家賃が300万円を超える賃貸住宅が話題になっている。住友不動産が東京・西新宿に建てた「ラ・トゥール新宿ファースト」で、2023年4月から入居がスタートした。年間4000万円近くもの家賃を払って、どんな人が住むのか。そこまで破格の家賃を設定している賃貸住宅とはどのような仕様、設備、管理サービスなのか。こっそり覗き見させていただいた。
東京・西新宿ある「ラ・トゥール新宿ファースト」
「ラ・トゥール」は高級賃貸住宅の象徴住友不動産が展開する賃貸住宅の「ラ・トゥール」シリーズ。一部の富裕層向けの物件であるためか、一般にはあまり宣伝されておらず広くは知られていないが、知る人ぞ知る、高級賃貸住宅の代名詞ともいうべき存在だ。そもそもは、「200平米以上の広い住まいがほしい」「バイリンガルのコンシェルジュがいる賃貸住宅に住みたい」「都心の利便性の高いエリアにある管理の充実した住まいがいい」といった外国人のニーズに対応して、2000年に東京都港区の芝公園に第1弾が竣工した。それまでは、こうした条件を満たす物件はほとんど存在しなかったこともあり、欧米系大企業の日本法人の代表や役員などの間で評判となり、「ラ・トゥール」シリーズとして本格的に展開することになった。外資系企業の動向に詳しい消息通によると、「そうした高級住宅を用意しないと、優れた人材が日本に来てくれないので、外資系企業は高い家賃を負担してでも借りることになる」という事情もあるらしい。2023年4月現在、東京都心を中心に28棟が竣工、総部屋数は3000室に及んでいる。立地をみると、代官山、広尾、目黒、代々木、六本木、麻布、赤坂などの都心の一等地がほとんどで、大阪、京都、札幌にも進出している。ペントハウスは家賃500万円超この「ラ・トゥール」シリーズのフラッグシップとなっているのが、2010年に竣工した「ラ・トゥール代官山」。東京都渋谷区鴬谷町にあり、渋谷駅や代官山駅の徒歩圏にありながら、閑静な住宅地に広い敷地を有する中層住宅だ。最上階のペントハウスには、専有面積500平米超の部屋があって、竣工時の月額家賃521万円は、それまでの最高だった森ビルの「六本木ヒルズレジデンス」の450万円を上回り、日本一高額といわれた。もちろん、仕様・設備、管理サービスのどれをとっても破格。たとえば、ゲートから建物本体のエントランスまでには50mほどの緑地帯が設けられ、ゲートには24時間門番が立って、外部からの出入りをチェックしている。エントランスにもやはり24時間体制でバイリンガルのコンシェルジュがいて、居住者全員の顔と名前を覚え、居住者以外はすべてチェックして無断では入れないようにしている。来訪者が来たら必ず訪問先の部屋に連絡し、居住者から許可が出れば、その階のみにエレベーターを停止させられるカードを受け取って入館する仕組みで、万全のセキュリティが確保されている。 さらに値上がりしている?500平米超のペントハウスは、玄関だけでも一般的なファミリータイプのマンションの一室ほどの広さがあり、ミーレなどドイツ製の大型家電が整備され、キッチンがふたつあって、有名シェフなどを招いてパーティができるようになっている。すでに竣工から10年以上が経過しているが、ほとんど満室状態で、まれに空室が出てもすぐに埋まってしまい、募集情報が公になることは少ない。住友不動産の担当者によれば、入居者の募集はケン・コーポレーションなど仲介業業者に任せきりというが、年月の経過とともに家賃が下がることはなく、むしろ上がっているのではないか。大型の自家用車を複数台停められるそのなかで新築の「ラ・トゥール新宿ファースト」は、東京都新宿区西新宿5丁目にオープン。JR山手線などの「新宿」駅は徒歩17分、東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅は徒歩7分、東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線「中野坂上」駅は徒歩6分などとなっている。交通アクセスはさほどよくないように感じるが、こうした高級賃貸住宅に住む人たちにとっては、最寄り駅からの徒歩時間はさほど関係ないのかもしれない。なぜなら運転手付きの高級車に乗っている人が多く、比較的若い人のなかには、好みのクルマを2台、3台と所有している人もいる。最寄り駅までかかる時間よりは、ハイルーフの大型の自家用車など複数台を停めることができる駐車場付きの賃貸住宅であることが重要になる。そのため「ラ・トゥール新宿ファースト」では、複数台の駐車場の付いた部屋や、ガレージのクルマを窓から眺めながら生活できる住まいも用意されている。エントランス部分はオフィスビルのようにも見える 新宿エリア初のサービス駐車場の料金は平置きが月に7万5000円、機械式が6万5000円。それだけでも都心近くでワンルームの部屋が借りられるし、郊外ならファミリータイプの住まいを探せるような金額だ。機械式でもヴァレーサービスがついているので、通常の平置きよりラクかもしれない。ヴァレーサービスというのは、帰宅時に車寄せでキーをつけたままクルマから降りると、担当者が駐車場に運んでくれ、外出時にも指定した時間に車寄せに持ってきてくれるサービスのこと。このヴァレーサービスを備えたマンションは、新宿エリアでは初めてだそうだ。また、すべての「ラ・トゥール」シリーズ同様に24時間バイリンガルのコンシェルジュが常駐し、タクシー配車、宅配物の一時預かり(冷蔵・冷凍含む)などに対応してくれる。分譲マンションや賃貸マンションのコンシェルジュは外部からの派遣が多いが、「ラ・トゥール」シリーズのコンシェルジュはすべて住友不動産の社員で、人材教育が行き届いたスタッフが多いのも特徴になっている。ペントハウスは家賃300万円超建物は鉄筋コンクリート造の地上35階建てで、低層階、中層階は商業施設やオフィス。賃貸住宅は19階から35階を占めており、総戸数は170戸だ。平均専有面積は100平米超で、平均賃料は70万円だが、2LDKはおよそ80~150平米、3LDKはおよそ100~170平米で、最上階のペントハウスには300平米超の部屋も設けられている。家賃の目安は、80平米で50万円、110平米で70万円、170平米で130万円、300平米超のペントハウスが300万円超となっている。4月20日から入居がスタートしたが、その時点でほぼ5割の入居希望があったという。まだ半分か、と思うかも知れない。しかし賃貸住宅は完成前の青田での成約は少なく、完成後に実物を見た上で入居を決めるのが一般的だから、竣工時に5割決まっているのは破格の状況であり、それだけニーズが強いということだろう。 内廊下ですら破格の広さ建物には免震構造が採用されている。もともと西新宿は東京都庁をはじめ超高層ビルが数多くあり、東京でも地盤の固いエリアとして知られているが、そのうえ地盤の揺れを吸収する免震構造が採用されているのでなおさら安心感が高まる。低層階のオフィスも天井が高く設定されているので、「ラ・トゥール」のある19階でも平均的な分譲マンションの27階相当の高さがあり、開放的で快適な空間になっている。ホテルのような内廊下なので、外部から人の動きが見られることはなく、プライバシーの確保は万全で、しかもその幅は約3mもある。廊下も破格の広さ各フロアのエレベーターホールも広く、一般的な分譲マンションならファミリータイプの住戸を一部屋確保できるほどゆったりしている。居室内の廊下も、車椅子が「すれ違える」ように1.3mの幅を確保、高級賃貸住宅のなかでも破格の広さを誇っている。庶民には縁のない世界このように、破格の仕様・設備で、管理サービスも格段に充実しているとしても、「家賃が300万円以上もする住まいに入居する人はいないのではないか」と気になるが、住友不動産の担当者によると、決してそんなことはないという。「ほとんどの人は高級分譲マンションなどを所有しています。しかし、分譲マンションで300平米の広さの住居はめったにありませんし、あったとしても数が少ないので簡単に買えません。分譲マンションに飽き足らない人たちが、ラ・トゥールを求めているのです」たとえば、スタートアップで成功した経営者などが家賃を経費で落とすことを前提に借りるケースがあり、そんな人にとって家賃はいくら高くても問題にならない。むしろ不動産業者の立場から見れば、家賃が高いほど経済人、文化人、芸能人など社会的な評価の高い人たちが多く住むようになる。そこに住まないと得られない人脈が形成され、上質な情報が得られるようになり、メリットが大きくなる。庶民には縁のない世界かもしれないが、富裕層にとっては高い家賃を払うだけの価値があるわけだ。とある部屋の中の様子 横浜にも初の「ラ・トゥール」が誕生実際、高級賃貸へのニーズは強く、ケン不動産投資顧問の調査では、2022年度第4四半期の空室率は3.4%にとどまっており、ほとんど満室の状態が続いている。賃料もやはり2022年度第4四半期には初めて坪2万円を超えた。30坪、100平米ほどの住まいで家賃は60万円以上ということだ。そのため、住友不動産としてはまだまだニーズがあると予想しており、今後も積極的な展開を考えている。2023年2月にはラ・トゥール目白御留山が完成し、3月にはこの新宿ファーストが続いたが、2024年春には横浜エリア初のラ・トゥールがみなとみらいに誕生し、2026年には南青山にも竣工する予定だ。そのほかにも、時期は未定だが、渋谷松濤、元麻布などの一等地で計画が進められているそうで、あちこちに「ラ・トゥール」の波が広がりそうだ。
住友不動産が展開する賃貸住宅の「ラ・トゥール」シリーズ。一部の富裕層向けの物件であるためか、一般にはあまり宣伝されておらず広くは知られていないが、知る人ぞ知る、高級賃貸住宅の代名詞ともいうべき存在だ。
そもそもは、「200平米以上の広い住まいがほしい」「バイリンガルのコンシェルジュがいる賃貸住宅に住みたい」「都心の利便性の高いエリアにある管理の充実した住まいがいい」といった外国人のニーズに対応して、2000年に東京都港区の芝公園に第1弾が竣工した。
それまでは、こうした条件を満たす物件はほとんど存在しなかったこともあり、欧米系大企業の日本法人の代表や役員などの間で評判となり、「ラ・トゥール」シリーズとして本格的に展開することになった。
外資系企業の動向に詳しい消息通によると、「そうした高級住宅を用意しないと、優れた人材が日本に来てくれないので、外資系企業は高い家賃を負担してでも借りることになる」という事情もあるらしい。
2023年4月現在、東京都心を中心に28棟が竣工、総部屋数は3000室に及んでいる。立地をみると、代官山、広尾、目黒、代々木、六本木、麻布、赤坂などの都心の一等地がほとんどで、大阪、京都、札幌にも進出している。
この「ラ・トゥール」シリーズのフラッグシップとなっているのが、2010年に竣工した「ラ・トゥール代官山」。東京都渋谷区鴬谷町にあり、渋谷駅や代官山駅の徒歩圏にありながら、閑静な住宅地に広い敷地を有する中層住宅だ。
最上階のペントハウスには、専有面積500平米超の部屋があって、竣工時の月額家賃521万円は、それまでの最高だった森ビルの「六本木ヒルズレジデンス」の450万円を上回り、日本一高額といわれた。
もちろん、仕様・設備、管理サービスのどれをとっても破格。たとえば、ゲートから建物本体のエントランスまでには50mほどの緑地帯が設けられ、ゲートには24時間門番が立って、外部からの出入りをチェックしている。
エントランスにもやはり24時間体制でバイリンガルのコンシェルジュがいて、居住者全員の顔と名前を覚え、居住者以外はすべてチェックして無断では入れないようにしている。来訪者が来たら必ず訪問先の部屋に連絡し、居住者から許可が出れば、その階のみにエレベーターを停止させられるカードを受け取って入館する仕組みで、万全のセキュリティが確保されている。
さらに値上がりしている?500平米超のペントハウスは、玄関だけでも一般的なファミリータイプのマンションの一室ほどの広さがあり、ミーレなどドイツ製の大型家電が整備され、キッチンがふたつあって、有名シェフなどを招いてパーティができるようになっている。すでに竣工から10年以上が経過しているが、ほとんど満室状態で、まれに空室が出てもすぐに埋まってしまい、募集情報が公になることは少ない。住友不動産の担当者によれば、入居者の募集はケン・コーポレーションなど仲介業業者に任せきりというが、年月の経過とともに家賃が下がることはなく、むしろ上がっているのではないか。大型の自家用車を複数台停められるそのなかで新築の「ラ・トゥール新宿ファースト」は、東京都新宿区西新宿5丁目にオープン。JR山手線などの「新宿」駅は徒歩17分、東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅は徒歩7分、東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線「中野坂上」駅は徒歩6分などとなっている。交通アクセスはさほどよくないように感じるが、こうした高級賃貸住宅に住む人たちにとっては、最寄り駅からの徒歩時間はさほど関係ないのかもしれない。なぜなら運転手付きの高級車に乗っている人が多く、比較的若い人のなかには、好みのクルマを2台、3台と所有している人もいる。最寄り駅までかかる時間よりは、ハイルーフの大型の自家用車など複数台を停めることができる駐車場付きの賃貸住宅であることが重要になる。そのため「ラ・トゥール新宿ファースト」では、複数台の駐車場の付いた部屋や、ガレージのクルマを窓から眺めながら生活できる住まいも用意されている。エントランス部分はオフィスビルのようにも見える 新宿エリア初のサービス駐車場の料金は平置きが月に7万5000円、機械式が6万5000円。それだけでも都心近くでワンルームの部屋が借りられるし、郊外ならファミリータイプの住まいを探せるような金額だ。機械式でもヴァレーサービスがついているので、通常の平置きよりラクかもしれない。ヴァレーサービスというのは、帰宅時に車寄せでキーをつけたままクルマから降りると、担当者が駐車場に運んでくれ、外出時にも指定した時間に車寄せに持ってきてくれるサービスのこと。このヴァレーサービスを備えたマンションは、新宿エリアでは初めてだそうだ。また、すべての「ラ・トゥール」シリーズ同様に24時間バイリンガルのコンシェルジュが常駐し、タクシー配車、宅配物の一時預かり(冷蔵・冷凍含む)などに対応してくれる。分譲マンションや賃貸マンションのコンシェルジュは外部からの派遣が多いが、「ラ・トゥール」シリーズのコンシェルジュはすべて住友不動産の社員で、人材教育が行き届いたスタッフが多いのも特徴になっている。ペントハウスは家賃300万円超建物は鉄筋コンクリート造の地上35階建てで、低層階、中層階は商業施設やオフィス。賃貸住宅は19階から35階を占めており、総戸数は170戸だ。平均専有面積は100平米超で、平均賃料は70万円だが、2LDKはおよそ80~150平米、3LDKはおよそ100~170平米で、最上階のペントハウスには300平米超の部屋も設けられている。家賃の目安は、80平米で50万円、110平米で70万円、170平米で130万円、300平米超のペントハウスが300万円超となっている。4月20日から入居がスタートしたが、その時点でほぼ5割の入居希望があったという。まだ半分か、と思うかも知れない。しかし賃貸住宅は完成前の青田での成約は少なく、完成後に実物を見た上で入居を決めるのが一般的だから、竣工時に5割決まっているのは破格の状況であり、それだけニーズが強いということだろう。 内廊下ですら破格の広さ建物には免震構造が採用されている。もともと西新宿は東京都庁をはじめ超高層ビルが数多くあり、東京でも地盤の固いエリアとして知られているが、そのうえ地盤の揺れを吸収する免震構造が採用されているのでなおさら安心感が高まる。低層階のオフィスも天井が高く設定されているので、「ラ・トゥール」のある19階でも平均的な分譲マンションの27階相当の高さがあり、開放的で快適な空間になっている。ホテルのような内廊下なので、外部から人の動きが見られることはなく、プライバシーの確保は万全で、しかもその幅は約3mもある。廊下も破格の広さ各フロアのエレベーターホールも広く、一般的な分譲マンションならファミリータイプの住戸を一部屋確保できるほどゆったりしている。居室内の廊下も、車椅子が「すれ違える」ように1.3mの幅を確保、高級賃貸住宅のなかでも破格の広さを誇っている。庶民には縁のない世界このように、破格の仕様・設備で、管理サービスも格段に充実しているとしても、「家賃が300万円以上もする住まいに入居する人はいないのではないか」と気になるが、住友不動産の担当者によると、決してそんなことはないという。「ほとんどの人は高級分譲マンションなどを所有しています。しかし、分譲マンションで300平米の広さの住居はめったにありませんし、あったとしても数が少ないので簡単に買えません。分譲マンションに飽き足らない人たちが、ラ・トゥールを求めているのです」たとえば、スタートアップで成功した経営者などが家賃を経費で落とすことを前提に借りるケースがあり、そんな人にとって家賃はいくら高くても問題にならない。むしろ不動産業者の立場から見れば、家賃が高いほど経済人、文化人、芸能人など社会的な評価の高い人たちが多く住むようになる。そこに住まないと得られない人脈が形成され、上質な情報が得られるようになり、メリットが大きくなる。庶民には縁のない世界かもしれないが、富裕層にとっては高い家賃を払うだけの価値があるわけだ。とある部屋の中の様子 横浜にも初の「ラ・トゥール」が誕生実際、高級賃貸へのニーズは強く、ケン不動産投資顧問の調査では、2022年度第4四半期の空室率は3.4%にとどまっており、ほとんど満室の状態が続いている。賃料もやはり2022年度第4四半期には初めて坪2万円を超えた。30坪、100平米ほどの住まいで家賃は60万円以上ということだ。そのため、住友不動産としてはまだまだニーズがあると予想しており、今後も積極的な展開を考えている。2023年2月にはラ・トゥール目白御留山が完成し、3月にはこの新宿ファーストが続いたが、2024年春には横浜エリア初のラ・トゥールがみなとみらいに誕生し、2026年には南青山にも竣工する予定だ。そのほかにも、時期は未定だが、渋谷松濤、元麻布などの一等地で計画が進められているそうで、あちこちに「ラ・トゥール」の波が広がりそうだ。
500平米超のペントハウスは、玄関だけでも一般的なファミリータイプのマンションの一室ほどの広さがあり、ミーレなどドイツ製の大型家電が整備され、キッチンがふたつあって、有名シェフなどを招いてパーティができるようになっている。
すでに竣工から10年以上が経過しているが、ほとんど満室状態で、まれに空室が出てもすぐに埋まってしまい、募集情報が公になることは少ない。
住友不動産の担当者によれば、入居者の募集はケン・コーポレーションなど仲介業業者に任せきりというが、年月の経過とともに家賃が下がることはなく、むしろ上がっているのではないか。
そのなかで新築の「ラ・トゥール新宿ファースト」は、東京都新宿区西新宿5丁目にオープン。JR山手線などの「新宿」駅は徒歩17分、東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅は徒歩7分、東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線「中野坂上」駅は徒歩6分などとなっている。
交通アクセスはさほどよくないように感じるが、こうした高級賃貸住宅に住む人たちにとっては、最寄り駅からの徒歩時間はさほど関係ないのかもしれない。
なぜなら運転手付きの高級車に乗っている人が多く、比較的若い人のなかには、好みのクルマを2台、3台と所有している人もいる。最寄り駅までかかる時間よりは、ハイルーフの大型の自家用車など複数台を停めることができる駐車場付きの賃貸住宅であることが重要になる。
そのため「ラ・トゥール新宿ファースト」では、複数台の駐車場の付いた部屋や、ガレージのクルマを窓から眺めながら生活できる住まいも用意されている。
エントランス部分はオフィスビルのようにも見える
新宿エリア初のサービス駐車場の料金は平置きが月に7万5000円、機械式が6万5000円。それだけでも都心近くでワンルームの部屋が借りられるし、郊外ならファミリータイプの住まいを探せるような金額だ。機械式でもヴァレーサービスがついているので、通常の平置きよりラクかもしれない。ヴァレーサービスというのは、帰宅時に車寄せでキーをつけたままクルマから降りると、担当者が駐車場に運んでくれ、外出時にも指定した時間に車寄せに持ってきてくれるサービスのこと。このヴァレーサービスを備えたマンションは、新宿エリアでは初めてだそうだ。また、すべての「ラ・トゥール」シリーズ同様に24時間バイリンガルのコンシェルジュが常駐し、タクシー配車、宅配物の一時預かり(冷蔵・冷凍含む)などに対応してくれる。分譲マンションや賃貸マンションのコンシェルジュは外部からの派遣が多いが、「ラ・トゥール」シリーズのコンシェルジュはすべて住友不動産の社員で、人材教育が行き届いたスタッフが多いのも特徴になっている。ペントハウスは家賃300万円超建物は鉄筋コンクリート造の地上35階建てで、低層階、中層階は商業施設やオフィス。賃貸住宅は19階から35階を占めており、総戸数は170戸だ。平均専有面積は100平米超で、平均賃料は70万円だが、2LDKはおよそ80~150平米、3LDKはおよそ100~170平米で、最上階のペントハウスには300平米超の部屋も設けられている。家賃の目安は、80平米で50万円、110平米で70万円、170平米で130万円、300平米超のペントハウスが300万円超となっている。4月20日から入居がスタートしたが、その時点でほぼ5割の入居希望があったという。まだ半分か、と思うかも知れない。しかし賃貸住宅は完成前の青田での成約は少なく、完成後に実物を見た上で入居を決めるのが一般的だから、竣工時に5割決まっているのは破格の状況であり、それだけニーズが強いということだろう。 内廊下ですら破格の広さ建物には免震構造が採用されている。もともと西新宿は東京都庁をはじめ超高層ビルが数多くあり、東京でも地盤の固いエリアとして知られているが、そのうえ地盤の揺れを吸収する免震構造が採用されているのでなおさら安心感が高まる。低層階のオフィスも天井が高く設定されているので、「ラ・トゥール」のある19階でも平均的な分譲マンションの27階相当の高さがあり、開放的で快適な空間になっている。ホテルのような内廊下なので、外部から人の動きが見られることはなく、プライバシーの確保は万全で、しかもその幅は約3mもある。廊下も破格の広さ各フロアのエレベーターホールも広く、一般的な分譲マンションならファミリータイプの住戸を一部屋確保できるほどゆったりしている。居室内の廊下も、車椅子が「すれ違える」ように1.3mの幅を確保、高級賃貸住宅のなかでも破格の広さを誇っている。庶民には縁のない世界このように、破格の仕様・設備で、管理サービスも格段に充実しているとしても、「家賃が300万円以上もする住まいに入居する人はいないのではないか」と気になるが、住友不動産の担当者によると、決してそんなことはないという。「ほとんどの人は高級分譲マンションなどを所有しています。しかし、分譲マンションで300平米の広さの住居はめったにありませんし、あったとしても数が少ないので簡単に買えません。分譲マンションに飽き足らない人たちが、ラ・トゥールを求めているのです」たとえば、スタートアップで成功した経営者などが家賃を経費で落とすことを前提に借りるケースがあり、そんな人にとって家賃はいくら高くても問題にならない。むしろ不動産業者の立場から見れば、家賃が高いほど経済人、文化人、芸能人など社会的な評価の高い人たちが多く住むようになる。そこに住まないと得られない人脈が形成され、上質な情報が得られるようになり、メリットが大きくなる。庶民には縁のない世界かもしれないが、富裕層にとっては高い家賃を払うだけの価値があるわけだ。とある部屋の中の様子 横浜にも初の「ラ・トゥール」が誕生実際、高級賃貸へのニーズは強く、ケン不動産投資顧問の調査では、2022年度第4四半期の空室率は3.4%にとどまっており、ほとんど満室の状態が続いている。賃料もやはり2022年度第4四半期には初めて坪2万円を超えた。30坪、100平米ほどの住まいで家賃は60万円以上ということだ。そのため、住友不動産としてはまだまだニーズがあると予想しており、今後も積極的な展開を考えている。2023年2月にはラ・トゥール目白御留山が完成し、3月にはこの新宿ファーストが続いたが、2024年春には横浜エリア初のラ・トゥールがみなとみらいに誕生し、2026年には南青山にも竣工する予定だ。そのほかにも、時期は未定だが、渋谷松濤、元麻布などの一等地で計画が進められているそうで、あちこちに「ラ・トゥール」の波が広がりそうだ。
駐車場の料金は平置きが月に7万5000円、機械式が6万5000円。それだけでも都心近くでワンルームの部屋が借りられるし、郊外ならファミリータイプの住まいを探せるような金額だ。
機械式でもヴァレーサービスがついているので、通常の平置きよりラクかもしれない。ヴァレーサービスというのは、帰宅時に車寄せでキーをつけたままクルマから降りると、担当者が駐車場に運んでくれ、外出時にも指定した時間に車寄せに持ってきてくれるサービスのこと。このヴァレーサービスを備えたマンションは、新宿エリアでは初めてだそうだ。
また、すべての「ラ・トゥール」シリーズ同様に24時間バイリンガルのコンシェルジュが常駐し、タクシー配車、宅配物の一時預かり(冷蔵・冷凍含む)などに対応してくれる。
分譲マンションや賃貸マンションのコンシェルジュは外部からの派遣が多いが、「ラ・トゥール」シリーズのコンシェルジュはすべて住友不動産の社員で、人材教育が行き届いたスタッフが多いのも特徴になっている。
建物は鉄筋コンクリート造の地上35階建てで、低層階、中層階は商業施設やオフィス。賃貸住宅は19階から35階を占めており、総戸数は170戸だ。
平均専有面積は100平米超で、平均賃料は70万円だが、2LDKはおよそ80~150平米、3LDKはおよそ100~170平米で、最上階のペントハウスには300平米超の部屋も設けられている。家賃の目安は、80平米で50万円、110平米で70万円、170平米で130万円、300平米超のペントハウスが300万円超となっている。
4月20日から入居がスタートしたが、その時点でほぼ5割の入居希望があったという。まだ半分か、と思うかも知れない。しかし賃貸住宅は完成前の青田での成約は少なく、完成後に実物を見た上で入居を決めるのが一般的だから、竣工時に5割決まっているのは破格の状況であり、それだけニーズが強いということだろう。
内廊下ですら破格の広さ建物には免震構造が採用されている。もともと西新宿は東京都庁をはじめ超高層ビルが数多くあり、東京でも地盤の固いエリアとして知られているが、そのうえ地盤の揺れを吸収する免震構造が採用されているのでなおさら安心感が高まる。低層階のオフィスも天井が高く設定されているので、「ラ・トゥール」のある19階でも平均的な分譲マンションの27階相当の高さがあり、開放的で快適な空間になっている。ホテルのような内廊下なので、外部から人の動きが見られることはなく、プライバシーの確保は万全で、しかもその幅は約3mもある。廊下も破格の広さ各フロアのエレベーターホールも広く、一般的な分譲マンションならファミリータイプの住戸を一部屋確保できるほどゆったりしている。居室内の廊下も、車椅子が「すれ違える」ように1.3mの幅を確保、高級賃貸住宅のなかでも破格の広さを誇っている。庶民には縁のない世界このように、破格の仕様・設備で、管理サービスも格段に充実しているとしても、「家賃が300万円以上もする住まいに入居する人はいないのではないか」と気になるが、住友不動産の担当者によると、決してそんなことはないという。「ほとんどの人は高級分譲マンションなどを所有しています。しかし、分譲マンションで300平米の広さの住居はめったにありませんし、あったとしても数が少ないので簡単に買えません。分譲マンションに飽き足らない人たちが、ラ・トゥールを求めているのです」たとえば、スタートアップで成功した経営者などが家賃を経費で落とすことを前提に借りるケースがあり、そんな人にとって家賃はいくら高くても問題にならない。むしろ不動産業者の立場から見れば、家賃が高いほど経済人、文化人、芸能人など社会的な評価の高い人たちが多く住むようになる。そこに住まないと得られない人脈が形成され、上質な情報が得られるようになり、メリットが大きくなる。庶民には縁のない世界かもしれないが、富裕層にとっては高い家賃を払うだけの価値があるわけだ。とある部屋の中の様子 横浜にも初の「ラ・トゥール」が誕生実際、高級賃貸へのニーズは強く、ケン不動産投資顧問の調査では、2022年度第4四半期の空室率は3.4%にとどまっており、ほとんど満室の状態が続いている。賃料もやはり2022年度第4四半期には初めて坪2万円を超えた。30坪、100平米ほどの住まいで家賃は60万円以上ということだ。そのため、住友不動産としてはまだまだニーズがあると予想しており、今後も積極的な展開を考えている。2023年2月にはラ・トゥール目白御留山が完成し、3月にはこの新宿ファーストが続いたが、2024年春には横浜エリア初のラ・トゥールがみなとみらいに誕生し、2026年には南青山にも竣工する予定だ。そのほかにも、時期は未定だが、渋谷松濤、元麻布などの一等地で計画が進められているそうで、あちこちに「ラ・トゥール」の波が広がりそうだ。
建物には免震構造が採用されている。もともと西新宿は東京都庁をはじめ超高層ビルが数多くあり、東京でも地盤の固いエリアとして知られているが、そのうえ地盤の揺れを吸収する免震構造が採用されているのでなおさら安心感が高まる。
低層階のオフィスも天井が高く設定されているので、「ラ・トゥール」のある19階でも平均的な分譲マンションの27階相当の高さがあり、開放的で快適な空間になっている。ホテルのような内廊下なので、外部から人の動きが見られることはなく、プライバシーの確保は万全で、しかもその幅は約3mもある。
廊下も破格の広さ
各フロアのエレベーターホールも広く、一般的な分譲マンションならファミリータイプの住戸を一部屋確保できるほどゆったりしている。居室内の廊下も、車椅子が「すれ違える」ように1.3mの幅を確保、高級賃貸住宅のなかでも破格の広さを誇っている。
このように、破格の仕様・設備で、管理サービスも格段に充実しているとしても、「家賃が300万円以上もする住まいに入居する人はいないのではないか」と気になるが、住友不動産の担当者によると、決してそんなことはないという。
「ほとんどの人は高級分譲マンションなどを所有しています。しかし、分譲マンションで300平米の広さの住居はめったにありませんし、あったとしても数が少ないので簡単に買えません。分譲マンションに飽き足らない人たちが、ラ・トゥールを求めているのです」
たとえば、スタートアップで成功した経営者などが家賃を経費で落とすことを前提に借りるケースがあり、そんな人にとって家賃はいくら高くても問題にならない。
むしろ不動産業者の立場から見れば、家賃が高いほど経済人、文化人、芸能人など社会的な評価の高い人たちが多く住むようになる。そこに住まないと得られない人脈が形成され、上質な情報が得られるようになり、メリットが大きくなる。
庶民には縁のない世界かもしれないが、富裕層にとっては高い家賃を払うだけの価値があるわけだ。
とある部屋の中の様子
横浜にも初の「ラ・トゥール」が誕生実際、高級賃貸へのニーズは強く、ケン不動産投資顧問の調査では、2022年度第4四半期の空室率は3.4%にとどまっており、ほとんど満室の状態が続いている。賃料もやはり2022年度第4四半期には初めて坪2万円を超えた。30坪、100平米ほどの住まいで家賃は60万円以上ということだ。そのため、住友不動産としてはまだまだニーズがあると予想しており、今後も積極的な展開を考えている。2023年2月にはラ・トゥール目白御留山が完成し、3月にはこの新宿ファーストが続いたが、2024年春には横浜エリア初のラ・トゥールがみなとみらいに誕生し、2026年には南青山にも竣工する予定だ。そのほかにも、時期は未定だが、渋谷松濤、元麻布などの一等地で計画が進められているそうで、あちこちに「ラ・トゥール」の波が広がりそうだ。
実際、高級賃貸へのニーズは強く、ケン不動産投資顧問の調査では、2022年度第4四半期の空室率は3.4%にとどまっており、ほとんど満室の状態が続いている。賃料もやはり2022年度第4四半期には初めて坪2万円を超えた。30坪、100平米ほどの住まいで家賃は60万円以上ということだ。
そのため、住友不動産としてはまだまだニーズがあると予想しており、今後も積極的な展開を考えている。2023年2月にはラ・トゥール目白御留山が完成し、3月にはこの新宿ファーストが続いたが、2024年春には横浜エリア初のラ・トゥールがみなとみらいに誕生し、2026年には南青山にも竣工する予定だ。
そのほかにも、時期は未定だが、渋谷松濤、元麻布などの一等地で計画が進められているそうで、あちこちに「ラ・トゥール」の波が広がりそうだ。