(リスクの軽減)」に基づいて対応する方針を表明した。 経済安全保障の強化に向け、中国やロシアを念頭に、経済力を背景に貿易などを制限する「経済的威圧」に一致して対抗する方針も表明。「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」を設立して対策を急ぐほか、重要物資の供給網強化のため「パートナーとの協力をさらに進める」とした。 ロシアによるウクライナ侵攻については「最も強い言葉で非難」し、ウクライナに対する「揺るぎない支援」を改めて表明。「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」の重要性や「力による一方的な現状変更の試みに強く反対する」ことも再確認した。 このほか、「チャットGPT」に代表される生成型の人工知能(AI)について、ルール作りに向けた検討などを始める方針を表明。気候変動対策では、二酸化炭素(CO2)の排出削減対策が取られていない化石燃料の段階的廃止に合意、新たに天然ガスも廃止対象に含める。 ジェンダー平等では、女性や性的少数者ら「すべての人々が性自認や表現、性的指向に関係無く暴力や差別から解放された生活を享受できる社会を実現する」と明記した。【遠藤修平、岡村崇、岡田英】
21日には、ウクライナのゼレンスキー大統領が参加する討議が予定されている。G7としての討議がほぼ終わったこともあり、宣言への関心が低くなるのを避けるため前倒しで発表したとみられる。
20日は、午後の討議からオーストラリア、ブラジル、コモロ、クック諸島、インド、インドネシア、韓国、ベトナムの首脳も参加。宣言では、「パートナーと協力し包摂的かつ強靱(きょうじん)な世界を実現する」として、グローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国と連携することを強調した。
一方、中国について分量を割き、G7各国の対中政策が「中国に危害を加えることを意図したものでも、経済的発展を妨げるものでもない」と強調。中国に直接懸念を伝えることの重要性を強調した一方で、「世界的な課題や共通の関心事については協力することが必要」と明記した。
中国が軍事的圧力を強める台湾海峡については、「平和と安定が国際社会の繁栄に不可欠」との認識を再確認。「両岸問題の平和的解決」を促し、「一つの中国」政策を含め中台関係に関するG7各国の基本的立場に変更はないとした。東シナ海・南シナ海での海洋進出については「深刻な懸念」を表明した。
重要物資のサプライチェーン(供給網)でも中国への「過度な依存を低減する」ことで合意。関係を絶つ「デカップリング(切り離し)」ではなく、リスクを減らすよう管理する「デリスキング(リスクの軽減)」に基づいて対応する方針を表明した。
経済安全保障の強化に向け、中国やロシアを念頭に、経済力を背景に貿易などを制限する「経済的威圧」に一致して対抗する方針も表明。「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」を設立して対策を急ぐほか、重要物資の供給網強化のため「パートナーとの協力をさらに進める」とした。
ロシアによるウクライナ侵攻については「最も強い言葉で非難」し、ウクライナに対する「揺るぎない支援」を改めて表明。「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」の重要性や「力による一方的な現状変更の試みに強く反対する」ことも再確認した。
このほか、「チャットGPT」に代表される生成型の人工知能(AI)について、ルール作りに向けた検討などを始める方針を表明。気候変動対策では、二酸化炭素(CO2)の排出削減対策が取られていない化石燃料の段階的廃止に合意、新たに天然ガスも廃止対象に含める。
ジェンダー平等では、女性や性的少数者ら「すべての人々が性自認や表現、性的指向に関係無く暴力や差別から解放された生活を享受できる社会を実現する」と明記した。【遠藤修平、岡村崇、岡田英】